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ハウスクリーニング フランチャイズ

ハウスクリーニングフランチャイズの調査記録(全文)

ハウスクリーニングフランチャイズの比較で使った前提・市場の分析・項目ごとの説明を、省かずに載せます。結論と比較表はハウスクリーニングフランチャイズ比較にあります。

前提の説明と試算の記録

「未経験でも月収100万円」は本当か

本部説明
おそうじ本舗おそうじ本舗の「平均月商100万円以上」は、開業半年以上1,548店の売上の平均で、従業員のいる店も含みます。
おそうじ革命おそうじ革命の本部原稿の「月100万円を目指せる」も、他店の月の売上です。

宣伝に出る「月100万円」は、ほとんどが月の売上です。

当サイトの式で、月商100万円(税込)は1件2万円で月50件、1日2件強です編集部の試算。おそうじ本舗なら、本部への定額と紹介の手数料、車両を引いて、手元に残るのは月47万円です編集部の試算。ここからさらに税金と社会保険と生活費を払います。

編集部の結論はこうです。「月100万円」は売上の数字で、手取りの数字ではありません。 おそうじ本舗が公開する個人の収支例(売上111万円)も、年末の大掃除で依頼が最も多い12月の数字です。説明会では、12月以外の月と、開業1年目の店の数字を出してもらってください。


この業態の数字で分かる前提

1. ひとりで回せるのは1日3件まで

  • おそうじ本舗の「1日のスケジュール」は、9時半から17時までに3件です企業公表。
  • 移動を入れると、ひとりの上限は月70件前後です。
  • 当サイトはひとりで回す型の標準を月45件にしました。
  • 1日2件弱です。
  • 加盟条件が2名専従の型(おそうじ隊501・ダスキン サービスマスター)は、本人+社員1名で月90件を標準にし、損益分岐・回収もその件数と人数で出しています。
  • 月30万円を手元に残すのに、公表されている定額部分の大きいおそうじ本舗(紹介料の率が非公開で、総支払額の比較は未確定)で月39件、おそうじ革命で月34件が要ります(試算)。

2. いちばん大きな費用は、本部への支払い

  • 店も仕入れもないので、本部への定額がそのまま重くなります。
  • おそうじ本舗は毎月約17万円(ロイヤリティ10万円・広告分担金4万円・システム類、税抜)、おそうじ革命は約9.9万円です。
  • 月45件の試算で、本部への支払いは売上の34%と12.1%です(試算)。
  • おそうじ本舗の定額は、2025年2月までの募集ページでは月6万円+2万円でした。

3. 客の多くは「紹介」から来て、手数料がかかる

  • 本部の紹介案件には、ロイヤリティとは別に手数料がかかります。
  • おそうじ本舗の個人の収支例では売上の約12%、日本おそうじ代行の2020年の収益実績では25%でした。
  • くらしのマーケットも予約金額の20%です。
  • 紹介に頼るほど、手元に残る割合は下がります。

決め手は3つだけ

1. 自分の地域に、紹介がどれだけ回ってくるか

おそうじ本舗の紹介案件は年約22万件で、開業半年以上の店で割ると1店あたり月約12件です編集部の集計(2026年10月8日)。ただ、地域で大きく違います。近くに同じ看板の店が多ければ、紹介は分け合いになります。出したい地域の去年の件数を、書面で出してもらってください。

2. 店が残っているか

  • 加盟店の一覧を過去と突き合わせると、おそうじ本舗は23か月で起点の18.1%、おそうじ革命は3年で35.5%が消えていました編集部の集計(2026年10月8日)。
  • 日本おそうじ代行は71.2%、ハウスコンシェルジュは55.9%です。
  • 一覧から消えた店は閉店とは限りませんが、ハウスクリーニングは辞めやすい商売です。
  • 本部の「店舗数」より、ここ2年で閉めた加盟店の数を聞いてください。

3. 毎月の定額を、件数の少ない月に払えるか

開業から半年と、エアコンの依頼が減る秋から冬の前半は件数が落ちます。月30件なら、おそうじ本舗の本部への支払いは売上の44.4%、利益は月18万円です(試算)。定額の小さい本部は、この時期に強くなります。


市場・収益分析の要点と、店の推移の記録

03市場・収益分析

11社を同じ物差しで調べて分かったこと

1

直近1年で、一覧に新しく載った店より消えた店が多い本部がある

公式の店舗一覧の直近1年分(区間が9〜15か月の本部)を店名で突き合わせました。直近1年の集計は2本部のみ済みです。一覧に新しく載った店より、一覧から消えた店が多い本部が1社ありました。おそうじ隊501は一覧に新しく載った店0店・一覧から消えた店4店です。おそうじ革命・日本おそうじ代行・モーリーメイド・ハウスコンシェルジュは直近1年分が未集計のため含みません。

ダスキン サービスマスター・ダスキン メリーメイドは店舗単位の照合が未実施(総数はIR等で確認)のため含みません。

おそうじ本舗+100店(1769→1869店・載291・消191)
おそうじ隊501−4店(34→30店・載0・消4)

上:直近1年で一覧の店が増えた本部/下:減った本部。括弧内は起点→終点の店舗数と、一覧に新しく載った店・消えた店の数です(起点+載った−消えた=終点)。一覧の動きで、実際の開店・閉店とは限りません。消えた店には移転・改名を含む場合があります。3年前にあった店がどれだけ残っているかは、市場・収益分析にあります。

2

黒字に必要な月の作業件数を、標準の水準に対する割合で比べる

本部ごとに標準の月の作業件数が違うため、黒字に必要な月の作業件数を標準の水準に対する割合に直して並べました。低い本部で31%、高い本部で62%です(都市部の駐車場代)。

おそうじ革命31%(14件)
おそうじ隊50137%(33件)

低いほど、利用が集まらなくても赤字になりにくい(毎月の本部への支払いの総額を確認できた本部。参考扱いの7社は除く)

3

初期費用を取り戻すまでの期間は、1年2か月から2年3か月まで開く

標準の月の作業件数・都市部の試算です。判定に使う回収の期限は5年で、図の縦線が期限です。毎月の本部への支払いの総額と初期費用を確認できた2社のうち、0社は期限内に初期費用を取り戻せません。オーナーが自分で作業する試算は、家計に必要な現金(月25万円)を引いた残りで回収を数えています(本部カードの判定と同じ物差し)。本部への支払いが非公開・未確定などで参考扱いの7社は、この数に入れていません(本部ページに参考値)。

短いほど早く回収できる(開業から6か月で月の作業件数が上がる前提)。確認できた2社をすべて表示。回収は、本部が公表した初期費用(判明分の合計・税抜)で計算しています。物件取得費・内装など開業支出の一部を含まない本部は、実際の回収はさらに延びます(立ち上がりの赤字は月別の試算に入れてあり、予備は回収の対象に入れません)

市場・収益分析レポート11社の店舗数の増減・損益分岐・回収期間・本部の体制をすべて見る(約10分)

項目ごとの説明・宣伝文句の読み方・言いにくいこと

お金のほかに見る4つのこと

ハウスクリーニングは、お客さんの家に上がり、壊れやすい家電と薬剤を扱う仕事です。

壊したときに払えるか、家の中で無理に売らないかで、信用が決まります。だから、お金の試算とは別に、次の4つを本部ごとに見ました(全項目の決まりは評価ロジックに書いています)。

1. 作業事故と賠償の保険:エアコンを壊したら、払うのは店だから

国民生活センターは2025年2月、エアコンのクリーニングで部品を壊され、修理の約束の後に業者と連絡が取れなくなった例を挙げ、契約前に補償と保険の加入を確かめるよう呼びかけました行政資料。

  • 11本部のうち、本部の費用や収支例に賠償の保険の金額が出ていたのは5本部です。
  • ダスキン(メリーメイド年31,095円、サービスマスター年41,280〜57,858円)、おそうじ本舗(年44,740円)、日本おそうじ代行(6,500円)、おそうじ隊501(15,000円)でした企業公表。
  • ほかの6本部は、保険に入るのか、補償の上限がいくらかを公開資料で確かめられませんでした。
  • エアコン1台の弁償でも、ひとりの店には重い出費です。

2. 家での追加の勧誘:小さな依頼が、高額の契約に変わりやすいから

同じ発表には、5,000円の換気扇の依頼から浴室などの追加を勧められ、約60万円で契約した例が載っています行政資料。依頼された作業と別の作業を家で勧めて契約すると、特定商取引法の訪問販売としてクーリング・オフの対象になりえます。客単価を上げる「追加の提案」を本部が勧めるなら、書面とクーリング・オフの説明まで研修で教わってください。

3. 紹介への依存:仕事の入口を本部やポータルが握るから

上に書いたとおり、本部の紹介案件には売上の12〜25%の手数料がかかります。紹介が止まれば売上も止まります。紹介の量を本部が約束しているか、自分の集客に切り替えられるかを確かめてください。

4. 作業者の体と研修:けがで止まる商売だから

  • 高所のエアコンや浴室の中腰の作業が続きます(下の「言いにくいこと」)。研修の長さは本部でかなり違い、おそうじ革命の50日間、ベアーズの45〜90日間(2021年の発表)から、ハウスコンシェルジュの10日間までありました企業公表。
  • 編集部の結論: 11本部の本部名・運営会社名・ブランド名で、2026年10月に消費者庁などの処分の公表・裁判例・報道を検索した範囲では、特定商取引法の処分や作業事故の判決・報道は見つかりませんでした(見つからないことは、無いことの証明ではありません)。判定を変えた本部はありません。「おすすめ」にする条件に、賠償の保険を本部の資料で示していることを足しました(今は「おすすめ」の本部はありません)。
  • 保険が確かめられない6本部と、追加の勧誘の扱いは、判断票で確かめる点に入れました。

そのまま判断材料にしない宣伝文句

  • 「平均月商」「平均年商」。 売上の数字です。日本おそうじ代行の「平均年商1494万円」は令和元年8月〜令和2年7月の数字で、2022年から同じものが載っています。
  • 「未経験でも」。 おそうじ本舗は「オーナーの99%以上はハウスクリーニング未経験」と書きます。未経験で始められることと、未経験で続けられることは別です。研修の日数(おそうじ本舗20日、おそうじ革命50日、ハウスコンシェルジュ10日)を比べてください。
  • 「返金保証」「ロイヤリティ免除」。 日本おそうじ代行の初期費用全額返金保証は、条件が「詳しくは説明会でご案内」です。書面で条件を見るまでは、あてにしないでください。
  • 店舗数の表示。 おそうじ本舗は「1,701店舗(2021年9月現在)」を2025年2月まで出していました。ハウスコンシェルジュの「加盟店数 44店舗 ※2023年6月現在」は、今の店舗紹介ページの15店と大きく違います。

言いにくいこと

最大手のおそうじ本舗では、年末キャンペーンの物品購入が報じられました。 2024年10月、文春オンラインは、グッズ最低50個とチラシ1万枚の購入を求められ、参加しない店には本部の紹介が止まると報じました。本部は「独占禁止法に抵触するものではない」と見解を出しています。紹介に頼る経営ほど、本部の方針に逆らいにくくなります。

社員を雇っても、手取りはあまり増えません。 社員1名(月30万円)と車をもう1台足すと、2名で月90件を取っても、おそうじ本舗の利益は月67万円です。ひとりで月60件回したときと大差ありません(試算)。人を雇うのは、ひとりで依頼を断り続けるようになってからです。

  • 辞めるときに加盟店の権利を売れるかは、確かめられていません。 TRANBIとバトンズで売りに出ていたハウスクリーニングの事業13件に、FCの加盟店はありませんでした編集部の集計(2026年10月8日)。13件で見つからないことは、売れないことの証拠にはなりません。ただ、売る道が見えていない以上、編集部は「辞めるときに初期費用を取り戻せる」前提で計画しないことを勧めます。
  • 売れるかは、契約書の譲渡の条件(本部の承認が要るか、譲渡の手数料)で確かめてください。
  • ひとりの商売は、体を壊すと止まります。 高所のエアコン、浴室の中腰の作業が続きます。けがで2週間休めば、その月の件数は半分です。生活費とは別に、本部への定額の3か月分を手元に置いてください。

承継・独立開業の説明

それでもハウスクリーニングを始めたい人へ

「おすすめ」は0本部です。

全業態で同じ規則を当てた結果です。契約相手が分かる、本部に毎月払う合計が分かる、勧める運営のしかたで利益が出て5年以内に初期費用が戻る、起点の店が一覧に85%以上残っている。費用が分かる本部はどこも試算では早く戻りますが、最後の条件を満たした本部がありませんでした。

「条件次第」はおそうじ本舗、おそうじ革命、「おすすめしない」はハウスコンシェルジュ、モーリーメイド、日本おそうじ代行、おそうじ隊501です。残りの本部は、初期費用の総額か毎月の本部費が公式に出ておらず「様子見」にしています。どの本部でも、説明会では次の3つを書面で求めてください。出したい地域の去年の紹介件数。毎月の本部への支払いの全部と紹介の手数料の率。ここ2年で閉めた加盟店の数です。