学習塾・個別指導 フランチャイズ
学習塾・個別指導フランチャイズ16社を、費用・収益性・教室の増減で比べる
開業総額、毎月の本部への支払い、教室の増減、同じ条件で試算した収支で16本部を比べました。教室長を自分でやるか雇うかで、採算は大きく変わります。6項目に答えると、予算と運営のしかたに合う本部が絞れます。
教室数は16本部の現在の教室数の単純合計(直営と加盟店を含む)。各本部の教室数を数えた日(観測日)は2026年10月7日で、当サイトが確認した日は2026年10月7日です。過去の一覧と店名・住所で突き合わせたのは16本部です。
01編集部の判断
学習塾・個別指導のフランチャイズ、16社を調べた編集部の結論
16本部の公開情報を集めました。公式の教室一覧は、16本部すべてについて、約3年前の記録と1教室ずつ突き合わせています。募集ページは過去の版を409時点さかのぼりました。上場本部の決算と開示書面、裁判例検索・消費者庁・公取委・厚労省の公表も調べています。さらに、事業承継サイトで売りに出ている学習塾964件の売上と売値を集めました。そのうえで、編集部ならこう選ぶ、という判断を書きます。
迷ったら、まずここから
| あなたの状況 | 編集部の第一候補 | 逆転するとき | いちばんのリスク |
|---|---|---|---|
| 個人で、自分が教室長をする | 個別指導Axis(おすすめ) | 近くの既存校の在籍が30人台 | 契約期間と違約金が公開資料にない |
| 1都3県で、高校生まで教えたい | フリーステップ(おすすめ) | 特別プランの対象にならない | 標準プランの初期費用2,070万円 |
| 教室長を雇って回したい | 個太郎塾(条件次第) | 消えた教室の理由が経営不振 | 一覧が3年弱で23教室減った |
| 講師を雇わずに回したい | 自立学習RED(条件次第) | 毎月の本部費が書面で出ない | ロイヤリティが12%か6%か不明 |
いちばん大事なのは1行目です。学習塾のFCは、オーナーが自分で教室長をするかどうかで、採算がまるで変わります。 教室長を社員で雇うと、初期費用で回収を計算できた8本部のうち在籍50人・都市部で、3本部は5年以内に戻らず、2本部は10年でも戻りません(当サイトの試算)。理由は下に書きます。
教室長を雇うか、自分がやるか
当サイトは、全本部を同じ式で試算しています。人件費は、教室長1人(月32.5万円)と、講師の給与(生徒1人あたり月9,500円)です。本部の収支モデルは、どれも教室長の人件費を入れていません。明光義塾は「教室長給与・福利厚生費はモデル収支に含まれておりません」と書いています。
この前提で、在籍50人・都市部の家賃で教室長を雇うと、明光義塾は月10万円の赤字です。ITTOも月3万円の赤字です。自分が教室長をすると、明光義塾は月23万円、ITTOは月30万円が残ります。ただしこれはオーナーの給与込みの額です。
つまり学習塾のFCは、多くの本部で「教室長という仕事を買う」商売です。教室長を雇って、オーナーは別の仕事をする。この形で都市部の家賃でも5年以内に初期費用が戻るのは、本部費まで確かめられた本部では個太郎塾だけです(回収46か月)。
この業態の数字で分かる前提
1. 講師の給与は、生徒が増えるほど増える
個別指導は、講師1人が生徒2人ほどを見ます。生徒が増えれば、講師のコマも増えます。本部の収支モデルで、講師の給与を生徒数で割ると、1人あたり月7,383〜11,357円でした(明光義塾・城南コベッツ・個太郎塾・トライプラス・Axisの本部の収支モデル本部公表)。最低賃金が上がっているため、当サイトは中央より上の9,500円で置いています。
このため、生徒が増えても利益は思うほど増えません。在籍が増えるほど講師の採用も必要になります。講師は大学生のアルバイトが中心で、3月の卒業でまとめて辞めます。
2. 子どもは毎年卒業していく
中3と高3は、受験が終わればやめます。平均の在籍期間を2年9か月前後とみて、退塾率を月3%と置きました。在籍50人なら、毎年18人前後を入れ直す計算です。生徒の獲得には1人5万円ほどかかります(本部の収支モデルの広告費から)。
子どもの数も減っています。2025年度の小学生は581万2千人、中学生は310万5千人で、どちらも過去最少です公的資料。2025年の学習塾の倒産は55件で、過去最多でした公的資料。原因の8割は販売不振です。
3. 立ち上がりに1年かかる
学習塾の入会は、新学期と講習期に集中します。個太郎塾の生徒数モデルは、1年目平均25名・2年目50名です本部公表。当サイトは、12か月で目標の在籍に届く前提で計算しています。これでも本部のモデルより速い前提です。
4. 売りに出ている教室の在籍は40人前後
事業承継サイトの学習塾の案件で、在籍が書かれた162件の中央値は40人でした当サイト集計(2026年10月7日)。FC加盟の案件に限ると、71件で37.5人です当サイト集計(2026年10月7日)。当サイトの標準の50人は、売りに出ている教室より少し上の水準です。
決め手は3つだけ
1. 教室長を誰がやるか
上に書いたとおりです。自分が教室長をするなら、比べられる本部は増えます。雇うなら、本部の数字をもっと厳しく見てください。説明会では「教室長の給与を引いた後の利益」を聞いてください。答えられない本部は多いはずです。
2. 教室が残っているか
公式の教室一覧を約3年前と比べると、起点の教室のうち消えた割合は、本部で大きく違いました。フリーステップは起点の262校のうち9校、Axisは511校のうち27校です当サイト集計(2026年10月7日)。松陰塾は297校のうち99校が消え、学研CAIスクールも比べた地域で2割が消えています。
教室の増減は、本部の資料より一覧で確かめてください。ITTOは「現在の校舎数1,228校」と書きますが、公式一覧のITTOは884校です。学研CAIスクールのポータルの「全国160教室」も、一覧と合いません。
3. 毎月の本部への支払いが、全部分かるか
ロイヤリティは売上の7〜15%が多く、定額や生徒1人あたりの費用が上乗せされます。在籍50人の試算で、本部への支払いの売上比は9.5%〜18.6%です(本部費を確認できた本部)。
金額の分からない費用が残る本部もあります。スクールIEの「諸費用規程」、松陰塾の学習システム利用料、自立学習REDのロイヤリティの率です。分からない費用がある本部は、試算が良く見えても判定を上げていません。
そのまま判断材料にしない宣伝文句
- 「加盟金0円」「ロイヤリティ0円」。 ITTOは加盟金0円ですが、在籍が20・40・60・80人に届くたびに50万円を払います。松陰塾は「ロイヤリティ0円」ですが、毎月の学習システム利用料の金額を2020年からページに出していません。
- 「期間限定」「先着◯校」。 スクール・ワンの加盟金の割引は、期限を書かずに約4年半続いています。Axisの加盟金のキャンペーンも、2019年から名前を変えて続いています。
- 利益の例。 自立学習REDのアントレは、人件費を外した「オーナー1名 利益1100万円」の見出しに差し替えました。ECCベストワンは「50名で利益約400万円」の例を2025年に消しています。
- 募集ページの教室数。 ITTOの「1,228校」、学研CAIスクールの「160教室」、松陰塾の「300校突破」は、どれも公式一覧の数より大きい表記です。
- 「未経験でも安心」。 学習塾は、教室長の面談と講師の採用で決まる商売です。未経験かどうかより、平日の夜に教室に立てるかを考えてください。
表示が変わる理由は、業績だけではありません。ただどの場合も、過去の数字では契約できません。今の数字を、本部に書面で聞いてください。
言いにくいこと
最大手の明光義塾でも、FC教室は減っています。 開示書面では、FC教室は3年で1,339から1,184に減りました。FCの解約は年43→38→18教室です。教室長を雇う試算では、在籍50人・都市部で月10万円の赤字になります。公式の収支モデルは、2017〜2018年の直営のデータのままです。
子どもの安全は、教室長1人にかかっています。 2024年、埼玉県内の明光義塾の教室の当時の教室長が、生徒10人を盗撮した罪で有罪判決を受けました(直営かFCかは報道で未確認)。2025年には、スクールIEの元教室長が教え子へのわいせつの疑いで逮捕されています。本部が懲戒解雇した社員です。どちらも本部全体の問題とは言えません。ただ、加盟店のオーナーが教室長を雇えば、同じ責任をオーナーが負います。採用時の確認と、教室の見通しのよさは、説明会で必ず聞いてください。
本部とのトラブルは、裁判にもなっています。 武田塾では2023年、本部を訴えたFC校の約130m先に直営校を開く計画が、東京地裁で差し止められました。個別指導WAMでは、本部の営業支援の債務不履行を理由にした加盟店の契約解除を、大阪地裁が認めています(判決文の記載)。契約書の「支援の義務」と「近くへの出店のルール」は、読んでから署名してください。
FCで新しく開くより、売りに出ている教室のほうが安いことが多いです。 FC加盟の案件の希望額の中央値は300万円でした(257件)当サイト集計(2026年10月7日)。AxisやITTOの初期費用は700万円台です。売り手の数字は監査されていません。それでも、在籍している生徒ごと引き継げる案件と、一度は比べてください。
それでも塾を開きたい人へ
「おすすめ」は2本部です。全業態で同じ規則を当てた結果で、学習塾だけ条件を厳しくしてはいません。契約相手が分かる、本部に毎月払う合計が分かる、勧める運営のしかたで利益が出て5年以内に初期費用が戻る、起点の教室が一覧に残っている。この4つを満たしたのが個別指導Axis、個別指導学院フリーステップです。どちらも、オーナーが自分で教室長をする前提での判定です。
FCを使わずに始める道もあります。
1. 売りに出ている教室を引き継ぐ。 在籍名簿の実数、学年の内訳、講師が残るかを先に確かめてください。中3・高3が多い教室は、春に在籍が大きく減ります。
2. 自分で一から開く。 本部に払う売上の10%前後が要りません。その代わり、教材・集客・講師の研修の型を自分で作ります。教える経験がある人ほど、FCに払う理由は小さくなります。
この判断の根拠
| 判断 | 根拠にしたデータ |
|---|---|
| 教室長を誰がやるかで決まる | 本部の収支モデルの人件費の行と、同じ式の試算 |
| 講師の給与は生徒数に比例 | 5本部の収支モデルの講師給与÷生徒数 |
| 教室が残っているか | 16本部の公式一覧を約3年前と2026年10月7日で突き合わせ |
| FC教室の推移 | 明光義塾・スクールIE・城南コベッツ・スクール・ワン・個太郎塾・トライプラスの開示書面 |
| 運営会社の体力 | 京進・城南進学研究社・成学社・市進HD・学研HD・明光ネットワークジャパン・FCEの決算 |
| 宣伝文句の変わり方 | 16本部の募集ページをWeb Archiveで409時点さかのぼって比較 |
| 売りに出ている教室 | 事業承継サイトの学習塾964件(FC加盟の案件347件) |
| 裁判・処分 | 裁判例検索、消費者庁・公取委・厚労省の公表、JFA、報道 |
| 子どもの数と倒産 | 文部科学省の学校基本調査、東京商工リサーチ |
試算は、在籍30人・50人・70人の3通りで計算しています(武田塾・現論会は15人・30人・45人)。本部への支払いが非公開の2本部は、武田塾を第三者サイトの売上の15%、現論会を売上の10%で仮置きしています。
02条件で絞る
条件から候補を絞る
共通の4項目と、学習塾・個別指導に特有の2項目を選んでください。
予算は、初期費用に使える総額(自己資金と借入の合計)を、本部が公表している初期費用の総額の上限と比べて判定します。公表上限は本部の目安の上限で、実際の見積りの上限ではありません。運転資金・生活費は別に用意してください。上限や総額が公表されていない本部は「予算に合うか未確認」と表示し、予算内とは扱いません。「法人限定」は評価ではなく加盟の条件で、法人だけが加盟できる本部です。加盟する人を「法人」にすると候補に入ります。結果の「運営条件」は選んだ条件と本部の運営の形が合うか、「あなたの条件で計算」は、選んだ時間・会員数をその本部の試算に当てはめた結果です。「標準条件の参考」は、稼働率62%・都市部の家賃などの標準の条件で黒字になるかで、あなたの場所や雇い方での採算ではありません。本部への支払いか主要な入力が未確認の本部は「未確認」とします。
03市場・収益分析
16社を同じ物差しで調べて分かったこと
照合の起点から現在までで、一覧に新しく載った店より消えた店が多い本部がある
公式の教室一覧を、本部ごとに照合の起点と現在で店名・住所で突き合わせました(期間は本部ごとに違い、約2.6〜3年)。直近1年の区切りで店名を突き合わせて集計できた本部は、16本部中0本部です。そのため、この図は照合の起点から現在までの増減です(編集部の判断の「この1年」の表は、一部の本部について一覧を別に数えた値で、対象の本部数を表に書いています)。一覧に新しく載った店より、一覧から消えた店が多い本部が10社ありました。明光義塾は一覧に新しく載った店36教室・一覧から消えた店162教室です。
上:照合の起点から現在までで一覧の店が増えた本部/下:減った本部。括弧内は起点→終点の教室数と、一覧に新しく載った店・消えた店の数です(起点+載った−消えた=終点)。一覧の動きで、実際の開店・閉店とは限りません。消えた店には移転・改名を含む場合があります。
黒字に必要な在籍生徒数は、本部によって大きく違う
同じ式で試算すると、黒字に必要な在籍生徒数は少ない本部で33人、多い本部で59人です(都市部の家賃)。
少ないほど、生徒が集まらなくても赤字になりにくい(毎月の本部への支払いの総額を確認できた本部。参考扱いの9社は除く)
初期費用を取り戻すまでの期間は、3年10か月から10年超まで開く
標準の在籍生徒数・都市部の試算です。毎月の本部への支払いの総額と初期費用を確認できた5社のうち、2社は10年で初期費用を取り戻せません。本部への支払いが非公開・未確定などで参考扱いの9社は、この数に入れていません(本部ページに参考値)。
短いほど早く回収できる(開業から6か月で在籍生徒数が増える前提)。確認できた5社をすべて表示。回収は、本部が公表した初期費用(判明分の合計・税抜)で計算しています
04全16社
全16社の判定
おすすめ2社共通の4条件を確認できた。条件が合えば、資料を取り寄せて比べる価値がある
条件次第6社強みはあるが、採算・本部費など判断を左右する点が未確認(主な理由を表示)
様子見5社実績が浅い・縮小の理由が分からないなど、判断材料が足りない(主な理由を表示)
おすすめしない3社店の減少や数字の食い違いがあり、今は新規加盟を勧めにくい
VS2社の比較
よく比べられる組み合わせ
- 個別指導Axisと明光義塾を比較どちらも小中学生中心の個別指導で、初期費用は700万円台。教室の残り方(Axisは起点の511校のうち27校が消えた、明光義塾は1,735教室のうち162教室)と、本部への支払いの組み立てが違う(判定:個別指導Axis=おすすめ/明光義塾=条件次第)
- 個別指導AxisとITTO個別指導学院を比較どちらも「生徒20名までロイヤリティ0円」をうたう個別指導。Axisは開校から1年だけ、ITTOは期限がない代わりに在籍の節目ごとに50万円を払う(判定:個別指導Axis=おすすめ/ITTO個別指導学院=条件次第)
- 個太郎塾と城南コベッツを比較どちらも首都圏の進学塾系の個別指導で、本部の収支モデルの費目が細かい。個太郎塾は物件取得費込みの初期費用を出し、城南コベッツは本部への支払いだけを出している(判定:個太郎塾=条件次第/城南コベッツ=様子見)
- 自立学習REDと完全個別 松陰塾を比較どちらも講師をほとんど雇わない自立学習型。REDはロイヤリティ12%(別のポータルは6%)、松陰塾は売上に連動するロイヤリティがない代わりに毎月の学習システム利用料が非公開(判定:自立学習RED=条件次第/完全個別 松陰塾=おすすめしない)
05開業ガイド
開業ガイド
調べ方と広告の方針
- 数字は本部の公開情報・公的データ・公式教室一覧の記録から集め、出典と確認日を付けています
- 収支は全本部を同じ式で試算しています。本部への支払いが非公開の本部は「参考」として区別します
- 現在、紹介料・広告の契約を結んでいる本部はありません。契約した場合は該当するリンクに【PR】と表示します。紹介料の有無で判定や掲載順は変えません。