訪問看護の開業ガイド
訪問看護ステーションの損益分岐点|月の訪問回数で見る黒字の線と、本部費で動く差
更新内容:2026-10-31 訪問看護の損益分岐点の記事として新規作成

対象:訪問看護フランチャイズ比較の8本部のうち、毎月の本部費を公表していて同じ式で試算できた4本部です。開業資金は「訪問看護FCの開業資金」、失敗の経路は「訪問看護FCの失敗原因」にあります。
編集部の判断
訪問看護の採算は、本部費の率より先に、看護師を何人そろえて月に何回訪問できるかで決まります。
- 1回の収入は介護報酬と療養費で決まっていて、値上げはできません。売上を増やす方法は訪問回数しかなく、訪問回数の上限は看護師の人数です編集部判断。
- だから損益分岐点は「月商いくら」ではなく「月に何回」で持ってください。管理者を雇う標準の試算では、黒字の線は4本部とも月330〜400回の間にあります編集部の試算。本部費の差で動くのは、この線の位置が月60〜70回ぶんです。看護師1名が月に訪問する回数(77.9回)とほぼ同じで、本部費の差は看護師1名分の差と同じ重さだと言えます編集部判断。
状況別:編集部ならこうする
| あなたの状況 | 編集部ならこうする |
|---|---|
| 看護師ではない | 管理者を雇う行の損益分岐点を使う。開業時に採れる看護職員の常勤換算が2.5名を超えなければ、黒字の線に届く月の見込みが立たない |
| オーナー本人が看護師で、管理者を務める | 本人が管理者の行を使う。管理者の給与を払わないぶん線は下がるが、生活費(月25万円と置く)を引いた「手残りが出る線」は月252回前後(FOOTAGE)まで上がる |
| 本部の収支例で判断しようとしている | 収支例の訪問回数を聞き、国の平均(月421.5回)と、看護職員の人数×77.9回で出る上限と比べる |
本部ごとの損益分岐点
管理者(常勤の看護師)を雇う場合と、オーナー本人が看護師で管理者を務める場合に分けました。
都市部と地方の差は家賃だけです編集部の試算。
| 本部 | 管理者を雇う(都市部) | 管理者を雇う(地方) | 本人が管理者(都市部) | 本人が管理者(地方) | 本部費の売上比(標準の回数) |
|---|---|---|---|---|---|
| FOOTAGE | 月329回 | 月319回 | 月185回 | 月175回 | 3.2% |
| ケアーズ | 月335回 | 月325回 | 月191回 | 月181回 | 3.8% |
| おれんじ | 月359回 | 月348回 | 月214回 | 月204回 | 6.3% |
| haru style | 月396回 | 月382回 | 月205回 | 月192回 | 11% |
当サイトの標準化モデル(税込・借入返済と税の前)。本部費は公表の率と定額を、開業1年目の段階で入れています編集部の試算。
本人が管理者を務める行の線が低いのは、管理者の給与(月54.1万円)を払わないからです。ただしこの線は、本人の生活費を引く前の値です。生活費月25万円まで賄うには、FOOTAGEで月252回(都市部)が要ります編集部の試算。
訪問回数が変わると、月の利益はこう動く
月の延べ訪問回数を、人員基準の最低の人数で回る200回、国の調査の平均に近い420回、看護師を増やした600回の3水準で置きました。
管理者を雇い、都市部の家賃で開く試算です編集部の試算。
| 月の延べ訪問回数 | FOOTAGE | ケアーズ | おれんじ | haru style |
|---|---|---|---|---|
| 200回(看護職員2.5名の下限) | −48.4万円 | −50.6万円 | −59.4万円 | −55.5万円 |
| 420回(1事業所の平均に近い) | 34.2万円 | 32万円 | 23.2万円 | 7.1万円 |
| 600回 | 97.9万円 | 99.6万円 | 90.8万円 | 58.3万円 |
月の利益(管理者を雇う・都市部・借入返済と税の前)編集部の試算。
200回の行がすべて赤字なのは、訪問が少ない月も人員基準の看護職員2.5名分の給与(月127.4万円)を払うからです編集部の試算。看護職員1名の月の訪問は77.9回なので、200回は2.5名でほぼ上限まで回った数です行政資料。つまり最低の人数のまま黒字にする方法はなく、人を増やして回数を増やすしかありません。
損益分岐点の計算の仕組み
訪問看護の損益分岐点は、「毎月決まってかかる費用」を「1回の訪問で残る額」で割って出します。
| 項目 | 当サイトの標準の値 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1回の訪問の収入 | 8,251円 | 令和7年度介護事業経営概況調査の訪問看護の1回当たり収入(全国平均)行政資料 |
| 1回あたりの人件費 | 4,497円 | 同じ調査の給与費から逆算編集部の試算 |
| 管理者(常勤の看護師)の給与 | 月54.1万円 | 同じ調査の給与の水準編集部の試算 |
| 人員基準の看護職員2.5名分の給与 | 月127.4万円 | 訪問が少ない月もこの額を下回らない編集部の試算 |
| その他の固定費 | 月46.2万円 | 事務所の経費・車両・保険・通信など編集部の試算 |
1回の訪問で残る額は、収入8,251円から1回あたりの人件費4,497円と、率の本部費を引いた額です。これで管理者の給与・家賃・その他の固定費・定額の本部費を割ると、黒字になる回数が出ます。看護職員が2.5名分の下限に届かない月は、回数に比例しない給与がさらにかかります編集部の試算。
線に届く前に資金が尽きる形
損益分岐点を越えても、すぐに現金は増えません。
訪問看護の入金は、サービスの月から2か月後です行政資料。開業から黒字になるまでの赤字と、2か月分の売上の立て替えを合わせた「事業に必要な現金」は、FOOTAGEの標準の試算で1,139万円(都市部)です編集部の試算。回収は都市部で46か月、地方で41か月です編集部の試算。
本部に払う定額の費用は、訪問回数がゼロの月もかかります。FOOTAGEの開業直後のプランは『売上の10%か月22万円の高いほう』で、月220万円を下回る売上の月は定額の22万円が重くなります企業公表。黒字の線の手前にいる開業1年目ほど、本部費の定額の部分が効きます。
本部に出してもらう数字
- 既存の加盟ステーションの、開業1年目の月ごとの延べ訪問回数と看護職員の常勤換算
- 本部の収支例の訪問回数と、その回数を何人の看護職員で回す前提か
- 1回あたりの収入の実績(医療保険と介護保険の割合、精神科・長時間の割合)
- 本部費のプランが切り替わる条件と時期(定額の部分がいつ軽くなるか)
- 開業から損益分岐点を越えるまでにかかった月数の分布(平均ではなく、遅かったステーションの月数)
根拠にしたデータ
| 内容 | データ |
|---|---|
| 1回の収入・1事業所の訪問回数・看護職員1名の訪問回数 | 令和7年度介護事業経営概況調査(訪問看護・令和6年度決算)行政資料 |
| 人員基準 | 指定居宅サービス等の人員・設備・運営の基準(平成11年厚生省令第37号)行政資料 |
| 本部費・初期費用 | 4本部の募集ページと本部原稿企業公表 |
| 試算 | 当サイトの標準化モデル。前提は市場・収益分析と評価の方法に |
よくある質問
訪問看護ステーションの損益分岐点は月に何回の訪問ですか?
- 管理者(常勤の看護師)を雇い、都市部の家賃で開く当サイトの標準の試算では、FOOTAGEで月329回、ケアーズで月335回、おれんじで月359回、haru styleで月396回です。
- 国の調査の1事業所の平均は月421.5回です。
看護師は何人いれば黒字になりますか?
看護職員1名の月の訪問は国の調査で77.9回です。黒字の線が月330〜400回なら、常勤換算で4〜5名分の訪問が要る計算です。人員基準の最低の2.5名では月200回前後が上限で、4本部とも赤字です。
オーナー本人が看護師なら、損益分岐点は下がりますか?
下がります。管理者の給与を払わないため、FOOTAGEの黒字の線は都市部で月185回です。ただし本人の生活費を引く前の値で、生活費月25万円まで賄うには月252回が要ります。
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判定が上位訪問看護ステーションFootage様子見
掲載総数は7→15事業所に増加。一覧から消えた2事業所・回収 3年10か月(46か月)・判定の理由:実績不足
判定が上位訪問看護ステーションはな様子見
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