条件から候補を絞る

訪問看護 フランチャイズ

訪問看護フランチャイズの調査記録(全文)

訪問看護フランチャイズの比較で使った前提・市場の分析・項目ごとの説明を、省かずに載せます。結論と比較表は訪問看護フランチャイズ比較にあります。

業態横断ガイド:閉鎖率・撤退率|儲かる業種|説明会で聞くべき質問|少ない資金で始める

前提の説明と試算の記録

この業態で評価の項目を増やした理由

1. 人員基準:管理者が看護師でないと、指定が取れないから

訪問看護ステーションは、看護職員を常勤換算で2.5名以上置き、管理者は専従・常勤の保健師か看護師でなければなりません行政資料。

看護師でないオーナーは管理者を雇うしかなく、その人が辞めて代わりがいなければ事業が止まります。訪問が少ない月も2.5名分の給与(全国平均の給与費で月127.4万円)はかかります。募集の資料で管理者の要件をはっきり書いていたのはFOOTAGEだけでした企業公表。

2. 看護師の採用:売上の上限が看護師の人数で決まるから

  • 看護職員1回の訪問は全国平均で月77.9回です行政資料。売上を増やすには看護師を増やすしかなく、紹介会社経由の採用は1回100万円を超える例が多いとされます第三者資料。採用の実績を数字で出す本部は、FOOTAGE(看護職の応募323件・入職45名)とはな(2025年度の採用54名)でした企業公表。当サイトの試算は採用費を初期費用に入れていません。
  • 紹介会社で2.5名を採ると初期費用が250万円増え、FOOTAGEの管理者を雇う形の回収は都市部で53か月に延びます(試算)。

3. 報酬改定:単価を決めるのが国で、制度が2つあるから

  • 医療保険は2年ごと、介護保険は3年ごとに単価が変わります。2024年度は理学療法士等の訪問に減算が入り、2026年6月からは同じ建物の利用者への訪問の評価が人数で細かく分かれました第三者資料。リハビリ職の訪問を柱にした収支例(ケアーズの安定期は看護師6名・療法士2名、おれんじは看護3名・リハビリ2名)は、この見直しを受けやすい形です企業公表。
  • 『これから数年はこれまで以上に報酬が上がります』と断定する本部原稿(SmiLoop)もありましたが、根拠は示されていません。

4. 利用者の紹介と、2か月後の入金:立ち上がりの赤字が大きいから

  • 利用者はケアマネジャー・病院・診療所からの紹介で来ます。紹介が積み上がるまでの間も人員基準の給与は払い続け、療養費・報酬が入るのは提供月の2か月後です。FOOTAGEの初期費用は365万円ですが企業公表、管理者を雇う標準の試算では、事業に必要な現金(累積の収支の最低点)が1,139万円でした(都市部・試算)。初期費用の何倍もの現金が、開業から1年あまりで出ていきます。

5. 精神科と住宅の入居者への訪問:国が一斉に調べ始めた分野だから

  • 2025年12月、厚労省がホスピス型の有料老人ホームの入居者や精神障害者を対象とする訪問看護ステーションに、2026年1月から全国一斉の調査を始めると報じられました〔第三者報道〕。2026年6月には九州厚生局が、出勤していない看護職員の訪問を記録し、代表の就労支援事業所で『訪問』した形で請求していたステーションの指定を取り消しています行政資料。
  • 今回の本部のうち、Reafとharu styleは精神科特化です。haru styleの2022年のパンフレットは『「住まい」の提供もしています』と書いていました企業公表。候補から外した本部にも、就労支援事業所での訪問看護を打ち出す本部(MYTH)、高齢者向け住宅の委託運営と組む本部(ショウエイ)がありました。住まいや施設と組む形そのものは違法ではありませんが、国の調査が向いている形です。

6. 行政処分:処分は2系統で、加盟店の名前で出るから

  • 医療保険の不正は地方厚生局が、介護保険は都道府県・市が処分します。公表は事業所名・運営法人名で出るため、屋号を自由にできる支援型(ケアーズ)や、運営法人が別の加盟店は、ブランド名の検索では見つかりません。今回は8本部の名前で処分は見つかりませんでしたが、加盟店の法人名での照合はしていません。

7. 記録と請求:不正は記録書から見つかるから

  • 訪問は看護師1回で家に入るため、質は研修と記録の仕組みでしか担保できません。取消の多くは記録書の不実記載から見つかります。研修やSVの記述は多くの本部にありますが、記録と請求を誰が、年に何回点検するかを書いた本部はありませんでした。 ここは資料請求で必ず聞いてください。

決め手は3つだけ

1. 管理者を誰がやるか

  • オーナー本人が看護師(保健師)で管理者として常勤で入れるなら、管理者の給与(月54.1万円)がかからず、採算は一段よくなります。入れないなら、管理者の採用の当てと、その人が辞めたときの手当て(本部の紹介・派遣の有無)を、本部より先に確かめます。

2. 看護師を2.5名以上、開業月にそろえられるか

  • 人員基準の下限は開業の月からかかります。自分の地域で看護師を集められるか、紹介会社を使うなら採用費をいくら見込むかを先に決めます。本部の採用支援は、応募と入職の数字で出させてください。

3. 本部が加盟店の記録と請求を何回点検するか

  • 説明会では「SVが巡回します」ではなく、記録書と請求の照合を誰が、年に何回するのかを聞いてください。精神科訪問看護をするなら、届出の要件と訪問の回数・時間の点検のしかたも聞きます。

市場・収益分析の要点と、事業所の推移の記録

03市場・収益分析

8社を同じ物差しで調べて分かったこと

1

照合の起点から現在までで、一覧に新しく載った事業所より消えた事業所が多い本部がある

公式の事業所一覧を、本部ごとに照合の起点と現在で事業所名・住所で突き合わせました(期間は本部ごとに違い、約0.6〜3.4年)。直近1年の区切りで事業所名を突き合わせて集計できた本部は、8本部中0本部です。そのため、この図は照合の起点から現在までの増減です(編集部の判断の「この1年」の表は、一部の本部について一覧を別に数えた値で、対象の本部数を表に書いています)。

一覧に新しく載った事業所より、一覧から消えた事業所が多い本部が1社ありました。ケアーズ訪問看護リハビリステーションは一覧に新しく載った事業所7事業所・一覧から消えた事業所37事業所です。

SmiLoop訪問看護ステーション+11事業所(9→20事業所・載12・消1)
訪問看護ステーションFootage+8事業所(7→15事業所・載10・消2)
訪問看護ステーションはな+2事業所(22→24事業所・載3・消1)
NEXT FLOW 訪問看護+2事業所(6→8事業所・載2・消0)
ケアーズ訪問看護リハビリステーション−30事業所(74→44事業所・載7・消37)

上:照合の起点から現在までで一覧の店が増えた本部/下:減った本部。括弧内は起点→終点の事業所数と、一覧に新しく載った事業所・消えた事業所の数です(起点+載った−消えた=終点)。一覧の動きで、実際の開店・閉鎖とは限りません。消えた事業所には移転・改名を含む場合があります。

2

黒字に必要な月の延べ訪問回数は、本部どうしで比べられない

毎月の本部への支払いの総額を確認できた本部がなく(参考扱いの4社は除く)、黒字の境目を本部どうしで並べていません。本部ごとの参考の値は各本部ページにあります。

参考扱いの本部の値は、本部への支払いの未確認分を足すと上がる向きです

3

初期費用を取り戻すまでの期間(確認できる本部なし)

標準の月の延べ訪問回数・都市部の試算です。判定に使う回収の期限は5年で、図の縦線が期限です。毎月の本部への支払いの総額と初期費用を確認できた0社のうち、0社は期限内に初期費用を取り戻せません。本部への支払いが非公開・未確定などで参考扱いの4社は、この数に入れていません(本部ページに参考値)。

短いほど早く回収できる(開業から12か月で月の延べ訪問回数が上がる前提)。確認できた0社をすべて表示。回収は、本部が公表した初期費用(判明分の合計・税込)で計算しています。物件取得費・内装など開業支出の一部を含まない本部は、実際の回収はさらに延びます(立ち上がりの赤字は月別の試算に入れてあり、予備は回収の対象に入れません)

市場・収益分析レポート8社の事業所数の増減・損益分岐・回収期間・本部の体制をすべて見る(約10分)

そのほかの記録

収支例をそのまま信じないでください

本部宣伝の数字編集部が確かめたこと
訪問看護おれんじ(A1)月商396万円・営業利益136万円企業公表同じ図に『月間売上369万円』もあり、136万円は図にあるロイヤリティ月20万円を引いていない。本部の直営の求人は月約180件で、モデルの495件の約36%
haru style2年目 年商6,000万円・営業利益3,500万円(2022年)企業公表営業利益率58%。全国平均の収支差率10.3%・給与費率70.1%に対し、前提が書かれていない
SmiLoop3年目 年商1億8,000万円超企業公表全国平均の訪問看護ステーションの約4倍の規模
ケアーズ1名あたり月間最大120万円・営業利益率20%企業公表『最大』で平均ではない。2022年は『直営の営業利益率40%』と書いていた

当サイトが全国平均の訪問回数と人件費で計算し直すと、管理者も雇う形の月の利益はFOOTAGEで都市部34.2万円、ケアーズ(第三者の費用)で32万円でした(試算)。年に直すと数百万円で、売りに出ている同じ年商帯(2,500万〜5,000万円)のステーションの営業利益の帯「0〜500万円」と同じ水準です編集部の集計(2026年10月17日)。

売りに出ている訪問看護ステーション12件(TRANBI)のうち6件が赤字、3件が損益なしで、年商500万円以下の小さなステーションは1円〜250万円で出ています編集部の集計(2026年10月17日)。軌道に乗らなかったステーションは、売っても初期費用が戻りません。


判定の結果

「おすすめ」は0本部、「条件次第」は0本部です。全業態で同じ規則に、この業態の規則を足して当てた結果です。