買取店 フランチャイズ
買取店フランチャイズ15社を、費用・収益性・店舗の入れ替わりで比べる
開業総額、毎月の本部への支払い、公式一覧の店の入れ替わり、同じ条件で試算した収支で15本部を比べました。「撤退率30%」という噂も、一覧の突き合わせで確かめています。6項目に答えると、予算と運営のしかたに合う本部が絞れます。
店舗数は15本部の現在の店舗数の単純合計(直営と加盟店を含む)。各本部の店舗数を数えた日(観測日)は2026年10月7日で、当サイトが確認した日は2026年10月8日です。過去の一覧と店名・住所で突き合わせたのは12本部です。
01編集部の判断
買取店のフランチャイズ、15社を調べた編集部の結論
15本部の公開情報を集めました。公式の店舗一覧は、12本部について約3年前の記録と1店ずつ突き合わせています(突き合わせた本部の今の店は合計5,509店)。募集ページは6本部で過去の版を40時点さかのぼり、上場の親会社の開示、訴訟の報道、消費者庁の処分も調べました。売りに出ている買取店の案件も見ています。そのうえで、編集部ならこう選ぶ、という判断を書きます。
迷ったら、まずここから
| あなたの状況 | 編集部の第一候補 | 逆転するとき | いちばんのリスク |
|---|---|---|---|
| 総額を見積もってから始めたい | キングラム(おすすめ) | 出したい地域が募集の対象外 | 解約の条件が公開資料にない |
| ブランド品・宝飾品が多い商圏 | BRAND OFF(条件次第) | 広告宣伝費分担金が大きい | 初期費用が1,500万円前後 |
| 知名度の高い看板で、複数店を出す法人 | 買取大吉(条件次第) | 閉めた店の数が書面で出ない | 一覧の入れ替わりが大きい |
| 小さく始めたい個人 | 該当なし | 総額と本部費が書面で出る本部が見つかる | 本部費か総額が分からないまま契約する |
いちばん大事なのは4行目です。買取店のFCで、物件取得費まで含めた初期費用と、毎月の本部への支払いの両方を公開している本部は、15本部のうち少数です。 初期費用の総額を試算に使えたのは5本部だけでした。おたからやは費用を公開しておらず、個人の単独1店舗の加盟も受け付けていません。
「撤退率30%」は本当か
ネットでは「おたからやは累計1,500店出店して500店撤退、撤退率30%」という話が流れています。元をたどると、比較ブログの筆者が「私が耳にした情報では、2022年6月の時点で累計1500店舗出店させ500店舗の撤退」と書いたものでした。出典のない伝聞です。
そこで、公式の店舗一覧で確かめました。2023年5月10日の一覧には1,118店が載っていました。そのうち279店(25.0%)が、2026年10月7日の一覧にありません当サイト集計(2026年10月7日)。期間は3年5か月で、1年あたりにすると約8%です。同じ市区町村に名前の近い店が新しく載った32店は、移転や改名かもしれません。それを除くと247店(22.1%)です当サイト集計(2026年10月7日)。
編集部の結論はこうです。「撤退率30%」は数字の作り方が違い、そのまま信じる根拠はありません。ただ、3年あまりで店の2割以上が一覧から消えているのは事実です。 一方で一覧は2,054店まで増えています。消えた店より新しく載った店のほうがはるかに多く、本部が縮んでいるわけではありません。
この「2割以上が消えて、それ以上に増える」形は、おたからやだけではありません。買取大吉は2023年10月の803店のうち196店(24.4%)、旧WAKABAは187店のうち47店(25.1%)が消えました当サイト集計(2026年10月7日)。逆に、エコリングは比べた21府県の222店のうち6店、売るナビは140店のうち10店、キングラムは77店のうち9店、さすがやは66店のうち5店です当サイト集計(2026年10月7日)。本部によって、店の残り方は3倍から9倍違います。 本部名より、この数字で選んでください。
この業態の数字で分かる前提
1. 売上の大半は買取額で、残るのは3割台
買取店の売上は、買い取った品を業者・本部・オークションに売った額です。そのうち6〜7割は、お客さんに払った買取額です。BRAND OFFは「売上粗利率は平均35%」と公開しています本部公表。本部の収支モデルの粗利率は、えびすや29%・キングラム30%・売るナビ40%と開きがあります本部公表。
当サイトは粗利率35%、1件あたりの売上12万円で全本部を計算しました。1件あたりの粗利は38,182円(税抜)です。標準の月62件なら、粗利は月237万円です(試算)。
2. 本部への支払いは、粗利から見ると軽い
買取店のロイヤリティは、月5万〜25万円の定額がほとんどです。売上に対する率ではありません。標準の件数・都市部の試算で、本部への支払いは粗利の0.6%〜10.6%です(本部費を確認できた本部)。重いのは本部費より、人件費・家賃・広告費です。
3. 金相場で売上が動く
売上の多くは金・プラチナです。田中貴金属の国内の金価格(税抜・年平均)は、2023年の1グラム8,834円から2025年の17,302円へ、約2倍になりました公的資料。この3年で一覧が大きく伸びた理由の一つです。金価格が2割下がると、標準の件数・都市部・店長を雇うキングラムの試算は、月107万円から月78万円に下がります(売上の6割が貴金属と置いた試算)。今の相場で回収の計画を立てると、相場が戻ったときに崩れます。
4. 売りに出ている買取店の年商は、2,500万〜5,000万円が多い
事業承継サイト(TRANBI)で売りに出ている店頭の買取店15件のうち、年商の帯は「2,500万〜5,000万円」が5件で最も多く、営業利益の帯は「0〜500万円」が7件でした当サイト集計(2026年10月7日)。当サイトの少ない水準の月40件は、このあたりの店です。本部の収支モデルの数字は、これより大きな店の例です。
決め手は3つだけ
1. 物件・内装を含む初期費用と、毎月の本部費が両方分かるか
公開されているのが加盟金だけ、という本部が多くあります。バイセル(加盟金250万円)、売るナビ(加盟金300万円)、金のクマ(加盟金200万円)は、物件・内装を含む総額が出ていません。総額が分からなければ、回収を計算できません。この3本部は、店の残り方は悪くないのに「様子見」にしています。
2. 店が残っているか
上に書いたとおり、本部で大きく違います。募集ページの「継続率」より、公式一覧を自分で数えてください。買取大吉の「年間店舗継続率97.9%」は、3年に直すと約6%の店が消える数字です。一覧では2割以上が消えています。
3. 店長を誰がやるか
当サイトの試算では、店長(社員)とパート1名を雇います。店長の人件費は月32.5万円です。オーナーが自分で店長をすると、その分が手元に残ります。キングラムなら標準の件数・都市部で月139万円です(オーナーの給与を含む)。買取店は、査定と接客をする人がいないと開けません。人を雇うなら、査定を任せられる人の採用を先に考えてください。
そのまま判断材料にしない宣伝文句
- 「継続率」「撤退ゼロ」。 買取大吉は「店舗継続率96%超」(2019年)、「93%超」(2020年)、「赤字撤退ゼロ」(2023年)、「事業成功率90%以上」(2024年〜)と数字を変えています。さすがやの「赤字撤退無しの実績」も、定義が書かれていません。
- 回収の期間。 「最短1ヵ月」(おたからや)、「最短2か月」(銀座屋)、「最短3か月」(買取大吉)。どれも人件費やオーナーの給与を含まない収支例が多い本部の言葉です。
- 「ロイヤリティ0円」。 さすがやの0円プランは「特定の条件を満たす個人・法人に限ります」で、条件が公開されていません。買い取った品の売り先が決められていると、売値が本部の言い値になります。
- 「0次募集」「期間限定」。 バイセルのロイヤリティ6か月免除は先着30加盟で、1年以内に解約すると免除分を返します。BRAND OFFの加盟金100万円も「期間限定価格」です。
- 店舗数。 キングラムは2021〜2024年に「全国に80店舗」と同じ数を出し続けました。買取大吉の店舗ページは2023年10月に「全国に400店舗運営」と書きましたが、同じ日の一覧には803店が載っていました。
言いにくいこと
最大手のおたからやは、元加盟店に訴えられています。 2022年7月に元加盟店オーナー7件が提訴し、2023年10月には3次提訴が報じられました(テレビ東京WBS)。元オーナーは「3カ月ぐらいで元が取れる」と説明され、近くに出さないと聞いていたのに半径3キロ以内に4店が開き、半年で閉めたと話しています。本部は「すべてのオーナーに対し和解の提案」をしていると答えています。判決や和解の中身は、公的な資料では確かめられませんでした。
店が急に増える本部は、近くの店と客を取り合います。 おたからやと買取大吉は、3年で一覧の店が1,000店以上増えました。新しく開く店の近くに、同じ看板の店が後から出ることがあります。契約書の「近くに出店しない範囲」は、署名の前に読んでください。
出張買取は、規制が違います。 自宅に出向いて買い取ると、特定商取引法の「訪問購入」になり、依頼のない勧誘の禁止と8日間のクーリング・オフがかかります。2024〜2025年には、消費者庁や経済産業局が訪問購入の業者に業務停止を命じています(本調査の15本部ではありません)。本部が出張買取を勧めるなら、その運用まで研修で教わってください。
売りに出ている店のほうが、安く始められることがあります。 TRANBIの店頭の買取店15件のうち、希望額が1,000万円以下の案件が10件ありました当サイト集計(2026年10月7日)。FCの新規開業は、物件込みで550万〜1,560万円です。売り手の数字は監査されていませんが、一度は比べてください。
それでも買取店を開きたい人へ
「おすすめ」は1本部です。全業態で同じ規則を当てた結果です。契約相手が分かる、本部に毎月払う合計が分かる、勧める運営のしかたで利益が出て5年以内に初期費用が戻る、起点の店が一覧に残っている。この4つを満たしたのがキングラムです。
「条件次第」はBRAND OFF買取専門店、買取大吉、「おすすめしない」はお宝本舗えびすやです。残りの本部は、初期費用の総額か毎月の本部費が分からず「様子見」にしています。どの本部でも、説明会では次の3つを書面で求めてください。物件・内装を含む見積もり。毎月の本部への支払いの全部。ここ3年で閉めた加盟店の数です。
この判断の根拠
| 判断 | 根拠にしたデータ |
|---|---|
| 「撤退率30%」の検証 | おたからやの公式一覧(2023年5月の1,118店と2026年10月の2,054店)を店名と住所で突き合わせ |
| 店が残っているか | 12本部の公式一覧を約3年前と2026年10月7日で突き合わせ |
| 本部の費用 | 公式の募集ページと、ポータルの本部原稿(フランチャイズ比較ネット・フランチャイズの窓口) |
| 粗利率と1件の売上 | BRAND OFFの公表値、おたからや直営店の公表値、本部の収支モデル |
| 金相場 | 田中貴金属の年次金価格 |
| 宣伝文句の変わり方 | 6本部の募集ページをWeb Archiveでさかのぼって比較 |
| 売りに出ている店 | TRANBIの「リサイクル・中古品・買取専門店」の案件50件 |
| 訴訟・処分 | テレビ東京WBS・法律事務所の発表・消費者庁の公表・報道 |
| 市場 | リユース経済新聞の市場規模推計、東京商工リサーチ |
試算は、月の買取件数40件・62件・80件の3通りで計算しています。本部への支払いが非公開のエコリングは月20万円の定額で仮置きしています。
02条件で絞る
条件から候補を絞る
共通の4項目と、買取店に特有の2項目を選んでください。
予算は、初期費用に使える総額(自己資金と借入の合計)を、本部が公表している初期費用の総額の上限と比べて判定します。公表上限は本部の目安の上限で、実際の見積りの上限ではありません。運転資金・生活費は別に用意してください。上限や総額が公表されていない本部は「予算に合うか未確認」と表示し、予算内とは扱いません。「法人限定」は評価ではなく加盟の条件で、法人だけが加盟できる本部です。加盟する人を「法人」にすると候補に入ります。結果の「運営条件」は選んだ条件と本部の運営の形が合うか、「あなたの条件で計算」は、選んだ時間・月の買取件数をその本部の試算に当てはめた結果です。「標準条件の参考」は、稼働率62%・都市部の家賃などの標準の条件で黒字になるかで、あなたの場所や雇い方での採算ではありません。本部への支払いか主要な入力が未確認の本部は「未確認」とします。
03市場・収益分析
15社を同じ物差しで調べて分かったこと
照合の起点から現在までで、一覧に新しく載った店より消えた店が多い本部がある
公式の店舗一覧を、本部ごとに照合の起点と現在で店名・住所で突き合わせました(期間は本部ごとに違い、約2.8〜3.4年)。直近1年の区切りで店名を突き合わせて集計できた本部は、15本部中0本部です。そのため、この図は照合の起点から現在までの増減です(編集部の判断の「この1年」の表は、一部の本部について一覧を別に数えた値で、対象の本部数を表に書いています)。一覧に新しく載った店より、一覧から消えた店が多い本部が1社ありました。お宝本舗えびすやは一覧に新しく載った店0店・一覧から消えた店4店です。
上:照合の起点から現在までで一覧の店が増えた本部/下:減った本部。括弧内は起点→終点の店舗数と、一覧に新しく載った店・消えた店の数です(起点+載った−消えた=終点)。一覧の動きで、実際の開店・閉店とは限りません。消えた店には移転・改名を含む場合があります。
黒字に必要な月の買取件数は、本部によって大きく違う
同じ式で試算すると、黒字に必要な月の買取件数は少ない本部で27件、多い本部で34件です(都市部の家賃)。
少ないほど、月の買取が集まらなくても赤字になりにくい(毎月の本部への支払いの総額を確認できた本部。参考扱いの4社は除く)
初期費用を取り戻すまでの期間は、11か月から1年7か月まで開く
標準の月の買取件数・都市部の試算です。毎月の本部への支払いの総額と初期費用を確認できた4社のうち、0社は10年で初期費用を取り戻せません。本部への支払いが非公開・未確定などで参考扱いの4社は、この数に入れていません(本部ページに参考値)。
短いほど早く回収できる(開業から6か月で月の買取件数が増える前提)。確認できた4社をすべて表示。回収は、本部が公表した初期費用(判明分の合計・税抜)で計算しています
04全15社
全15社の判定
おすすめ1社共通の4条件を確認できた。条件が合えば、資料を取り寄せて比べる価値がある
条件次第2社強みはあるが、採算・本部費など判断を左右する点が未確認(主な理由を表示)
様子見11社実績が浅い・縮小の理由が分からないなど、判断材料が足りない(主な理由を表示)
VS2社の比較
よく比べられる組み合わせ
- キングラムと買取大吉を比較どちらも物件取得費を含む初期費用(550万〜700万円と1,000万円〜)と定額のロイヤリティを公開。店の残り方(キングラムは起点の77店のうち9店が消えた、買取大吉は803店のうち196店)と、一覧の伸び方が大きく違う(判定:キングラム=おすすめ/買取大吉=条件次第)
- BRAND OFF買取専門店とキングラムを比較どちらもブランド品・時計の買取に強く、売り先に自社オークションを持つ。初期費用は1,300万〜1,560万円と550万〜700万円で2倍以上違い、本部への支払いは月5万円+分担金と定額16.5万円(判定:BRAND OFF買取専門店=条件次第/キングラム=おすすめ)
- バイセルと売るナビを比較どちらもスーパーの中の小さな区画への出店が多く、加盟金(250万円と300万円)は公開しているが総額は非公開。公式のロイヤリティは月25万円と月15万円(開業から3か月は営業利益の50%)(判定:バイセル=様子見/売るナビ=様子見)
- 買取専科と買取大吉を比較どちらも初期費用の内訳(物件取得費・内装込み)とロイヤリティ月20万〜22万円の定額を公開。買取専科は2023年設立の新しい本部、買取大吉は一覧2,000店超の大手(判定:買取専科=様子見/買取大吉=条件次第)
05開業ガイド
開業ガイド
調べ方と広告の方針
- 数字は本部の公開情報・公的データ・公式店舗一覧の記録から集め、出典と確認日を付けています
- 収支は全本部を同じ式で試算しています。本部への支払いが非公開の本部は「参考」として区別します
- 現在、紹介料・広告の契約を結んでいる本部はありません。契約した場合は該当するリンクに【PR】と表示します。紹介料の有無で判定や掲載順は変えません。