フランチャイズ化のメリット・デメリット:やめたほうがいい事業の見分け方

メリットとデメリットを並べると
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| お金 | 出店の費用は加盟店が出す | 本部の人・書面・募集の費用は先に出ていく |
| 収入 | 加盟金と毎月の本部収入が入る | 加盟店の売上が落ちると本部収入も落ちる |
| 店の運営 | 地域に詳しい加盟店が店を回す | 味・接客・安全を直接は管理できない |
| ブランド | 店が増えて名前が知られる | 1店の不祥事が全店の評判になる |
| 法律 | - | 契約前の書面の交付と説明が要る |
メリット:加盟店のお金で店が増える
加盟店は、開業のお金を自分で出します。
本部が開業までに要る額を公表し、物件・内装まで含むと確かめられた103本部では、総額の下限の中央値が550万円でした編集部の集計。直営なら、この額を1店ごとに自社で出すことになります。
開業したあとは、毎月の本部収入が入ります。ロイヤリティ・システム料などの全額と条件まで確かめられた本部では、標準の売上で加盟店1店が本部に払う額の中央値は月12万円でした(67本部)編集部の試算。
デメリット:店が減ると、数字が残る
公式の店舗一覧を過去の一覧と店ごとに突き合わせた449本部のうち、一覧の店の数が起点より減ったのは134本部(29.8%)でした編集部の集計。
直営か加盟かを分けない差し引きの数で、閉店や契約の解除の数ではありません。1年あたりに一覧から消えた店の割合は、中央値で3.6%です。
- 本部が加盟の希望者に渡す法定開示書面には、直近3年の加盟店の数、新しく開いた店、解除された契約の数を書きます(中小小売商業振興法施行規則11条)行政資料。店が減れば、次の加盟の募集のときにその数字を見せることになります。
- 規模が大きくなるほど、減る本部の割合は上がります編集部の集計。
| 照合の起点の店の数 | 本部 | 増えた | 減った | 増減の中央値 | 消えた店(年あたり) |
|---|---|---|---|---|---|
| 10店未満 | 114 | 81 | 13(11.4%) | +50% | 0% |
| 10〜29店 | 128 | 84 | 36(28.1%) | +15.4% | 4.6% |
| 30〜99店 | 98 | 58 | 36(36.7%) | +10.5% | 4.5% |
| 100店以上 | 109 | 60 | 49(45%) | +2.5% | 3.6% |
| 全体 | 449 | 283 | 134(29.8%) | +13% | 3.6% |
「増減の中央値」は店の数の変化率、「消えた店(年あたり)」は1年あたりに一覧から消えた店が起点の店に占める割合で、どちらも本部ごとの値の中央値です。
向く事業、やめたほうがいい事業
| 事業の性質 | 編集部の判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 手順を書けば、新人でも同じ品質が出る | 向く | 加盟店に教えられる |
| 開業の費用が加盟店の手の届く範囲 | 向く | 加盟の希望者が集まる |
| 売上が社長本人の技術・人脈で決まる | やめる | 加盟店では再現できない |
| 粗利が薄く、本部費を払うと赤字になる | やめる | 加盟店が残らない |
| 許認可・資格者が要るのに、その確保を加盟店任せにする | 条件つき | 人がそろわず開業できない店が出る |
ほかの広げ方
看板とやり方を貸すフランチャイズのほかに、直営で増やす、商品だけを卸す、加盟金を取らない共同の仕入れの仕組みにする、などの広げ方があります。
違いはボランタリーチェーン・代理店との違いにまとめました。
根拠
- 開業までの総額・毎月の本部への支払い:716本部の公表値と、標準の売上で計算した試算(ロイヤリティ相場・加盟金と初期費用の相場と同じ集計)編集部の集計編集部の試算
- 店の増減:公式の店舗一覧の照合(調査方法)編集部の集計
- 法定開示書面の店の数の項目:中小小売商業振興法施行規則(e-Gov法令検索)11条「直近の三事業年度における加盟者の店舗の数の推移に関する事項」行政資料
フランチャイズ化の相談
自社の事業をフランチャイズにするか、どこから手をつけるかを、716本部の公開データと照らして編集部が返答します。
受付から3営業日以内を目安に、編集部が受け付けたメールアドレスへ返答します。特定の支援会社・士業の紹介は行っていません。
フランチャイズ化について相談するREフランチャイズ化
あわせて読みたい
フランチャイズ化の費用:本部づくりの公開料金と、加盟金をあてにしない資金計画フランチャイズ化の費用を、本部構築の支援会社が公開している料金表の例(360万円〜など。税別)で示します。476本部の加盟金の中央値150万…
FC本部の立ち上げ手順:直営の数字づくりから加盟募集まで7段階FC本部を立ち上げる手順を7段階に分け、各段階で何がそろえば次へ進むかを示します。716本部の公開資料では、違約金の条件を確認できたのは56…
直営店が何店舗あればフランチャイズ化できるか:店の数より先に見る3つの数字直営店が何店舗あればフランチャイズ化できるかに、法律の決まりはありません。716本部のうち今の店が10店未満の本部は134本部あり、照合の起…
ロイヤリティの決め方と相場:716本部の率・定額と店の増減FC本部のロイヤリティの決め方を、716本部の実データで示します。率で取る295本部の中央値は7%、定額の188本部は月8万円。定額の本部は…
加盟金の決め方と相場:476本部の分布と、安すぎる加盟金の落とし穴FC本部の加盟金の決め方を、加盟金を公表している476本部の分布(中央値150万円・0円55本部)で示します。100万円未満の本部は、公式一…
フランチャイズ契約書と法定開示書面の作り方:法律の項目と先行本部の公開状況フランチャイズ契約書と法定開示書面の作り方を、中小小売商業振興法と施行規則の項目に沿って整理します。716本部の公開資料で違約金を確認できた…
フランチャイズ化の失敗:4つの型と止める基準、公式一覧で店が減った本部のデータフランチャイズ化の失敗の4つの型と、その手前で止める基準を示します。公式の店舗一覧を店ごとに突き合わせた449本部のうち、一覧の店の数が減っ…
フランチャイズ・ボランタリーチェーン・代理店の違い:自社に合う広げ方自社の事業を広げる方法として、フランチャイズ・ボランタリーチェーン・代理店・ライセンスの違いを、法律の定義と716本部のロイヤリティの取り方…