コインランドリー フランチャイズ
コインランドリーフランチャイズの調査記録(全文)
コインランドリーフランチャイズの比較で使った前提・市場の分析・項目ごとの説明を、省かずに載せます。結論と比較表はコインランドリーフランチャイズ比較にあります。
業態横断ガイド:閉店率・撤退率|儲かる業種|説明会で聞くべき質問|少ない資金で始める
前提の説明と試算の記録
「利回り10%」「6〜10年で回収」は本当か
宣伝の数字は、本部が見込む売上で作った例です。
Balukoの公式のモデルケースは、出店3年目に年間売上1,200万円・利益400万円で「利回り約10%〜14%」と書きます企業公表。初期費用2,650万円で割ると約80か月ですが、これは運営パックの月額を含むと書かれた年間コストの内訳が非公開の数字です。
- マンマチャオの公式コラムの小型店の例(月商60〜80万円・キャッシュフロー約23〜39万円)は「2,500万円の初期投資費用を6~10年で回収」と書きます企業公表。
- どの例も、機器の更新の費用と、物件を借りる費用、税金を含みません。編集部の結論はこうです。宣伝の利回りは、立ち上がりの赤字も機器の更新も入らない、いちばん良い条件の割り算です。 出したい場所の近くの既存店の、直近2年の月商の実績を書面で出してもらってください。
この業態の数字で分かる前提
1. 標準の月商では、ほとんどの本部が10年で戻らない
- 当サイトは、費用の分かる6本部を同じ式で試算しました。月商(税込)は本部が見込む平均(60〜80万円)の中ほどより少し下の70万円、水道光熱と洗剤は売上の22%、地方の家賃は月12万円です編集部判断。
| 本部 | 地方・月商70万円の回収 | 地方・月商100万円の回収 | 本部への支払いの根拠 |
|---|---|---|---|
| マンマチャオ | 109か月(地方・人を雇う・参考) | 63か月(地方・人を雇う・多い水準・参考) | 収支例のサポート費4万円 |
| WASHハウス | 10年で戻らない(地方・人を雇う・参考) | 61か月(地方・人を雇う・多い水準・参考) | 有価証券報告書の定額の上限 |
| fluffy | 10年で戻らない(地方・人を雇う・参考) | 78か月(地方・人を雇う・多い水準・参考) | 委託費12万円(ポータルの本部原稿) |
| ブルースカイランドリー | 10年で戻らない(地方・人を雇う・参考) | 10年で戻らない(地方・人を雇う・多い水準・参考) | 公式の式(月商×20%−10万円) |
| Baluko | 10年で戻らない(地方・人を雇う・参考) | 81か月(地方・人を雇う・多い水準・参考) | 運営パックを同業の公表の最大で仮置き |
(当サイトの試算。月商が12か月編集部判断で直線に立ち上がる前提。物件取得費・機器の更新・税は含まない。前提が変われば動く)
月商100万円なら、試算した本部のうちブルースカイランドリー以外は61か月〜83か月で戻ります編集部の試算。差を生むのは本部より立地です。だから、出したい場所の近くの既存店の実績を本部に出させることが、何より先です。
2. 機器の更新と、売るときの値段
- マンマチャオのQ&Aは、機器の償却期間を13年と書きます企業公表。更新に備えて機器代を13年で積み立てると、マンマチャオの小型店の機器で月10.9万円、ブルースカイランドリーの機械装置で月17万円です編集部の試算。マンマチャオの地方・月商70万円の月の利益から積み立てを引くと、残りは14.6万円です編集部の試算。
- 撤退して売る値段も見ました。TRANBIの売却案件で希望額の分かる173件の中央値は600万円、バトンズの242件は700万円です編集部の集計(2026年10月11日)。2,000万〜5,000万円で建てた店が、売るときは数百万円です。TRANBIの176件のうち97件(55%)は、年商500万円以下の帯でした編集部の集計(2026年10月11日)。
3. 水道光熱と天気で、利益が大きく動く
| 本部 | 説明 |
|---|---|
| WASHハウス | WASHハウスは、2025年は日照が少ない日が平年より少なく、既存店の店舗売上が前年の93%に落ちたと有価証券報告書に書いています企業公表。 |
| マンマチャオ | この割合が22%から25%編集部判断に上がるだけで、マンマチャオの地方・月商70万円の月の利益は25.5万円から23.6万円に下がり、回収は117か月になります編集部の試算。 |
費用の2割強が水道光熱と洗剤です。雨の日に売れる商売で、晴れの続く年は売上が下がります。
決め手は3つだけ
1. 店が残っているか
公式の店舗一覧を約3年前の保存と突き合わせると、マンマチャオは起点581店のうち64店(11.0%)が消え、一覧は534店に減りました編集部の集計(2026年10月11日)。WASHハウスは起点595店の8.4%が消え、IRの月次でも2021年7月の635店から2026年9月の561店に減っています企業公表。
- 反対に、Balukoは222店から294店、ピエロは609店から740店に増え、消えた店はそれぞれ5.0%・1.0%でした編集部の集計(2026年10月11日)。宣伝の店舗数より先に、ここ2年で閉めた加盟店の数を聞いてください。
2. 本部の数字のままで期限内に戻るか
- 本部が出す収支例の月の利益で初期費用を割ると、Balukoは約80か月、マンマチャオは約81か月、fluffyは約112か月、ブルースカイランドリーは約157か月です(本部の数字の割り算)。これは立ち上がりも更新も入らない、本部に有利な側の数字です。ここで期限を超える本部は、ほかの条件が良くても勧めません。
3. 本部が運営をやめたら、店はどうなるか
- 無人の店の清掃・集金・コールセンター・遠隔操作を本部が担う型では、本部の財務が店の運営を左右します。フトン巻きのジローは2025年12月期に債務超過(純資産△228百万円)で、上場も廃止しました企業公表。WASHハウスは子会社でオーナーに事業資金を貸しており、一部に貸出条件の緩和が出ています企業公表。本部が運営をやめたときの引き継ぎ(遠隔管理・コールセンター・売上金の口座)を、契約書で確かめてください。
市場・収益分析の要点と、店の推移の記録
03市場・収益分析
10社を同じ物差しで調べて分かったこと
照合の起点から現在までで、一覧に新しく載った店より消えた店が多い本部がある
公式の店舗一覧を、本部ごとに照合の起点と現在で店名・住所で突き合わせました(期間は本部ごとに違い、約2.4〜3年)。直近1年の区切りで店名を突き合わせて集計できた本部は、10本部中0本部です。そのため、この図は照合の起点から現在までの増減です(編集部の判断の「この1年」の表は、一部の本部について一覧を別に数えた値で、対象の本部数を表に書いています)。一覧に新しく載った店より、一覧から消えた店が多い本部が2社ありました。
マンマチャオは一覧に新しく載った店17店・一覧から消えた店64店です。
上:照合の起点から現在までで一覧の店が増えた本部/下:減った本部。括弧内は起点→終点の店舗数と、一覧に新しく載った店・消えた店の数です(起点+載った−消えた=終点)。一覧の動きで、実際の開店・閉店とは限りません。消えた店には移転・改名を含む場合があります。
黒字に必要な月商は、本部どうしで比べられない
毎月の本部への支払いの総額を確認できた本部がなく(参考扱いの6社は除く)、黒字の境目を本部どうしで並べていません。本部ごとの参考の値は各本部ページにあります。
参考扱いの本部の値は、本部への支払いの未確認分を足すと上がる向きです
初期費用を取り戻すまでの期間(確認できる本部なし)
標準の月商・都市部の試算です。判定に使う回収の期限は10年で、図の縦線が期限です。毎月の本部への支払いの総額と初期費用を確認できた0社のうち、0社は期限内に初期費用を取り戻せません。本部への支払いが非公開・未確定などで参考扱いの6社は、この数に入れていません(本部ページに参考値)。
短いほど早く回収できる(開業から12か月で月商が上がる前提)。確認できた0社をすべて表示。回収は、本部が公表した初期費用(判明分の合計・税抜)で計算しています。物件取得費・内装など開業支出の一部を含まない本部は、実際の回収はさらに延びます(立ち上がりの赤字は月別の試算に入れてあり、予備は回収の対象に入れません)
項目ごとの説明・宣伝文句の読み方・言いにくいこと
お金のほかに見る5つのこと
コインランドリーは、人の代わりに機械が働く商売です。
人の事故は少ない一方、無人の時間に火が出れば店ごと失い、預かり洗いの届出を間違えれば法令違反になります。だから、お金の試算とは別に、次の5つを本部ごとに見ました(全項目の決まりは評価ロジックに書いています)。
1. 本部の稼ぎ方:出店そのものが本部の売上になるから
- 多くの本部は、機器やパッケージを売った時点で利益が出ます。マンマチャオは米国デクスター社の日本総代理店で、ランドリープレスは自社仕様の機器を売ります。WASHハウスのFC部門は、FCパッケージ1店19百万円の見込み単価で売上を立てます企業公表。台数と立地の根拠は、必ず書面でもらってください。
2. 乾燥機の火災と保険:無人の時間に起きるから
- 乾燥機の火災は、油の付いた洗濯物の自然発火や、たまったほこりへの着火で起きます(NITE)行政資料。保険の範囲を公表しているのはブルースカイランドリーの「安心保証パック」(機器損壊・災害・施設賠償・盗難)だけでした。全本部で、保険の上限とダクト・フィルターの清掃の頻度を確かめてください。
3. 預かり洗いとクリーニング業法:届出を間違えると違法になるから
- コインランドリーには保健所への開設の届出が要ります。店員が客の洗濯物を預かって洗うと、クリーニング所の届出とクリーニング師が要るクリーニング業になります行政資料。WASHハウスのQ&Aも、無届けの預かり洗いを「クリーニング業法上違法です」と書きます企業公表。有人のサービスがある本部では、どの届出で行うかを確かめてください。
4. 節税(即時償却)の売り方:使えない人がいるから
- 中小企業経営強化税制は、2023年4月から、コインランドリーが本業でなく管理のおおむね全部を人に任せる場合は対象外です(中小企業庁のQ&A)行政資料。Balukoとfluffyは募集ページで即時償却を案内しています企業公表。税の効果を除いた回収で見て、使えるかは税理士に確かめてください。
5. 機器の更新:回収の外にある2回目の投資だから
- 上の「前提」の2のとおりです。13年で戻らない投資は、更新のときにもう一度借りることになります。
- 編集部の結論: 10本部の本部名・運営会社名・ブランド名で、2021年4月から2026年10月11日までの行政処分・裁判・火災の報道を検索した範囲では、見つかりませんでした(見つからないことは、無いことの証明ではありません)。この業態の追加の規則で判定を決めたのは、フトン巻きのジロー(本部が債務超過)とブルースカイランドリー(本部の数字のままで期限超え)です。
- 「おすすめ」の条件に、運営代行の月額と範囲、保険と清掃の頻度、機器の更新の目安を本部の資料で示すことを足しました(今は「おすすめ」の本部はありません)。
そのまま判断材料にしない宣伝文句
- 「全国で約580店舗」。 マンマチャオのQ&Aの店舗数は2023年から変わっていません。同じ本部の店舗検索は「全国538店」、一覧は534店です(2026年10月11日)。
- 「事業不振による閉店はゼロ」。 WASHハウスのIRレポートの言葉です。IRの月次では、2023年19店・2024年23店・2025年19店が退店しています。本部は退店を「オーナー様事情」と分類しますが、その根拠は公表されていません。
- 「既存店平均月商144万円 業界平均の2倍超」。 フトン巻きのジローの公式FCページは、同じページに「月商150万円前後で借入返済込みの黒字ライン」と書きます。2022〜2023年の同じページは「平均月商160万」でした。
- 「実質利回り7%以上」。 ブルースカイランドリーの数字は、物件・機器の更新・税の前の割り算で、言い換えると14年前後かかります。
言いにくいこと
コインランドリーは、加盟した瞬間に本部の売上が立つ商売です。 機器とパッケージの販売で本部が稼ぐ型では、店が儲からなくても本部は困りません。売り手が「FC脱退で利益率大幅UP可能」「FCからの独立で年間300万円の利益増」と題名に書く売却案件もありました編集部の集計(2026年10月11日)。毎月の本部への支払いの重さを、売り手自身が認めています。
新しく建てるより、売りに出ている店のほうがずっと安いです。 既存店の売却希望額の中央値は600万〜700万円で、新しい店の初期費用の2〜3割です編集部の集計(2026年10月11日)。ただ、売りに出ている店は、うまくいかなかった店かもしれません。売り手の申告の月商は、決算書と通帳の入金で確かめてください。
「土地を遊ばせない」は、地代がゼロになるという意味ではありません。 自分の土地に建てる場合も、その土地を貸せば入るはずの地代はあります。試算では、地方の家賃を月12万円で置いています。
承継・独立開業の説明
それでもコインランドリーを始めたい人へ
「おすすめ」は0本部です。
全業態で同じ規則を当てた結果です。ブルースカイランドリーは本部の数字のままでも期限を超え、フトン巻きのジローは本部が債務超過、マンマチャオは店舗数の古い表示のまま一覧が減っており、「おすすめしない」にしました。残りの本部は、本部費か初期費用の資料が出ておらず「様子見」です。
- 「様子見」はBaluko Laundry Place、ふんわりキレイランドリーfluffy、ジャンボランドリーふわふわ、ランドリープレス、コインランドリーピエロ、WASHハウス、wash+、「おすすめしない」はブルースカイランドリー、フトン巻きのジロー、マンマチャオです。どの本部でも、説明会では次の3つを書面で求めてください。出したい場所の近くの既存店の、直近2年の月商の実績。運営代行の月額と範囲、本部がやめたときの引き継ぎ。
- 機器の価格・台数の根拠と、更新の目安の費用です。