条件から候補を絞る

カフェ・喫茶 フランチャイズ

カフェ・喫茶フランチャイズの調査記録(全文)

カフェ・喫茶フランチャイズの比較で使った前提・市場の分析・項目ごとの説明を、省かずに載せます。結論と比較表はカフェ・喫茶フランチャイズ比較にあります。

業態横断ガイド:閉店率・撤退率|儲かる業種|説明会で聞くべき質問|少ない資金で始める

市場・収益分析の要点と、店の推移の記録

03市場・収益分析

11社を同じ物差しで調べて分かったこと

1

照合の起点から現在までで、一覧に新しく載った店より消えた店が多い本部がある

公式の店舗一覧を、本部ごとに照合の起点と現在で店名・住所で突き合わせました(期間は本部ごとに違い、約2.9〜3.1年)。直近1年の区切りで店名を突き合わせて集計できた本部は、11本部中0本部です。そのため、この図は照合の起点から現在までの増減です(編集部の判断の「この1年」の表は、一部の本部について一覧を別に数えた値で、対象の本部数を表に書いています)。一覧に新しく載った店より、一覧から消えた店が多い本部が3社ありました。

カフェ・ド・クリエは一覧に新しく載った店3店・一覧から消えた店17店です。ドトールコーヒーショップ・珈琲所コメダ珈琲店・タリーズコーヒー・PRONTO・上島珈琲店は店舗単位の照合が未実施(総数はIR等で確認)のため含みません。

カフェ・ベローチェ+18店(157→175店・載23・消5)
髙木珈琲+10店(6→16店・載10・消0)
さかい珈琲+8店(36→44店・載10・消2)
カフェ・ド・クリエ−14店(185→171店・載3・消17)
星乃珈琲店−9店(276→267店・載17・消26)
珈琲館−6店(203→197店・載12・消18)

上:照合の起点から現在までで一覧の店が増えた本部/下:減った本部。括弧内は起点→終点の店舗数と、一覧に新しく載った店・消えた店の数です(起点+載った−消えた=終点)。一覧の動きで、実際の開店・閉店とは限りません。消えた店には移転・改名を含む場合があります。

2

黒字に必要な月商は、本部どうしで比べられない

毎月の本部への支払いの総額を確認できた本部がなく(参考扱いの11社は除く)、黒字の境目を本部どうしで並べていません。本部ごとの参考の値は各本部ページにあります。

参考扱いの本部の値は、本部への支払いの未確認分を足すと上がる向きです

3

初期費用を取り戻すまでの期間(確認できる本部なし)

標準の月商・都市部の試算です。判定に使う回収の期限は5年で、図の縦線が期限です。毎月の本部への支払いの総額と初期費用を確認できた0社のうち、0社は期限内に初期費用を取り戻せません。本部への支払いが非公開・未確定などで参考扱いの11社は、この数に入れていません(本部ページに参考値)。

短いほど早く回収できる(開業から6か月で月商が上がる前提)。確認できた0社をすべて表示。回収は、本部が公表した初期費用(判明分の合計・税抜)で計算しています。物件取得費・内装など開業支出の一部を含まない本部は、実際の回収はさらに延びます(立ち上がりの赤字は月別の試算に入れてあり、予備は回収の対象に入れません)

市場・収益分析レポート11社の店舗数の増減・損益分岐・回収期間・本部の体制をすべて見る(約10分)

そのほかの記録

本部費は「ロイヤリティ」ではなく「卸」で見る

ロイヤリティは売上の2〜5%、コメダ・星乃は席あたり月1,500円の定額と軽く見えます企業公表。

ところが本部の売上を開示書面で分けると、タリーズとプロントは加盟店の売上の約36%を、ロイヤリティとは別に本部から買っている計算です。コメダは本部の営業利益が加盟店1店あたり月約54万円で、90席の席ロイヤルティ13.5万円の約4倍です企業公表編集部の集計(2026年10月13日)。

コーヒー豆・パン・食材の卸価格を公表する本部は1社もありません。 そのため11本部すべての本部費を「一部のみ確認」とし、どの本部が安いとは結論しません。原価率は共通の35%(悪い側40%)で置いています編集部判断。

売上と投資の釣り合い

本部標準の月商(税抜)公表の初期費用店長を雇う地方の月の営業利益5年で戻る月商(地方・店長を雇う)
タリーズ503万円(加盟店平均)7,620万円(物件取得費・設備工事は別)−6万円814万円
プロント693万円(加盟店平均)5,000万円〜(物件取得費は別)15万円869万円
さかい珈琲818万円(本部の収支例)6,000万円(内訳なし)142万円794万円
ベローチェ503万円(他本部の値)7,900万円(物件取得費は別)8万円777万円

(当サイトの試算・参考。原価率・型の必要人時・家賃は編集部の仮定。5年で戻る月商は家賃10か月分を物件取得費として足した回収)

郊外大型の喫茶は1店の月商が大きく、都市型より採算は立ちやすい形です。それでも、確かめられる売上の数字は本部の収支例だけで、加盟店の平均を出す郊外型の本部はコメダ(直営を含む全店の平均)しかありません企業公表。

店の減り方と、表示の食い違い

加盟店が減っている本部は多いのですが、起点の2割を超えて消えた本部はありません。ドトールは加盟店が830店から807店に減り、3年で76件の契約が中途で終わりました(起点の9.2%)。プロントの加盟店は192店から175店に、星乃・珈琲館・クリエの公式一覧はそれぞれ9%前後の店が消えて純減です企業公表編集部の集計(2026年10月13日)。

本部説明
さかい珈琲さかい珈琲の「加盟店舗数」も9店から40店に跳ねましたが、公式一覧が伸びているため、決定的とはしていません。
髙木珈琲髙木珈琲はポータルの収益モデル欄の営業利益150万円が、同じ欄の数字から計算すると123万円です企業公表編集部の集計(2026年10月13日)。

食い違いが決定的なのは2本部です。プロントは募集ページで「約70%の店舗は、フランチャイズオーナー様」と書き続けていますが、本部自身の開示書面では60.8%で、加盟店は減っています。

出口は本部を通る

売りに出ているカフェ301件の希望価格の中央値は500万円で、11本部の加盟店の売り案件は1件もありませんでした編集部の集計(2026年10月13日)。コメダは契約が終わるとき本部が「公正な価格で優先的に買受ける」権利を持ち、プロント・上島珈琲店は厨房機器を法定残存価格で買い取ります企業公表。やめるときの値段は本部が決めると考えて、契約前に買い取りの計算のしかたを書面で聞いてください。

まだ分からないこと(全本部)

  • 候補店の類似店の直近3年の月商・客数・客単価・席数(加盟店の平均と下位の店)。
  • 指定仕入れ(コーヒー豆・パン・食材)の卸価格・本部の利幅・改定の決まり。
  • 総開業費用に入らない設備工事・物件取得費・開業前の人件費。
  • 営業時間を短くする手順と、そのときの本部費の変化。
  • 近隣出店、中途解約の条件、本部の買い取りの価格の決め方、更新時の改装の要求。