学習塾・個別指導フランチャイズの開業ガイド
学習塾FCの失敗原因|16本部の教室推移と売却964件を分析
更新内容:学習塾・個別指導の開業ガイドとして新規作成しました(公開前の下書き)

編集部の判断
学習塾のFCで最も多い失敗は、教室長を雇う前提で本部の収支モデルを信じることです。本部の収支モデルは、どれも教室長の人件費を入れていません本部公表。オーナーが自分で教室長をするなら回る数字でも、雇うと赤字になる本部があります。
次に多いのは、在籍が50人に届かないことです。学習塾は生徒が毎年卒業し、子どもの数も減っています。在籍が集まるのに1年かかり、春には中3・高3が抜けます。
編集部なら、本部に「教室長の人件費を引いた後の既存教室の利益」と「開校2年目の在籍の分布」を出してもらいます。この2つを出さない本部とは、契約を急ぎません。
状況別:編集部ならこうする
| あなたの状況 | 編集部ならこうする |
|---|---|
| 会社員を続けながら、教室長を雇って開きたい | 雇っても都市部で5年以内に戻る本部は少ない。今は個太郎塾くらいと考えて比べる |
| 自分が教室長をする | 近くの既存教室の在籍と、講師の採用の実績を先に聞く |
| 子どもの安全が心配 | 本部の講師の採用時の確認と、防犯カメラの扱いを聞く |
| 本部とのトラブルが心配 | 支援の義務と近くへの出店のルールが契約書に書かれているかを読む |
この記事でいう失敗の定義
この記事では、次のどれかを失敗と呼びます。
- 開校から5年で初期費用が戻らない
- 教室を閉じる、または売りに出す
- 本部との契約を途中でやめる、または裁判になる
一覧から教室が消えたことは、閉校と同じではありません。移転・統合・直営化・名前の変更を含みます。
結論:失敗は5つの経路で起きる
| 経路 | 起きること | 本部に出してもらう数字 |
|---|---|---|
| 1. 教室長の人件費と在籍不足 | 雇った教室長の給与で赤字が続く | 教室長の人件費を引いた後の既存教室の利益 |
| 2. 講師が確保できない | 生徒を受けられない、質が落ちる | 講師の採用の実績と、春の入れ替わり |
| 3. 子どもが減る・卒業する | 在籍が毎年入れ替わり、獲得費がかかり続ける | 退塾率と、学年ごとの在籍の内訳 |
| 4. 本部とのトラブル | 支援が受けられない、近くに直営校が出る、違約金 | 支援の回数と中身、出店のルール、違約金 |
| 5. 子どもの安全 | 教室での事件で信頼を失う | 講師の採用時の確認、教室の見通し、報告の仕組み |
経路1:教室長の人件費と在籍不足
当サイトは、全本部を同じ式で試算しています。教室長を雇う場合、人件費は月32.5万円で置きました。在籍50人・都市部で、教室長を雇うと明光義塾は月10万円の赤字、ITTOも月3万円の赤字です当サイト試算。自分が教室長をすると、明光義塾は月23万円が残ります当サイト試算。
在籍が30人にとどまると、もっと厳しくなります。
| 本部 | 在籍30人・都市部(雇う) | 在籍30人・都市部(自分) |
|---|---|---|
| 個別指導Axis | −21万円 | 12万円 |
| フリーステップ | −4万円 | 28万円 |
| 個太郎塾 | −12万円 | 20万円 |
| 明光義塾 | −33万円 | −1千円 |
| ITTO個別指導学院 | −29万円 | 3万円 |
「在籍50人」は当たり前ではない
明光義塾のFC教室の平均在籍は55.4名でした(2025年8月期)公的資料。直営は72.0名です。一方、売りに出ている学習塾で在籍が書かれた162件の中央値は40人です当サイト集計(2026年10月7日)。FC加盟の案件では、71件で37.5人でした当サイト集計(2026年10月7日)。
最大手の平均でも55人前後で、売りに出る教室は40人前後です。在籍50人は、本部の平均に届くかどうかの水準だと考えてください。
経路2:講師が確保できない
個別指導は、講師1人が生徒2人ほどを見ます。在籍50人なら、週に延べ数十コマの講師が要ります。講師は大学生のアルバイトが中心で、3月の卒業でまとめて辞めます。
本部の収支モデルの講師の給与は、生徒1人あたり月7,383〜11,357円でした本部公表。最低賃金が上がり続けているため、当サイトは9,500円で置いています。時給が100円上がると、在籍50人の教室で年に数十万円の負担増になります。
トライプラスは、トライの登録講師から講師の紹介を受けられると説明しています本部公表。講師の採用に自信がない人は、採用の支援の中身と費用を比べてください。
経路3:子どもが減る・卒業する
2025年度の小学生は581万2千人、中学生は310万5千人で、どちらも過去最少でした公的資料。2025年の学習塾の倒産は55件で過去最多です公的資料。原因の8割は販売不振でした。
学習塾は、中3と高3が受験を終えると一斉にやめます。当サイトは退塾率を月3%と置き、在籍50人なら年18人前後を入れ直す計算です。1人の獲得に5万円かかると、年90万円前後の広告費が要ります当サイト試算。
近くの学校の生徒数と、競合の塾の数を、開く前に調べてください。本部の商圏分析の結果も、書面でもらってください。
経路4:本部とのトラブル
裁判例検索と報道で、本部と加盟店の裁判が3つ見つかりました公的資料。
| 本部 | 起きたこと | 結果 |
|---|---|---|
| 武田塾 | 本部を訴えたFC校の約130m先に、本部が直営校を開くと発表 | 東京地裁が優越的地位の濫用として開校を差し止め(2023年11月、仮処分) |
| 個別指導WAM | 元加盟店が、本部の営業支援の債務不履行を理由に契約を解除 | 大阪地裁が解除を認め、加盟金などの返還を本部に命じた(2023年4月、別の判決文の記載) |
| 個別指導WAM | 本部が同じ元加盟店に、競業避止の違約金2,000万円を請求 | 大阪地裁・大阪高裁とも請求を退けた(2024年・2025年) |
| 明光義塾 | 本部が九州の旧エリアFC先との契約を解除 | 解除は有効とされ、旧FC先に3億4,806万円余りの支払いを命じた(東京地裁2025年3月、知財高裁2026年5月) |
明光義塾の裁判は、ロイヤルティの過少申告や生徒数の水増しなどを理由に、本部が解除した事件です(本部の公表と判決文)公的資料。本部と加盟店のどちらが悪いかは、事件ごとに違います。共通するのは、契約書の書き方が結論を左右したことです。
契約書で必ず読むところ
- 支援の義務:本部が何を、何回するか。WAMの事件では、営業支援の中身が争われました。
- 近くへの出店:本部の直営校や他の加盟店が近くに出るときのルール。明光義塾は既存教室から直線1km未満に第三者の教室を開かせないと書いています本部公表。
- 競業避止:やめた後、どの範囲で何年、塾を開けないか。明光義塾は終了後1年は全国で塾の経営・関与を禁止しています本部公表。
- 違約金:明光義塾は300万円か3,000万円、城南コベッツはロイヤルティの30か月分か500万円の高いほう、スクール・ワンは商標・ノウハウの侵害で800万円です本部公表。
経路5:子どもの安全
学習塾は、子どもと大人がブースで並んで座る場所です。教室での事件は、本部ではなく、その教室の運営者の信頼を直接失わせます。
報道によると、2024年に埼玉県内の明光義塾の教室の当時の教室長が、生徒10人を盗撮した罪で有罪判決を受けました(直営かFCかは報道で未確認)。2025年には、スクールIEの元教室長が教え子へのわいせつの疑いで逮捕されています。やる気スイッチグループが懲戒解雇した社員です。
どちらも、本部全体の問題とは言えません。ただ、加盟店のオーナーが教室長や講師を雇えば、採用と監督の責任はオーナーにあります。明光義塾は、防犯カメラの設置と講師の採用時の心理適性検査を、FC教室にも広げたと開示しています公的資料。説明会では、次のことを聞いてください。
- 講師・教室長の採用時に何を確かめるか(本部の仕組みか、加盟店まかせか)
- 防犯カメラやブースの見通しの基準と、その費用
- 事件や相談があったときの、本部への報告と保護者への説明の手順
16本部の教室一覧を約3年比較
調査方法
公式の教室一覧を、Wayback Machineの約3年前の記録と2026年10月7日の一覧とで、教室ID・教室名・住所で突き合わせました当サイト集計(2026年10月7日)。起点にあって今の一覧にない教室を「消えた教室」と数えています。
本部ごとの結果
| 本部 | 起点→現在 | 消えた教室(起点に対する割合) |
|---|---|---|
| フリーステップ | 262→277 | 9(3%) |
| スクールIE | 1,140→1,144 | 57(5%) |
| 個別指導Axis | 511→529 | 27(5%) |
| 武田塾 | 392→380 | 30(8%) |
| ITTO個別指導学院 | 916→884 | 79(9%) |
| 明光義塾 | 1,735→1,609 | 162(9%) |
| 現論会 | 27→72 | 3(11%) |
| ECCベストワン | 210→205 | 28(13%) |
| 城南コベッツ | 212→191 | 30(14%) |
| 個太郎塾 | 218→195 | 32(15%) |
| 個別指導WAM | 285→302 | 45(16%) |
| 自立学習RED | 201→210 | 32(16%) |
| スクール・ワン | 247→213 | 43(17%) |
| トライプラス | 508→452 | 91(18%) |
| 学研CAIスクール(近畿を除く) | 115→111 | 24(21%) |
| 松陰塾 | 297→266 | 99(33%) |
比較の期間は本部によって約2年7か月〜3年です当サイト集計(2026年10月7日)。
大きく減った・動いた本部
松陰塾は、起点の3分の1が消え、68校が新しく載りました。入れ替わりが非常に大きい本部です。公式は「全国300校突破」と書いていますが、2024年1月時点・開校準備中を含む表記のままです。
学研CAIスクールは、比べた6地方で起点の2割が消えました。新しく載った教室の多くは「Study Fun」という別の名前の教室です。
明光義塾は、数では最も多い162教室が消えました。開示書面でも、FC教室は3年で155減っています公的資料。
移転・統合・閉校を区別できない限界
一覧から消えた教室には、近くへの移転、2教室の統合、直営への切り替え、名前の変更が含まれます。同じ住所で名前だけ変わった教室や、IDだけ変わった教室は、同じ教室として扱いました。それでも、閉校と言い切れるのは一部です。
開示書面の解約数
| 本部 | FC教室の推移 | 解約・閉鎖 |
|---|---|---|
| 明光義塾 | 1,339→1,184(2022〜2025年度) | 解約43・38・18(2023〜2025年) |
| スクールIE | 942→1,021(2021〜2024年度) | 中途終了23・23・21(2022〜2024年度) |
| スクール・ワン | 105→104(2024年5月期〜2026年2月期) | 閉鎖10・3・1 |
| 城南コベッツ | 209→195(2018〜2021年度) | 閉鎖14・11・7(2019〜2021年度) |
| トライプラス | 356→371(2016〜2018年度) | 契約解除16・14・18 |
開示書面の値です公的資料。書面の年度は本部ごとに違い、トライプラスは2019年版、城南コベッツは2022年版です。
宣伝文句の変遷:数字は後から弱まる
募集ページの過去の版をWeb Archiveで409時点さかのぼりました当サイト集計(2026年10月7日)。
- 明光義塾:開業プランのページの年間収支モデルは、2017〜2018年の直営教室のデータのままです。2021年の版では、このモデルとロイヤリティの注記が消えていました。
- ECCベストワン:「50名で利益約400万円/80名で800万円」を約9年載せた後、2025年11月に消しました。
- 個別指導WAM:2019年の「20年間撤退ゼロ!」を2022年に外し、今は「非撤退率92%」と書いています。
- 自立学習RED:アントレの利益の見出しを、人件費を外した「オーナー1名 利益1100万円」に差し替えました(2026年2月)。
- トライプラス:開校時の本部の広告支援を「100万円」から「50万円」に半分にしました(2026年5月以降)。
表示が変わる理由は、業績だけではありません。ただ、過去の数字では契約できません。
FC加盟店の売却案件
事業承継サイト(バトンズ・TRANBI)で、学習塾の案件を964件集めました(重複を除く)当サイト集計(2026年10月7日)。そのうち、本文やタイトルにFC加盟と書かれた案件は347件です。ブランド名はほとんど書かれていません。武田塾と城南コベッツは、ブランド名を明記した案件が1件ずつありました。
売上と在籍
| 項目 | FC加盟の案件 | 件数 |
|---|---|---|
| 年商の中央値 | 1,500万円 | 101件 |
| 営業利益の中央値 | 400万円 | 71件 |
| 在籍の中央値 | 37.5人 | 71件 |
| 希望額の中央値 | 300万円 | 257件 |
売り手が本文に書いた数字の集計です当サイト集計(2026年10月7日)。売り手の数字は監査されていません。営業利益に、オーナーが教室長をする分の給与が入っているかは、案件ごとに違います。
売る理由
サイトの選択欄では「選択と集中」が444件で最多、「後継者不在」が235件でした(学習塾全体、複数選択あり)当サイト集計(2026年10月7日)。本文に業績不振と書いた案件は61件、赤字と書いた案件は65件です。
撤退するといくら失うか
撤退のときに戻らないお金は、加盟金と内装・設備です。明光義塾は初期サポート費用・研修費を「理由の如何を問わず返還されません」と書いています本部公表。スクールIEも、開校準備申込金・加盟金・広告宣伝費・設計費は返還なしです本部公表。
教室を売れれば、一部は戻ります。FC加盟の案件の希望額の中央値は300万円でした当サイト集計(2026年10月7日)。初期費用700万円台の教室を開いて売ると、差は大きく残ります。
言いにくいこと
本部の「回収◯年」は、オーナーが教室長をする前提の数字がほとんどです。 教室長を雇うと、同じ本部でも回収は数年延びます。
最大手でもFC教室は減っています。 明光義塾のFC教室は3年で155減りました。大手だから安全とは言えません。
ブランドを明記して売りに出る教室は、ほとんどありません。 本部の承認が要るためとみられます(推定)。売りたいときに、本部の承認と承継の条件がどうなるかを契約前に聞いてください。
加盟しない方がいい人
- 教室長を雇う前提で、本部の収支モデルをそのまま信じている人
- 平日の午後から夜に、自分が教室に立てない人
- 講師の採用と子どもの安全の責任を負いたくない人
- 契約書の支援の義務と出店のルールを読まずに署名しそうな人
本部に出してもらう数字
| 数字 | 理由 |
|---|---|
| 教室長の人件費を引いた後の既存教室の利益 | 本部の収支モデルは教室長の人件費を含まない |
| 開校2年目の在籍の分布(下位25%を含む) | 平均だけでは在籍が集まらない教室が見えない |
| 一覧から消えた教室の理由の内訳 | 閉校・移転・直営化で意味が違う |
| 解約・中途終了の件数と理由 | 開示書面がない本部は特に |
| 講師の採用の実績と時給 | 最低賃金の上昇で人件費が増え続ける |
| 毎月の本部への支払いの全額 | 金額の分からない費用が残る本部がある |
候補本部を同じ条件で再計算する
収支シミュレーターで本部を選び、在籍と家賃を自分の条件にしてください。教室長の人件費を0にすると、自分が教室長をする場合になります。
根拠にしたデータ
| 判断 | 根拠にしたデータ |
|---|---|
| 教室長と在籍の失敗 | 当サイトの標準化モデル(税抜・在籍30・50・70人) |
| 子どもの減少と倒産 | 文部科学省の学校基本調査、東京商工リサーチ |
| 教室の増減 | 16本部の公式一覧を約3年前と突き合わせ |
| 解約数 | 5本部の開示書面 |
| 本部とのトラブル | 裁判所の裁判例検索、代理人の法律事務所の公表、報道 |
| 子どもの安全 | 報道、明光ネットワークジャパンの決算説明資料 |
| 売却案件 | 事業承継サイトの学習塾964件 |
よくある質問
学習塾FCで失敗する一番の原因は何ですか?
教室長を雇う前提で、教室長の人件費を含まない本部の収支モデルを信じることです。在籍50人でも、雇うと赤字になる本部があります当サイト試算。
一覧から消えた教室は閉校ですか?
閉校とは限りません。移転・統合・直営化・名前の変更を含みます。理由の内訳は本部に聞いてください。
学習塾を売ればいくらで売れますか?
FC加盟の学習塾の案件の希望額の中央値は300万円でした(257件)当サイト集計(2026年10月7日)。成約した額ではありません。
本部の閉校率はどこで分かりますか?
JFAに開示書面を出している本部(明光義塾・スクールIE・スクール・ワン・城南コベッツ・個太郎塾・トライプラス)は、解約や中途終了の件数を書いています。出していない本部には、同じ項目を書面で求めてください。
失敗しにくい本部を順位づけできますか?
順位にはしていません。教室の残り方と本部費の分かりやすさでは、個別指導Axisとフリーステップが上位でした。判定はおすすめ・おすすめです。
やめたいとき、すぐにやめられますか?
多くの本部は、満了の6か月前までに申し出が要ります。途中でやめると違約金がかかる本部があります。契約期間は3年が多く、ITTOは5年です本部公表。
この記事の数字の出し方
教室の増減は、公式の一覧を当サイトが数えた値です。売却案件は、事業承継サイトの本文に書かれた数字の集計で、売り手の申告です。試算は当サイトの標準化モデル(税抜)で、在籍30・50・70人、教室長は月32.5万円、講師の給与は生徒1人あたり月9,500円です。前提は市場・収益分析にあります。
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