デイサービス・訪問介護 フランチャイズ
デイサービス・訪問介護フランチャイズの調査記録(全文)
デイサービス・訪問介護フランチャイズの比較で使った前提・市場の分析・項目ごとの説明を、省かずに載せます。結論と比較表はデイサービス・訪問介護フランチャイズ比較にあります。
業態横断ガイド:閉鎖率・撤退率|儲かる業種|説明会で聞くべき質問|少ない資金で始める
前提の説明と試算の記録
この業態で評価の項目を増やした理由
1. 人員基準:人がいないと、売上が減るか、指定が消えるから
通所介護は管理者・生活相談員・看護職員・介護職員・機能訓練指導員を、訪問介護は常勤換算2.5名以上の訪問介護員とサービス提供責任者を置く決まりです。
欠ければ報酬は7割に減り、配置を偽った請求は返還(不正分に最大40%の加算金)と指定取消の対象になります行政資料。2026年1〜9月のデイサービスの倒産47件は同期間の最多で、人手不足が理由の倒産も入っています〔第三者報道〕。
- だから、本部の採用支援と、勤務表と請求を照らす点検があるかを見ます。今回の11本部で、勤務表と請求の照合まで書いた本部はありませんでした。請求の代行や同席を書くのは樹楽・だんらんの家・さくら・介護ステーションです企業公表。
2. 利用率:採算はほぼこれだけで決まるから
- WAMの調査では、利用率50%未満の通所介護は収支差率マイナス12.8%で、74.6%が赤字でした。90%以上はプラス9.0%です行政資料。人件費は利用者が少ない日も減らないので、利用率がそのまま利益を決めます。
- 本部の収支例は、たいてい稼働率80〜95%で作られています(樹楽は95%、コンパスウォークの直営モデルは80%企業公表)。当サイトは全国平均で計算し、本部の数字との差は「既存の事業所の利用率が未確認」として判断票に入れました。
3. 報酬改定:3年ごとに単価が変わるから
- 2024年度は訪問介護の基本報酬が下がり、2025年の訪問介護の倒産は91件、休廃業は465件と、どちらも最多でした〔第三者報道〕。次の改定は2027年度です。今の単価が10年続く前提は置けないため、回収の期限を5年にしました(指定の有効期間は6年)。
- 2026年6月の期中改定は処遇改善加算の拡充で、増えた分は全額を職員の賃金に回す決まりです行政資料。だんらんの家の本部原稿は、この加算を「毎月売上の12.5%の手当金が国から加盟店に支給されます」と書きますが企業公表、事業者の利益にはなりません。
4. 加算の要件:リハビリ型の売上の1割はここにあるから
- 個別機能訓練加算(1日56単位)は、専従の機能訓練指導員と個別の計画、3か月ごとの居宅訪問が要ります。要件を外して算定すれば返還の対象です行政資料。リハビリ型の型では、この加算を取る前提で1回の介護報酬を置いています。取れない場合の試算(感度)も各本部ページに出しました。新しく開く事業所が、開所の日から専従の指導員を置けるとは限らないからです。
5. 事故・虐待と、保険外の宿泊:利用者の命と指定に直結するから
- 入浴・送迎・転倒・誤嚥の事故と虐待は、利用者を傷つけ、指定にも響きます。2024年度の改定で、虐待防止の措置をしない事業所と、業務継続計画を作らない事業所の報酬を減らす決まりが入りました行政資料。事故・苦情の手順と虐待防止の研修を、本部が加盟店に義務として渡しているかを見ます。公開資料で確かめられたのは樹楽の「苦情・事故対応マニュアル」「コンプライアンス研修会」だけでした企業公表。
- お泊りデイは保険外のサービスで、国の指針の届出・夜勤者・宿泊の定員(通所の定員の半分以下かつ9名以下)が要ります。樹楽は24時間365日のお泊りデイを勧めています企業公表。試算に宿泊の売上は入れていません。
6. 加盟者の責任と本部の倒産:指定は加盟した法人に残るから
- 指定と返還の責任は加盟法人にあり、本部が肩代わりする制度はありません。2022年には機能訓練型デイのFC本部がグループごと破産し、デイサービスの倒産が増えました〔第三者報道〕。本部の請求代行やシステムが止まっても、事業所は自分で続けるしかありません。本部の決算が読める本部(リハプライドの法定開示書面、レコードブックの親会社IR)は、それだけで確かめやすくなります。
「営業利益率27%」「45〜55%」は本当か
- 宣伝の数字の多くは、高い利用率と、内訳の分からない人件費を前提にしています。
- だんらんの家は「平均的な営業利益率は27%」「1日平均9名の利用で利益約100万円」、レッツ倶楽部は「月間売上 約450万円・営業利益率45〜55%」と書きます企業公表。
- 全国の収支差率は、地域密着型通所介護で6.3%、通所介護で6.2%でした行政資料。
- 延べ利用者が月901名以上の大きな通所介護でも10.0%です行政資料。
当サイトが人員基準を満たす配置と全国平均の利用率で計算し直すと、職員を雇う形の月の利益は、民家型の小規模デイで−6.4万円、リハビリ型(通常規模)で23.1万円、リハビリ型(地域密着型)で70.2万円でした(都市部・試算)。
編集部の結論はこうです。宣伝の利益率は、全国の事業所の分布の上の端よりさらに上です。 説明会では、既存の加盟事業所の平均利用率と、人件費の職種別の内訳を書面で出してもらってください。
この業態の数字で分かる前提
1. 1回あたりの介護報酬は、デイの7〜8時間で約1.1万円、半日のリハビリ型で約5,300円、訪問で約3,900円
- デイサービスは利用者1名が1日通うと1回、訪問介護は1回の訪問で1回と数えます。都市部の1回あたりの介護報酬は、民家型の小規模デイ(7〜8時間)で11,021円、半日のリハビリ型(通常規模)で5,263円、訪問介護で3,870円です(処遇改善加算を含む・試算)。訪問介護の値は、国の概況調査の訪問1回当たり収入3,855円と近い値です行政資料。
2. いちばん大きな費用は人件費で、利用者が少なくても減らない
- 人員基準を満たす配置の人件費は、民家型の小規模デイで月137万円、リハビリ型(通常規模・職員6名)で月233万円です(会社負担込み・試算)。国の調査でも、収入に占める給与費は通所介護で60.9%、訪問介護で67.8%でした行政資料。
3. オーナーが管理者を務めると残る額は増えるが、それは自分の給料
- オーナー本人が管理者(デイは生活相談員、訪問介護はサービス提供責任者を兼ねる)として常勤で入れば、その職の給与(月40万円前後)は払いません。ただしその分はオーナーの労働の対価で、生活費をここから出します。当サイトは生活費として月25万円を引いて回収を計算しています。リハプライドの型では、全国平均の利用率でこの条件の回収が100か月でした(都市部・試算)。
4. 入金は2か月後
- 介護報酬の9割は、サービスを提供した月の2か月後に国保連から入ります。初期費用とは別に、定常時で売上2か月分前後の入金待ちが生じます。リハビリ型(通常規模)の標準の利用で751万円、訪問介護の月850回で658万円です(試算)。
決め手は3つだけ
1. 職員を集め続けられるか
- 訪問介護なら、本部より先に、自分の地域でヘルパーを10名前後集められるかを確かめます。集められる人には本部の費用は軽く、集められない人には本部があっても回りません。デイなら、看護職員と機能訓練指導員の採用の当てを先に作ります。
2. 既存の加盟事業所の利用率が、全国平均を上回るか
- リハビリ型を職員で回したい法人なら、リハプライドとレコードブックの資料を取り、「既存加盟店の平均利用率」と「内外装・物件・運転資金を含む総額」を書面で出させます。利用率が全国平均を下回る本部は、その場で外します。
3. 本部が加盟店の何を点検しているか
- 説明会では「SVが巡回します」ではなく、何を、どの頻度で確かめるのかを聞いてください。勤務表と請求の照合、加算の要件の記録、事故・苦情の記録、虐待防止の研修の実施です。出店予定の市町村が地域密着型通所介護の新規指定を受け付けているかも、物件の契約の前に確かめます。
市場・収益分析の要点と、事業所の推移の記録
03市場・収益分析
11社を同じ物差しで調べて分かったこと
照合の起点から現在までで、一覧に新しく載った事業所より消えた事業所が多い本部がある
公式の事業所一覧を、本部ごとに照合の起点と現在で事業所名・住所で突き合わせました(期間は本部ごとに違い、約1.1〜3.5年)。直近1年の区切りで事業所名を突き合わせて集計できた本部は、11本部中0本部です。そのため、この図は照合の起点から現在までの増減です(編集部の判断の「この1年」の表は、一部の本部について一覧を別に数えた値で、対象の本部数を表に書いています)。
一覧に新しく載った事業所より、一覧から消えた事業所が多い本部が3社ありました。樹楽 団らんの家(20府県のみ※)は一覧に新しく載った事業所8事業所・一覧から消えた事業所21事業所です。
上:照合の起点から現在までで一覧の店が増えた本部/下:減った本部。括弧内は起点→終点の事業所数と、一覧に新しく載った事業所・消えた事業所の数です(起点+載った−消えた=終点)。一覧の動きで、実際の開店・閉鎖とは限りません。消えた事業所には移転・改名を含む場合があります。
黒字に必要な月の延べ利用回数は、本部どうしで比べられない
毎月の本部への支払いの総額を確認できた本部がなく(参考扱いの7社は除く)、黒字の境目を本部どうしで並べていません。本部ごとの参考の値は各本部ページにあります。
参考扱いの本部の値は、本部への支払いの未確認分を足すと上がる向きです
初期費用を取り戻すまでの期間(確認できる本部なし)
標準の月の延べ利用回数・都市部の試算です。判定に使う回収の期限は5年で、図の縦線が期限です。毎月の本部への支払いの総額と初期費用を確認できた0社のうち、0社は期限内に初期費用を取り戻せません。本部への支払いが非公開・未確定などで参考扱いの7社は、この数に入れていません(本部ページに参考値)。
短いほど早く回収できる(開業から9〜12か月で月の延べ利用回数が上がる前提)。確認できた0社をすべて表示。回収は、本部が公表した初期費用(判明分の合計・税込)で計算しています。物件取得費・内装など開業支出の一部を含まない本部は、実際の回収はさらに延びます(立ち上がりの赤字は月別の試算に入れてあり、予備は回収の対象に入れません)
項目ごとの説明・宣伝文句の読み方・言いにくいこと
そのまま判断材料にしない宣伝文句
- 「市場は2040年に向けて拡大」。 需要が増えることと、あなたの事業所に利用者が来ることは別です。デイの赤字事業所は4割近くあります行政資料。
- 「売上の9割は国から確実に入る」。 取りはぐれは小さいですが、入金は2か月後で、単価は国が3年ごとに決め直します。
- 「処遇改善加算が毎月支給される」。 全額を職員の賃金に回す決まりで、利益にはなりません。
- 「オーナー撤退率0%」。 ソレイルミナーレの表示です企業公表。観測できた一覧は13か月分だけでした。
- 「全国○○店舗」。 だんらんの家は公式「全国200店舗」、本部原稿「加盟事業所数130」、公式の事業所一覧168で、どれも合いません編集部の集計(2026年10月11日)。
言いにくいこと
宣伝の利益率は、全国の事業所の実態から大きく離れています。 宣伝する本部ほど、既存の事業所の利用率と人件費の内訳を出していません。
初期費用を全部出す本部がありません。 11本部のうち、物件取得・内装・運転資金まで含めた総額を確かめられた本部はありませんでした。リハプライドの開示書面にも内外装費は載っていません。
売りに出ているデイサービスが多いです。 TRANBIのデイサービス単体の案件は60件で、営業利益の帯が「赤字」の案件が35%でした。売却希望価格(単一の値の35件)の中央値は1,900万円です編集部の集計(2026年10月11日)。新しく作る初期費用と同じかそれより安く、利用者と職員のいる事業所が買えることがあります。
承継・独立開業の説明
それでも始めたい人へ
「おすすめ」は0本部、「条件次第」は0本部です。
全業態で同じ規則に、この業態の規則を足して当てた結果です。「おすすめしない」はコンパスウォーク、樹楽 団らんの家です。残りの本部は、本部費か初期費用の総額が書面で出ていないか、加盟店の実績を確かめられず「様子見」にしています。
どの本部でも、説明会では次の4つを書面で求めてください。初期費用の総額と毎月の本部への支払いの全部。既存の加盟事業所の平均利用率と1回あたりの報酬。人員の採用支援と、職員が辞めたときの本部の手当て。本部が加盟店の勤務表・請求・加算をどの頻度で点検しているか、です。