うどん・そば フランチャイズ
うどん・そばフランチャイズの調査記録(全文)
うどん・そばフランチャイズの比較で使った前提・市場の分析・項目ごとの説明を、省かずに載せます。結論と比較表はうどん・そばフランチャイズ比較にあります。
業態横断ガイド:閉店率・撤退率|儲かる業種|説明会で聞くべき質問|少ない資金で始める
前提の説明と試算の記録
売りに出ている店との差
- TRANBI・バトンズで売りに出ているうどん・そば店21件(FC本部の譲渡を除く)は、年商1,000万〜3,000万円前後が最も多く、希望額の中央値は500万円です〔第三者資料〕編集部の集計(2026年10月17日)。
- その中位の月商152万円(税抜)を40坪ロードサイドの式に入れると、オーナーが店に立っても都市部で月−147万円です(試算)。
- 新規加盟の本部の収支例は、売りに出た個人店の4〜7倍の月商を前提にしています。
市場・収益分析の要点と、店の推移の記録
03市場・収益分析
11社を同じ物差しで調べて分かったこと
照合の起点から現在までに一覧に新しく載った店と消えた店
公式の店舗一覧を、本部ごとに照合の起点と現在で店名・住所で突き合わせました(期間は本部ごとに違い、約2.9〜3.1年)。直近1年の区切りで店名を突き合わせて集計できた本部は、11本部中0本部です。そのため、この図は照合の起点から現在までの増減です(編集部の判断の「この1年」の表は、一部の本部について一覧を別に数えた値で、対象の本部数を表に書いています)。5社の中に、一覧に新しく載った店より一覧から消えた店が多い本部はありませんでした。
上:照合の起点から現在までで一覧の店が増えた本部/下:減った本部。括弧内は起点→終点の店舗数と、一覧に新しく載った店・消えた店の数です(起点+載った−消えた=終点)。一覧の動きで、実際の開店・閉店とは限りません。消えた店には移転・改名を含む場合があります。
黒字に必要な月商は、本部どうしで比べられない
毎月の本部への支払いの総額を確認できた本部がなく(参考扱いの5社は除く)、黒字の境目を本部どうしで並べていません。本部ごとの参考の値は各本部ページにあります。
参考扱いの本部の値は、本部への支払いの未確認分を足すと上がる向きです
初期費用を取り戻すまでの期間(確認できる本部なし)
標準の月商・都市部の試算です。判定に使う回収の期限は5年で、図の縦線が期限です。毎月の本部への支払いの総額と初期費用を確認できた0社のうち、0社は期限内に初期費用を取り戻せません。本部への支払いが非公開・未確定などで参考扱いの5社は、この数に入れていません(本部ページに参考値)。
短いほど早く回収できる(開業から6か月で月商が上がる前提)。確認できた0社をすべて表示。回収は、本部が公表した初期費用(判明分の合計・税抜)で計算しています。物件取得費・内装など開業支出の一部を含まない本部は、実際の回収はさらに延びます(立ち上がりの赤字は月別の試算に入れてあり、予備は回収の対象に入れません)
承継・独立開業の説明
ゆで太郎:開示がいちばん厚く、店も減っていない。それでも今の型は戻りにくい
- ゆで太郎はJFAの開示書面に、加盟店の数(2022〜2024年に78→78→83店)、新規(8・7・16店)、途中終了(5・6・2件、多くは本部が引き取る直営化)、訴訟0件、本部の3期分の決算まで出しています企業公表。
- 公式の店舗一覧は2023年の185店(京都府を除く26都道府県)から今222店で、月次IRの9月末222店とも一致します編集部の集計(2026年10月17日)。
問題は今の募集の型です。募集チラシの費目を足すと、郊外40坪・駐車場25台の型で5,640万円(土地・物件取得費は別)企業公表。2022年10月版の4,770万円から2年余りで870万円上がり、収益モデルは月商を600万→700万円に上げたのに税償却前利益は105.5万→102.2万円に下がりました企業公表。
開示書面の加盟店の売上を店数で割ったチェーン平均の月商552万円(税抜)で計算すると、オーナーが店に立ち物件取得費を足した回収は地方でも118か月、本部の収支例の月商でも地方68か月です(試算)。
- それでも「採算が合わない」と言い切らないのは、確かめられていない入力の置き方で結論が入れ替わるからです。原価率を本部の収支例の下の端(24%)、人件費を収支例の人件費率の下の端に置くと、同じチェーン平均で地方の回収は39か月に縮みます(試算)。加盟前に聞くべきことは一つで、今の型(40坪ロードサイド)で開業した加盟店の、2年目以降の月商の中央値です。
- もう一つ、開示書面は『店舗における販売商品の価格は、原則として本部の指定価格に従わなくてはなりません』と書きます企業公表。2026年9月の既存店は客単価103.4%・客数92.9%でした企業公表。値上げを決めるのは本部で、減った客の分は加盟店の固定費にのしかかります。無断の休業は1日2万円の追加ロイヤリティです企業公表。
そのほかの記録
店はほとんど消えていない。問題は加盟店の薄さ
| 本部 | 起点 → 今 | 消えた店 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ゆで太郎 | 185 → 222 | 3(1.6%) | 様子見 |
| つるまる(国内) | 40 → 60 | 2(5.0%) | 様子見 |
| 鐘庵 | 38 → 39 | 2(5.3%) | 様子見 |
| しぶそば | 14 → 16 | 1(7.1%) | 様子見 |
| 山下本気うどん | 10 → 24 | 0 | 様子見 |
編集部の集計(2026年10月17日)
照合できた5本部は、どれも起点の店がよく残っています。ただ、増えた店の多くは直営です。つるまるの国内の加盟店は2017年末も2023年末も7店、山下本気うどんの加盟店は2025年に開いた2店、しぶそばは加盟店の開業をまだ確認できません企業公表。加盟店が80店を超えるのはゆで太郎だけです。
編集部の結論:うどん・そばの本部選びは、店の消え方ではなく「加盟店で同じ数字が出たか」で決まります。直営の強い数字を、加盟店の実績と取り違えないでください編集部判断。
山下本気うどん:数字は強いが、加盟店がまだ2店
- 公式の収支モデル(繁華街ビルイン30坪・月商1,200万円・原価24%・初期投資5,590万円)企業公表を同じ式に入れると、オーナーが店に立ち物件取得費を足しても都市部33か月・地方26か月で戻ります(試算)。2024年の募集ページには直営8店の店ごとの平均月商(773万〜1,998万円)が載っていて、モデルの月商はその幅の中にあります企業公表。
- ただ、FC本部の立ち上げは2023年3月で、加盟店は2025年5月(札幌)と12月(金沢)の2店です企業公表。店ごとの月商の表は2025年に募集ページから消えました。月商が2割下がると、物件取得費を足した都市部の回収は65か月です(試算)。加盟店2店の月商が出るまで、強い数字は「直営の数字」として読みます編集部判断。
吉祥庵・ソバキチ:募集の立地では5年で戻らない
- フォーシーズの『そば屋で一杯』の2ブランドは、ポータルの本部原稿の月商の下の端(700万円)企業公表で計算すると、駅ビル・商業施設の家賃では物件取得費を足した回収が吉祥庵72か月・ソバキチ69か月です(試算)。地方の家賃なら期限内に入りますが、原価率が非公開で、悪い端に置くと地方でも吉祥庵72か月です。2ブランドとも公式の募集ページの業態紹介に載っておらず、本部原稿の『加盟店舗数5』の店名も出ていません。
- 地方なら戻る試算でも、加盟店で同じ月商が出たかを確かめる手段がないため「様子見」です。
費用を出さない本部、募集が続いているか分からない本部
- 鐘庵(39店)としぶそば(東急・16店)は店がよく残る一方、費用を一切公表していません企業公表。
- つるまるは加盟金・ロイヤリティ・契約10年を出し、衛生検査を契約に入れていますが、開業資金の総額がありません企業公表。
- こんぴら茶屋と里のうどんは、見出しの月商(14坪で1,000万円、9坪で約1,200万円)の店・時期を書いていません企業公表。
じねんじょ庵は、ポータルの掲載が2020年のお知らせ・直営2店のまま止まり、公式サイトに募集の入口がありません企業公表。募集を続けているか分からないため、「おすすめしない(募集の実態)」にしました。
そばを出すなら、アレルギーの釜を先に聞く
そばのアレルゲンは水に溶けて熱に強く、同じ釜でゆでたうどんに移って症状を起こし、重い例や死亡例もあります〔行政資料〕。業界団体の事故事例にも、表示はあったのに同じ釜でゆでていた例があります〔第三者資料〕。そばを出す本部(ゆで太郎・吉祥庵・ソバキチ・鐘庵・しぶそば・じねんじょ庵)の募集資料には、釜・ゆで湯の分け方も客への告知の決まりも書かれていません。事故の責任は加盟店の名義にかかります。
注意:そば・うどんを両方出す店で「同じ釜でゆでています」と客に示す決まりがない本部は、説明会でその場で聞いてください。答えが書面で出ない本部は、ほかの条件がよくても「おすすめ」にはしません。
この分析の限界
- 指定品(粉・生地・つゆ・PB食材)の価格はどの本部も非公開で、原価率は本部の収支例の値(ゆで太郎36%・山下24%)か代替値30%です。
- フォーシーズの3ブランド(宮武・吉祥庵・ソバキチ)は、公式の店舗一覧がブラウザ側の読み込みで過去の保存に残らず、店の増減を照合できていません。ゆで太郎の照合は京都府を除いています。
- 法人番号は今回照会していません。
- うどん・そば店に絞った倒産統計・市場規模は見つかりませんでした。