美容室フランチャイズの開業ガイド
美容室フランチャイズの失敗例|倒産235件・売却案件504件から見る4つの経路
更新内容:美容室の開業ガイドとして新規公開しました。

この記事は、公的な統計と、当サイトが集めた3つのデータから書いています。19本部の公式店舗一覧の3年比較、バトンズの売却案件504件、本部の収支モデルの点検です当サイト集計。
| 使ったデータ | 中身 |
|---|---|
| 倒産統計 | 帝国データバンク・東京商工リサーチの2025年の集計 |
| 店舗一覧の比較 | 19本部の公式一覧を、約3年前の保存と1店ずつ突き合わせた |
| 売却案件 | バトンズの美容室の案件504件 |
| 本部の収支モデル | 公開されたモデルの費用の入り方を点検した |
結論:失敗は4つの経路に分けられる
| 経路 | 起きること | 加盟前に見る数字 |
|---|---|---|
| 1. 人が採れない | 席が空いたまま家賃と本部費を払う | 既存店の採用できた人数、求人の条件 |
| 2. 家賃が高い | 小さな店で利益が残らない | 自分の物件の坪単価で計算した収支 |
| 3. 本部の数字を信じた | 借入の返済が利益を上回る | 既存店の平均・下位の月商 |
| 4. 本部が縮む | 支援が減る、ブランドの力が落ちる | 店舗一覧の3年の推移 |
経路1:スタイリストが採れない
人手不足を理由とした美容室の倒産は2025年に11件で、2013年以降で最多でした第三者取材。帝国データバンクは「技術が身につくと独立するケースが多く、人手不足から容易に抜け出せない美容室は少なくない」と書いています第三者取材。
| 雇い方 | 本部の例 | 失敗のしかた |
|---|---|---|
| 業務委託の歩合(売上の40〜55%が中心第三者取材) | Zina、LeaF | 歩合の高い店に移られる |
| 正社員の月給 | イレブンカット(30万〜45万円)、サンキューカット | 売上が落ちても給与は減らない |
| パートの時給(約1,100〜1,550円) | カラー専門店のほとんど | 人が足りない時間帯に予約を取れない |
サンキューカットの加盟オーナー2社は、どちらも一番の苦労に「美容師の採用・人員確保」を挙げています当事者投稿。
美容師が常時2人以上いる店は管理美容師が必要です(美容師法第12条の3)公的資料。この人が辞めると、店の運営そのものが止まります。
経路2:家賃の高い物件に小さな店を出す
同じ本部でも、家賃で利益は大きく変わります。稼働率62%の試算で、都市部(坪2.2万円)と地方(坪1万円)の差は次のとおりです当サイト試算。
稼働率が40%に下がると、19本部中9本部が都市部の家賃では赤字です当サイト試算。
経路3:本部のモデルをそのまま計画にする
本部の収支モデルには、費用の抜けや、好調店の数字が入っていることがあります当サイト集計。
| 本部 | モデル | 点検で分かったこと |
|---|---|---|
| ココデカラー | 月商250万円・利益34% | 全店の月商の中央値は132.1万円で、モデルは約1.9倍。ロイヤリティ10%が費用にない |
| セブンカラーズ | 月商200万円・利益30% | ロイヤリティ月5万円が費用にない |
| NÜTTE | 1年目の利益月5万円 | 直営店の実績が基準。1年目はほとんど利益が出ない |
| ハハカラー | 「500万円を約1年半で回収」 | 費用表の合計は618万円〜(税別) |
| モッズ・ヘア | 月商450万円・営業利益67.5万円 | モデルケースの3店はすべて一覧から消えた |
経路4:本部が縮む、ブランドを替える
19本部の公式店舗一覧を約3年前と比べると、起点の店の2割以上が消えた本部が3つありました当サイト集計。
| 本部 | 起点→現在 | 起点から消えた店 |
|---|---|---|
| セブンカラーズ | 23→20店 | 6店(26.1%)。うち3店は同じ場所で別ブランドに乗り換え |
| Dears | 154→126店 | 33店(21.4%) |
| モッズ・ヘア | 50→42店 | 10店(20%)。親会社の決算短信でも国内加盟店39→33店 |
一覧から消えた店は、閉店とは限りません。移転・改名・ブランドの乗り換えを含みます。
失敗した後の出口:売却案件504件
バトンズの美容室の売却案件は504件で、掲載は2022年73件、2023年91件、2024年116件、2025年97件でした当サイト集計。
| 指標 | 数字当サイト集計 |
|---|---|
| 単店(売上5,000万円未満)の希望価格の中央値 | 400万円(358件) |
| 成約済みの単店の希望価格の中央値 | 350万円(76件) |
| 売上1,000万〜3,000万円の単店 | 中央値500万円(170件) |
| FC加盟店の案件 | 17件。希望価格の中央値400万円(15件) |
| 売却の理由 | 「選択と集中」を含むものが約6割(300件) |
初期費用600万〜3,000万円に対し、単店の売却希望の中央値は400万円です当サイト集計。調査した19本部の名前がはっきり書かれた案件は0件でした。
契約前に確かめること
- 既存店の平均と下位25%の月商・人件費(本部の店ではなく加盟店の数字)
- 直近3年に閉店・離脱した店の数と理由
- 管理美容師とスタイリストの採用を、本部がどこまで担うか
- 自分の物件の家賃で計算し直した収支
- 中途解約の違約金と、ブランドを外れる場合の条件(モッズ・ヘアは中途解約200万円本部公表)
よくある質問
美容室のフランチャイズで失敗する一番の理由は何ですか
公開データで最も多いのは販売不振です(東京商工リサーチの2025年の美容業の倒産120件のうち100件)。その背景に、人手不足とコスト高があります。
失敗しにくい本部の見分け方はありますか
公式店舗一覧の過去の保存と今の一覧を比べ、消えた店の数を確かめる方法があります。当サイトの各本部のページに、その結果を載せています。
この記事の数字の出し方
倒産件数は帝国データバンク(負債1,000万円以上・法的整理)と東京商工リサーチの公表値です。店舗一覧の比較、売却案件の件数と中央値は当サイトの集計、利益は当サイトの標準化モデルの試算です。方法は市場・収益分析と調査方法にあります。
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