不用品回収・遺品整理 フランチャイズ
不用品回収・遺品整理フランチャイズの調査記録(全文)
不用品回収・遺品整理フランチャイズの比較で使った前提・市場の分析・項目ごとの説明を、省かずに載せます。結論と比較表は不用品回収・遺品整理フランチャイズ比較にあります。
業態横断ガイド:閉店率・撤退率|儲かる業種|説明会で聞くべき質問|少ない資金で始める
前提の説明と試算の記録
「不用品回収は原価が低く高利益」は本当か
募集ページには「原価が低い」「粗利が高い」という言葉が並びます。
エコパートナーズの収益モデルは粗利益率約80%、出張買取MAXの収支モデルは粗利率70%です企業公表。どちらも買取(中古品の売却)が中心の型で、仕入れの代わりに出ていく処分費の行がありません。
- 遺品整理・片付けで客から受け取るお金の約半分は、処分費です。リリーフ公式の料金事例8件では、整理作業費と処分費の合計のうち処分費が40〜63%でした企業公表。許可のない加盟店は、この分を許可業者に払います。リリーフの費用で計算すると、処分費を払ったうえで標準の月15件・都市部の月の利益は−36.9万円です(当サイトの試算)。
- 編集部の結論はこうです。「原価が低い」は、処分費を誰が払うかを書いていないときは信じないでください。 説明会では、処分の委託先と1件の処分費の実績を出してもらってください。
この業態の数字で分かる前提
1. 型が3つあり、標準の件数が違う
- 遺品整理・片付けは1軒に3〜6名で数時間かかり(リリーフの参考価格表)企業公表、1チームで1日1件が上限です。当サイトは標準を月15件にしました。便利屋はオーナーひとりで1日2件の月44件、出張買取はひとりで月75件の成約です。1件の売上は、遺品整理が175,911円、便利屋が13,637円、出張買取が23,273円です(どれも税抜・試算の代表値)。
2. 遺品整理は、許可の有無で採算の符号が変わる
- 許可業者に処分を頼むと、処分費は売上の48%です。許可を持ち東京23区の処理施設に運ぶなら、搬入手数料は1kg 17円50銭です行政資料。当サイトは1件2,000kgと置き、処分費を1件35,000円としました。重量の出典はなく、この値は編集部の仮定です。同じリリーフの費用でも、許可なしなら月−36.9万円、許可ありなら月37万円です(標準の件数・都市部の試算)。
3. 便利屋は、1件の単価で結論が変わる
- 本部が出す1件の売上は、お助け本舗の収益例が10,462円(税抜)、お助けマスターの収支モデルが26,364円です企業公表。約3倍違います。当サイトは間の1.5万円(税込)で計算しましたが、お助け本舗の単価に置くと、ひとりで生活費を賄うのに月54件が要ります(試算)。
決め手は3つだけ
1. 家庭ごみを、どの許可で運ぶか
- 家庭から出るごみ(一般廃棄物)を有料で運べるのは、市町村の許可業者と委託業者だけです行政資料。11本部のうち、加盟の条件に許可を置くのは片付け堂、加盟者に市町村ごとの許可を申請させる方針を書くのはエコスマイルでした企業公表。ほかの9本部は、加盟店が誰に処分を頼むのかを公開資料に書いていません。出したい市町村で、誰の許可の番号で運ぶのかを書面で確かめてください。
2. 店が残っているか
- 公式の店舗一覧を過去と突き合わせると、消えた店の割合は、リリーフ13.6%・片付け堂6.1%・お助け本舗13.8%・ファミリー4.2%でした編集部の集計(2026年10月11日)。どの本部も一覧は伸びています。出張買取MAXは8店から131店に急に増え、今の店の95%がこの2年半に載った店です。古い店がどれだけ残るかは、まだ分かりません。
3. 件数を自分で取れるか
| 本部 | 説明 |
|---|---|
| エコパートナーズ | エコパートナーズの収支モデルでは広告運用費が売上の16〜22%です企業公表。 |
| 片付け堂 | 本部の紹介に頼る本部は、紹介の手数料(リリーフ10%・片付け堂6%)がかかります。 |
依頼は「不用品回収+地名」の検索広告とポータルに集中し、無許可の業者と同じ広告枠で競います。出したい地域の過去1年の紹介件数を書面で出してもらってください。
市場・収益分析の要点と、店の推移の記録
03市場・収益分析
11社を同じ物差しで調べて分かったこと
照合の起点から現在までに一覧に新しく載った店と消えた店
公式の店舗一覧を、本部ごとに照合の起点と現在で店名・住所で突き合わせました(期間は本部ごとに違い、約2.6〜3年)。直近1年の区切りで店名を突き合わせて集計できた本部は、11本部中0本部です。そのため、この図は照合の起点から現在までの増減です(編集部の判断の「この1年」の表は、一部の本部について一覧を別に数えた値で、対象の本部数を表に書いています)。5社の中に、一覧に新しく載った店より一覧から消えた店が多い本部はありませんでした。
上:照合の起点から現在までで一覧の店が増えた本部/下:減った本部。括弧内は起点→終点の店舗数と、一覧に新しく載った店・消えた店の数です(起点+載った−消えた=終点)。一覧の動きで、実際の開店・閉店とは限りません。消えた店には移転・改名を含む場合があります。
黒字に必要な月の作業件数を、標準の水準に対する割合で比べる
本部ごとに標準の月の作業件数が違うため、黒字に必要な月の作業件数を標準の水準に対する割合に直して並べました。低い本部で60%、高い本部で180%です(都市部の家賃)。
低いほど、利用が集まらなくても赤字になりにくい(毎月の本部への支払いの総額を確認できた本部。参考扱いの8社は除く)
初期費用を取り戻すまでの期間(確認できる本部なし)
標準の月の作業件数・都市部の試算です。判定に使う回収の期限は5年で、図の縦線が期限です。毎月の本部への支払いの総額と初期費用を確認できた0社のうち、0社は期限内に初期費用を取り戻せません。本部への支払いが非公開・未確定などで参考扱いの8社は、この数に入れていません(本部ページに参考値)。
公表の初期費用に物件取得費が入っていない(入るか分からない)遺品整理のリリーフも、この図から外しました(物件取得費を足した回収の幅は本部ページに参考として載せています)。
短いほど早く回収できる(開業から6か月で月の作業件数が上がる前提)。確認できた0社をすべて表示。回収は、本部が公表した初期費用(判明分の合計・税抜)で計算しています。物件取得費・内装など開業支出の一部を含まない本部は、実際の回収はさらに延びます(立ち上がりの赤字は月別の試算に入れてあり、予備は回収の対象に入れません)
項目ごとの説明・宣伝文句の読み方・言いにくいこと
お金のほかに見る9つのこと
不用品回収・遺品整理は、人の家の物を捨て、売り、運ぶ仕事です。
捨て方を間違えると違法になり、売り方を間違えると盗品の疑いがかかり、遺品は捨てたら戻りません。だから、お金の試算とは別に、次の9つを本部ごとに見ました(全項目の決まりは評価ロジックに書いています)。
1. 一般廃棄物の許可:無許可の運搬は、加盟店の違法行為だから
- 環境省は「ご家庭の廃棄物を回収するには、市区町村の一般廃棄物処理業許可や委託が必要です。産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では回収できません」と書いています行政資料。罪を負うのは運んだ加盟店で、本部の看板では守られません。仙台市は家庭の臨時ごみの収集運搬について「新規の許可は行いません」と明記しています行政資料。加盟して看板を替えても、許可は下りないことがあります。
2. 古物商の許可:回収した物を売るなら要るから
- 回収した物を売る・買い取るには、古物商の許可と本人確認・帳簿が要ります。出張買取の本部は仕入れ(買取額)が売上の18〜32%です(本部の収支モデル)企業公表。許可の名義が加盟店か本部かを確かめてください。
3. 不法投棄:委託先が捨てれば、依頼した側にも及ぶから
- 無許可の業者に渡したごみが不法投棄されると、看板ごと信用を失います。11本部の名前で、2021年4月以降の廃棄物処理法違反の処分・摘発は見つかりませんでした(見つからないことは、無いことの証明ではありません)。
4. 作業後の追加請求:その場の契約が行政処分につながるから
- 不用品回収の消費者相談は2018年度1,354件から2021年度2,231件に増えました行政資料。「定額パックを申し込んだのに作業後に高額」が典型です。2026年6月には福岡県が不用品回収業者に業務停止3か月を命じました。契約書面を渡さず、クーリング・オフについて不実を告げたためです行政資料。本部が見積書の様式とクーリング・オフの説明を研修で渡すかを、判断票に入れました。
5. 遺品の扱い:捨てたら戻らないから
- 残すと約束したアルバムと電話機を処分された例があります(国民生活センター 2025年10月)行政資料。現金・通帳・権利証を見つけたときの手順と、誤って処分したときの補償を、契約前に書面で確かめてください。
6. 作業の安全:重い物と、孤独死の現場があるから
- 1件に作業員3〜6名がつく重量物の仕事で、特殊清掃では体液や害虫のある現場に入ります。賠償の保険を公開資料で確かめられたのは、リリーフ(最高1億円)・お助け本舗(年約7万円で最大1億円)・出張買取MAX(収支モデルに保険料)でした企業公表。
7. 広告への依存:仕事の入口を検索広告が握るから
- 上の「決め手」に書いたとおり、広告運用費は売上の16〜22%、紹介の手数料は6〜10%です企業公表。広告が止まれば件数も止まります。
8. 処分費の変動:自治体の手数料は上がる向きだから
- 東京23区の搬入手数料は2023年10月に1kg 15円50銭から17円50銭に上がりました行政資料。許可のない加盟店は、委託先の言い値に従うしかありません。
9. 表示の誠実さ:許可や店の数を広く見せる書き方があるから
- エコパートナーズは客向けに「一般廃棄物収集運搬業許可を有しております」とチェーン全体で書きますが、会社概要の許可番号に自治体名がありません企業公表。リリーフの募集ページの「オーナーの声」は、2024年11月の保存から「ダミーテキスト」のままです。
- 編集部の結論: 11本部の本部名・運営会社名・ブランド名で、2026年10月に消費者庁の特定商取引法の執行状況・福岡県の発表・報道を検索した範囲では、廃棄物処理法違反や特定商取引法の処分・判決・報道は見つかりませんでした。業態の追加の規則で判定を変えた本部はありません。「おすすめ」にする条件に、許可を加盟条件にするか許可業者への委託の型を公開資料で示すことを足しました。
- 満たすのは片付け堂とエコスマイルで、どちらもほかの規則で「様子見」です。
そのまま判断材料にしない宣伝文句
- 「投資回収約1.2か月」「回収平均4か月」。 お助け本舗とお助けマスターの数字で、生活費を引く前の利益で割っています企業公表。当サイトは生活費月25万円を引いた残りで数えます。
- 「年収1,000万円をわずか1年で達成」。 エコパートナーズの表示です。収支モデルに人件費と倉庫の費目がありません。
- 店舗数の表示。 お助け本舗のトップ「全国に300店舗」に対し、一覧は274店。ファミリーの本部原稿「FC125店舗と直営7店舗」に対し、一覧は103店。出張買取MAXの「加盟店42社 250名」に対し、一覧は131店です編集部の集計(2026年10月11日)。
- 「0円キャンペーン」。 出張買取MAXの「2026年6月末まで」の表示は、期限後の2026年10月11日も残っていました企業公表。
言いにくいこと
許可は、看板では買えません。 片付け堂の加盟条件は「許可を取得している法人」です。許可のない人がこの業態で稼ぐ道は、許可業者に処分を頼んで薄い利益に耐えるか、許可の要らない便利屋・買取の範囲にとどまるかです。売却案件を見ると、一般廃棄物の許可を書く不用品回収・遺品整理の会社の希望額は6,000万円・1億2,000万円・1億4,000万円でした編集部の集計(2026年10月11日)。許可を書かない便利屋の事業は数十万〜数百万円です。
便利屋の収益例には、処分費と車両の一部が入っていません。 お助け本舗の収益例は「不用品処分のお手伝い」月7件を売上に入れますが、処分費の費目がありません企業公表。
ひとりの商売は、腰を痛めると止まります。 大型家具をひとりで運べなければ、作業員を雇う分だけ利益が消えます。出張買取MAXで毎日1件つけると、標準の件数でも月17万円です(試算)。
承継・独立開業の説明
それでも不用品回収・遺品整理を始めたい人へ
「おすすめ」は0本部です。
全業態で同じ規則を当てた結果です。
- 「条件次第」は町の便利屋さんファミリー、便利屋!お助け本舗です。どちらも便利屋の型で、地方でひとりで作業し、1件の単価が1.5万円前後に届く場合に限ります。「おすすめしない」はなしです。残りの本部は、許可の扱い・初期費用の総額・本部費・加盟店の実績のどれかが確かめられず「様子見」にしています。どの本部でも、説明会では次の3つを書面で求めてください。出したい市町村でごみを運ぶ許可の名義と番号。
- 見積書・契約書の様式(追加料金の上限とクーリング・オフ)。ここ2年で閉めた加盟店の数です。