買取店フランチャイズの開業ガイド
買取店FCの失敗原因と「撤退率30%」の検証|12本部の店の入れ替わりを数えた
更新内容:買取店の開業ガイドとして新規作成しました(公開前の下書き)

編集部の判断
買取店のFCで失敗する人の多くは、件数が足りない店を、高い固定費で開いています。本部の収支例は、件数の多い直営店や、人件費を引く前の数字が中心です。売りに出ている店の年商は2,500万〜5,000万円の帯が多く、本部の例よりずっと小さい店です当サイト集計(2026年10月7日)。
そしてこの3年は、金価格が約2倍になった追い風の中にあります。今の相場で黒字の店が、相場が戻っても黒字とは限りません。
状況別:編集部ならこうする
| あなたの状況 | 編集部ならこうする |
|---|---|
| 初めての独立 | 自分が店長をして、初期費用の小さい本部か、売りに出ている店の引き継ぎから。近くに同じ看板の店が増えないかを契約で確かめる |
| 本部の収支例を信じてよいか迷う | 人件費・オーナーの給与を含むか、直営か加盟店か、何店の平均かを書面で出してもらう |
| すでに出店の話が進んでいる | 半径何キロに同じ看板の店がいくつあるか、今後出さないかを契約書で確かめる |
この記事でいう失敗の定義
この記事の「失敗」は、初期費用を取り戻す前に店を閉めるか、売りに出すことです。公式一覧から消えた店は、閉店とは限りません。移転・改名・看板の切り替えを含みます。旧WAKABAでは、2023年の一覧の15店がバイセルの看板に替わっていて、消えた店に数えていません。
「撤退率30%」の検証
元の情報
「累計1,500店出店して500店撤退、撤退率30%」の元は、比較ブログの筆者の「私が耳にした情報では、2022年6月の時点で累計1500店舗出店させ500店舗の撤退」という記述でした(2024年10月更新)。別の買取会社のブログは「毎月40店舗ほど閉店」と書いています。どちらも出典がありません。
公式一覧で数えた結果
Web Archive に全店が読める形で残っていた2023年5月10日の一覧(1,118店)と、2026年10月7日の一覧(買取2,054店)を、店名と住所で突き合わせました当サイト集計(2026年10月7日)。
- 2026年10月の一覧にない店:279店(25.0%、年あたり約8%)
- そのうち、同じ市区町村に名前の近い店が新しく載ったもの:32店(移転・改名の可能性)
- 2023年5月以降に新しく載った店:1,215店
結論
数え方が違うので、30%と25.0%は直接比べられません。ただ、ある日の店の4分の1が3年半で一覧から消えたのは事実です。そして一覧の店は倍近くに増えています。本部が縮んでいるのではなく、店を大量に開きながら、一定の割合の店が消えていく形です。 加盟する側から見れば、自分の店がその4分の1に入らないかが問題です。
結論:失敗は5つの経路で起きる
- 件数が足りない:立地・看板の力が想定に届かない。
- 金相場が下がる:1件の売上が相場とともに下がる。
- 近くに同じ看板の店が増える:店が急に増える本部で起きやすい。
- 本部とのトラブル:説明と違う支援、収益予測、近くへの出店。
- 買取資金と規制:資金が尽きて高額品を断る、出張買取の規制違反。
経路1:件数が足りない
当サイトの試算では、店長を雇うと、黒字に必要な月の件数は22件〜37件です(都市部の家賃)当サイト試算。月40件の水準では、キングラムの利益は月32万円まで下がり、回収は44か月になります当サイト試算。
売りに出ている店頭の買取店15件のうち、営業利益の帯が「0〜500万円」の案件は7件でした当サイト集計(2026年10月7日)。年に500万円以下、月にならすと40万円前後以下の店です。本部の収支例(営業利益が月100万円を超える例が多い)とは、ずいぶん違う店が売りに出ています。
経路2:金相場が下がる
田中貴金属の国内の金価格(税抜・年平均)は、2023年の1グラム8,834円から2025年の17,302円に上がりました公的資料。買取店の売上の多くは貴金属です。売上の6割が金価格と同じ割合で動くと置くと、金価格が2割下がったとき、キングラムの月62件・都市部・店長を雇う利益は月107万円から78万円、3割なら64万円です当サイト試算。
相場が上がると、家にある金を売る人が増え、件数も増えます。下がるときは、件数と1件の売上の両方が落ちます。
経路3:近くに同じ看板の店が増える
おたからやは3年で一覧の店が1,215店増え、買取大吉は2023年10月の803店から2,175店になりました当サイト集計(2026年10月7日)。おたからやの元加盟店は、「近くに店舗は出さない」と説明されたのに、開店から3カ月で半径3キロ以内に4店が開き、半年で閉めたと話しています(テレビ東京WBS、2023年10月)。
契約書で「近くに出店しない範囲」が決まっているか、直営店も含むかを読んでください。決まっていなければ、本部が近くに出すのを止められません。
経路4:本部とのトラブル
おたからやでは、2022年7月に関東の元加盟店オーナー7件が、収益予測の情報が示されなかった、支援がなかったなどとして提訴したと報じられました。2023年10月には3次提訴があり、本部は「すべてのオーナーに対し和解の提案、申し出を行い、進めている」と答えています。判決や和解の内容は、公的な資料では確かめられませんでした。
ほかの14本部では、裁判・行政処分の報道は見つかりませんでした。報道がないことは、トラブルがないことの証明ではありません。
契約書で必ず読むところ
- 近くへの出店(テリトリー)と、直営店の扱い
- 本部の支援の義務(研修・SV・送客)が何で、守られないときどうなるか
- 中途解約の違約金(えびすやは「ペナルティがない場合は違約金などはなし」と公開)
- 買い取った品の売り先の決まり
経路5:買取資金と規制
買取店は、お客さんにその場で現金を払います。売った代金が入るまでの資金が尽きると、高額の持ち込みを断ることになります。当サイトの試算は、開業時に買取資金300万円を足しています。
出張買取は、特定商取引法の「訪問購入」です。依頼のない勧誘は禁止で、8日間のクーリング・オフがあります。2024〜2025年には、消費者庁や経済産業局が訪問購入の業者に業務停止を命じました(本調査の15本部ではありません)公的資料。古物営業法の本人確認と取引の記録も、加盟店の責任です。
12本部の店舗一覧を約3年比較
調査方法
公式の店舗一覧の Web Archive の保存(2023年5月〜12月)と、2026年10月7日の一覧を、店名と住所(住所がない本部は店名)で1店ずつ突き合わせました。大黒屋・買取専科・買取半蔵は過去の保存がなく比べていません。
本部ごとの結果
| 本部 | 起点の店数→今 | 消えた店(割合) |
|---|---|---|
| おたからや | 1,118→2,054 | 279(25.0%) |
| 買取大吉 | 803→2,175 | 196(24.4%) |
| バイセル(旧WAKABA) | 187→298 | 47(25.1%) |
| BRAND OFF(国内) | 36→60 | 11(30.6%) |
| 買取専門店 源 | 20→30 | 5(25.0%) |
| お宝本舗えびすや | 15→11 | 4(26.7%) |
| 銀座屋(1ページ目のみ) | 46→53 | 30(65.2%) |
| キングラム | 77→91 | 9(11.7%) |
| 金のクマ | 13→20 | 1(7.7%) |
| さすがや | 66→140 | 5(7.6%) |
| 売るナビ | 140→228 | 10(7.1%) |
| エコリング(21府県) | 222→349 | 6(2.7%) |
当サイト集計(2026年10月7日)
宣伝の「継続率」と比べる
買取大吉は「年間店舗継続率97.9%」と書きます。3年に直すと、約6%の店が消える数字です。公式一覧では24.4%が消えていました当サイト集計(2026年10月7日)。継続率の定義(店単位かオーナー単位か、直営を含むか)は公開されていません。買取大吉の募集ページは「店舗継続率96%超」(2019年)、「93%超」(2020年)、「赤字撤退ゼロ」(2023年)、「事業成功率90%以上」(2024年〜)と、出す数字を変えてきました。
撤退するといくら失うか
初期費用は、物件取得費の一部(敷金・保証金)を除いてほぼ戻りません。BRAND OFFの保証金100万円は預け金です。内装・看板・什器は、閉めると価値がほとんど残りません。買取資金は、在庫を売り切れば戻ります。
初期費用で回収を計算できた本部の、最大の持ち出し(初期費用+販促・買取資金+立ち上がりの赤字)は、都市部・店長を雇う試算で724万円〜1,941万円です当サイト試算。
言いにくいこと
店を大量に開く本部は、加盟店を集めること自体が本部の収入になります。 加盟金・研修費・開業準備金は、店が残っても消えても本部に入ります。一覧の店が急に増えている本部ほど、消えた店の数を聞いてください。
「未経験でも大丈夫」は、査定を本部に頼るということです。 オンラインの本部査定は心強い仕組みですが、店に立つ人が真贋を見抜けないと、偽物を買い取った損は店がかぶる場合があります。大黒屋の「偽物買取保証」のように、本部が損を負う範囲を書面で確かめてください。
加盟しない方がいい人
- 今の金価格のまま、件数も本部の平均どおりに来ると考えている人
- 近くに同じ看板の店がいくつあるかを調べないまま契約する人
- 買取資金と生活費を、初期費用とは別に用意できない人
本部に出してもらう数字
- ここ3年で閉めた加盟店の数と、直営店の数
- 開業1年目の加盟店の月の買取件数と粗利の分布
- 近くに出店しない範囲(直営店を含むか)
- 毎月の本部への支払いの全部と、売り先の決まり
根拠にしたデータ
| 内容 | データ |
|---|---|
| 店の入れ替わり | 12本部の公式一覧を Web Archive(2023年5〜12月)と2026年10月7日で突き合わせ |
| 宣伝文句 | 6本部の募集ページをWeb Archiveで40時点さかのぼって比較 |
| 売りに出ている店 | TRANBI「リサイクル・中古品・買取専門店」の50件 |
| 訴訟・処分 | テレビ東京WBS、法律事務所の発表、消費者庁の公表 |
| 金相場 | 田中貴金属の年次金価格 |
よくある質問
おたからやの撤退率は30%ですか?
出典のない伝聞です。公式一覧で数えると、2023年5月の1,118店のうち279店(25.0%)が2026年10月の一覧から消えていました当サイト集計(2026年10月7日)。数え方が違うので、30%とは直接比べられません。
一覧から消えた店は閉店ですか?
閉店とは限りません。移転・改名・看板の切り替えを含みます。おたからやでは、消えた279店のうち32店で、同じ市区町村に名前の近い店が新しく載っていました。
店がよく残っている本部はどこですか?
約3年で消えた割合が小さいのは、エコリング(2.7%)、売るナビ(7.1%)、さすがや(7.6%)、金のクマ(7.7%)、キングラム(11.7%)でした当サイト集計(2026年10月7日)。ただ、エコリング・売るナビ・さすがや・金のクマは初期費用の総額か毎月の本部費が分からず、判定は「様子見」です。
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