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パーソナルジム フランチャイズ

パーソナルジムフランチャイズの調査記録(全文)

パーソナルジムフランチャイズの比較で使った前提・市場の分析・項目ごとの説明を、省かずに載せます。結論と比較表はパーソナルジムフランチャイズ比較にあります。

前提の説明と試算の記録

売りに出ている店で観察された売上は、本部の試算よりずっと低い

収支の試算では、本部も当サイトも「予約が6割(62%)埋まる」前提を置きがちです。

当サイトの26社の試算では、62%なら1店の年商の中央値は1,542万円、40%なら995万円です(税抜)。

  • 一方、事業承継サイトで売りに出ているパーソナルジムの案件386件では、1店あたりの年商の中央値は1,080万円でした。金額としては、予約が40%埋まった場合の試算とほぼ同じです。ただしこれは稼働率を測った数字ではなく、店の大きさや人数が違う店も混ざった、売りに出ている店で観察された中央値です。だから、「売りに出ている店には、62%の試算より売上の低い店が多い」と読むのが正確です。
  • 売りに出ている店の7割は、62%の前提の売上に届いていません。
  • 売りに出ている店が、業界全体の平均だとは言えません。本文に書かれた売る理由は「本業に集中したい」が中心で、業績不振を挙げた店は1件だけでした。ただ、理由は売り手の自己申告で、不振は少なめに書かれやすいものです。少なくとも、62%を当たり前と考えるのは危険です。
  • だからこの記事では、予約が40%埋まる「低い場合」と、62%埋まる「比べるための場合」の両方で判断します。62%は広告会社の支援先14店の平均で、ここまで埋まる確率は分かっていません。

決め手は3つだけ

1. 1時間いくらで売れるか

  • パーソナルジムの利益は、ほぼこれで決まります。家賃とトレーナー代は、どの本部でも同じくらいかかるからです。
  • 1時間12,000円前後で売れる本部なら、予約が2割埋まれば黒字になります。5,000円台の本部は、人を雇うとほぼ黒字になりません。同じパーソナルジムでも、別の商売だと思ってください。
本部説明
HPERHPERは1回60分と仮定すると、全部埋まっても赤字です(当サイトの参考の試算。30分なら別)。
ELEMENTELEMENTやWITHは1時間約6,400円で、62%埋まっても、税抜の試算では月約8万円の赤字です。
LUAANA GYM人を雇う型だと、LUAANA GYMは予約が9割以上埋まらないと黒字になりません。

都市部で人を雇うなら、7,000円が分かれ目です。LUAANA GYMとHPERは約5,400〜5,500円です。ただし本部の公開例には、月給25万円の社員1人で月約25.7万円の利益が出ている店があります。

社員1人が月に約155回教えている計算です。

  • ロイヤリティの率を比べる人が多いですが、それより先にこの数字を見てください。

2. 自分が店に立つなら、月に何時間教えられるか

  • 自分がトレーナーとして店に立つなら、それは事業というより「独立」です。比べる相手は、業務委託のトレーナーとして同じ時間働く場合です(1時間3,000円で計算)。
  • HPERは、1回約5,400円と安い分を、長い時間で取り返す型です。 本部が公開した既存店は、オーナー1人で月商約133万円でした。1回60分なら月に約248回で、1日8回をほぼ毎日です。
月に教える時間150時間200時間240時間
業務委託との差(家賃11万円)月7万円少ない月1.5万円多い月8万円多い
業務委託との差(家賃22万円)月18万円少ない月9.5万円少ない月3万円少ない

税抜の試算です(1回60分・1回約4,900円〈税込5,363円〉、ロイヤリティ10万円〈税別〉・広告10.5万円・諸経費1万円・決済手数料3.6%。業務委託は1時間3,000円)。

1日6回・月25日(150時間)なら、業務委託で働くより損です。HPERで独立する意味があるのは、1日8回以上を続けられて、家賃を11万円前後に抑えられる人です。1回の時間は公開されていません。30分なら話はまったく変わるので、説明会で最初に聞いてください。

プリッツジムは、1枠に何人入るかで決まる型です。 1対3までの少人数制で、1人1回約3,150円(税込)です。本部が公開した加盟店は、開業17か月目で月商97.7万円(税別の掲載)でした企業公表。

  • 1枠に平均2人なら、1時間の売上は6,873円(税抜)で、この月商は月約142時間で出せます。地方の家賃なら、同じ時間を業務委託(1時間3,000円)で働くより月約22万円多く残ります(税抜の試算。以下同じ)。
  • 1枠の平均が1.5人に下がると、1時間の売上は5,155円になり、同じ月商に約190時間かかります。1人の上限の月150時間を超え、業務委託との差は月約8万円に縮みます。
  • 都市部の家賃だと、2人平均でも差は月約10万円まで減ります。

どちらの本部も、当サイトの前提(業務委託に1時間3,000円)で人に教えてもらうと、利益はほとんど残りません。オーナー自身が教える分が、利益のほとんどだからです。上に書いたHPERの社員1人の例は1店だけで、ほかの店でも同じになるかは分かりません。これが、トレーナーではない個人に今は勧められる本部がない理由です。

3. 去年、一覧に何店載って、何店消えたか

「店舗数No.1」「全国180店舗」は、過去に積み上げた数字です。今その本部の店が増えているかは、公式の店舗一覧にこの1年で新しく載った店と、消えた店を見れば分かります(消えた店には移転・改名も含みます)。

  • たとえばかたぎり塾は、店舗数では最大手です。でもこの1年で一覧に新しく載ったのは9店で、消えたのは29店でした。編集部が調べた3年間で、初めて縮小に転じています。
  • BEYONDは、1年に新しく載る店が51店、28店、11店と減ってきました。逆にReViNaは17店、43店、54店と加速しています。

市場・収益分析の要点と、店の推移の記録

03市場・収益分析

26社を同じ物差しで調べて分かったこと

1

直近1年で、一覧に新しく載った店より消えた店が多い本部がある

公式の店舗一覧の直近1年分(区間が9〜15か月の本部)を店名で突き合わせました。直近1年の集計は22本部のみ済みです。一覧に新しく載った店より、一覧から消えた店が多い本部が2社ありました。かたぎり塾は一覧に新しく載った店9店・一覧から消えた店29店です。2本部(カロリートレードジャパン・パーソナルトレーニングジムWITH)は、取得できた最新の区間が1年でない(9か月未満か15か月超)ため除外しました。

ReViNa+53店(69→122店・載54・消1)
THE PERSONAL GYM+24店(34→58店・載24・消0)
HPER+18店(55→73店・載18・消0)
ELEMENT+17店(41→58店・載18・消1)
かたぎり塾−20店(339→319店・載9・消29)
ダイエットパートナー−2店(18→16店・載0・消2)

上:直近1年で一覧の店が増えた本部/下:減った本部。括弧内は起点→終点の店舗数と、一覧に新しく載った店・消えた店の数です(起点+載った−消えた=終点)。一覧の動きで、実際の開店・閉店とは限りません。消えた店には移転・改名を含む場合があります。3年前にあった店がどれだけ残っているかは、市場・収益分析にあります。

2

黒字になる稼働率は、本部によって2倍以上違う

同じ式で試算すると、黒字になる稼働率は低い本部で24%、高い本部で54%です。2社は稼働率100%でも黒字になりません。

Zilch24%(業務委託トレーナー2人)
eviGym50%(業務委託トレーナー2人)
Emiry&Co.54%(業務委託トレーナー2人)

低いほど、予約が少なくても赤字になりにくい(都市部・税抜の試算。雇用条件は本部ごとに違い、各本部の試算の前提は本部ページにあります。毎月の本部への支払いの総額と主要な入力を確認できた本部だけで、参考扱いの21社は除く)

3

初期費用を取り戻すまでの期間は、1年5か月から5年超まで開く

稼働率62%・都市部の試算です。判定に使う回収の期限は5年で、図の縦線が期限です。毎月の本部への支払いの総額と初期費用を確認できた2社のうち、1社は期限内に初期費用を取り戻せません。本部への支払いが非公開・未確定などで参考扱いの21社は、この数に入れていません(本部ページに参考値)。

公表の初期費用に物件取得費が入っていない(入るか分からない)LUAANA GYM・eviGym・Emiry&Co.も、この図から外しました(物件取得費を足した回収の幅は本部ページに参考として載せています)。

Zilch1年5か月

短いほど早く回収できる(開業から6か月で稼働率が上がる前提)。確認できた2社をすべて表示。回収は、本部が公表した初期費用(判明分の合計・税抜)で計算しています。物件取得費・内装など開業支出の一部を含まない本部は、実際の回収はさらに延びます(立ち上がりの赤字は月別の試算に入れてあり、予備は回収の対象に入れません)

市場・収益分析レポート26社の店舗数の増減・損益分岐・回収期間・本部の体制をすべて見る(約10分)

項目ごとの説明・宣伝文句の読み方・言いにくいこと

お金のほかに見る4つのこと

パーソナルジムは、体に負荷をかける仕事で、料金を前に受け取る仕事です。

お客さんがけがをしたり、前払いのお金が戻らなかったりすると、責任を負うのは本部ではなく、店を運営する加盟店です。だから、お金の試算とは別に、次の4つを本部ごとに見ました(全項目の決まりは評価ロジックに書いています)。

1. けがを防ぐ体制:事故は増えていて、国が動き始めたから

  • 消費者安全調査委員会は2026年5月、パーソナルトレーニング中の事故が2019〜2025年の7年間で196件あり、増えていると報告しました。約4割は治療に1か月以上かかっています。トレーナーの4割超が負荷をかけすぎた経験があり、1割は安全管理を学んでいませんでした行政資料。報告書は、トレーナーに求める能力の整理と、事故を防ぐ手順づくりを国に求めています。
  • トレーナーには国家資格がありません。だから、本部の研修の量と中身が、そのまま店の安全の水準になります。研修の日数か時間まで公開していたのは、プリッツジム(約2週間)、TOKIEL(実店舗で約200時間)、Forza(座学15時間など)、カロリートレードジャパンとGYM FIELD(7日間)、FLATTE(1日4時間×18〜22日、業界誌)でした企業公表。ほかの本部は「研修あり」までで、日数が分かりません。

2. 前払いのお金:法律の守りが薄い分、店の規約が問われるから

  • パーソナルトレーニングは、エステや学習塾と違い、特定商取引法の「特定継続的役務」に入っていません。クーリングオフや中途解約の上限の決まりがないということです。それでも、消費者契約法で、平均的な損害を超えて「返金しない」条項は無効になりえます。東京都の消費者被害救済委員会は2023年、約30万円のコースを「返金できない」とした店に、返金が必要だと判断しました。
  • あわせて国に、特定継続的役務への追加とトレーナーの公的資格を求めています行政資料。
  • 前払いの大きい本部ほど、この影響を受けます。
  • 1回で払う額の最大は、GYM FIELD(KOHRIMAN)の12か月プラン98万円、THE PERSONAL GYMの6か月コース72万円、Zilchの47.5万円、BEYONDの43.6万円、WITHの12か月一括41.3万円などです企業公表。
  • BEYONDは「ご契約、お支払い後の返金は原則受け付けておりません」、eviGymは「一旦決済した利用料は、返還できません」と書いています企業公表。
  • この条項は、途中でやめた会員と争いになったとき、そのままは通らない可能性が高いです。
  • 返金を求められるのは店です。
  • もし将来、特定継続的役務に追加されれば、2か月を超え5万円を超えるコースには、書面とクーリングオフの手当てが要ります。

一方、プリッツジム(主力は月額で縛りなし)、かたぎり塾(違約金なし)など、月額制が中心の本部は、この点の負担が小さいです。

3. 事故のときの保険:誰が、いくらまで払うか分からないから

けがの賠償は、まず店を運営する加盟店に来ます。今回、初期費用に保険費用(5万円)を入れていたのはBASISだけでした企業公表。ほかの25本部は、加盟店が入るべき賠償責任保険と補償額を公開していません。全本部の判断票の「まだ分からないこと」に入れました。

4. 表示:「返金保証」「期間限定」は、景品表示法の対象だから

  • かたぎり塾は、期間限定の値引き表示をめぐり、消費者庁の確約計画の認定を受けています(違反を認定したものではありません)。本部が作る広告で問題が起きても、店の評判も一緒に傷みます。
  • 編集部の結論: 26本部の名前で、利用者の事故の判決や行政処分は見つかりませんでした。この4つで判定を変えた本部はありません。ただ「おすすめ」の条件に、研修の量が公開されていることと、会員の解約の決まりで前払いを一律に返さないと書いていないことを足しました。プリッツジムは両方を満たします(判定は店舗の照合の期間が短いため条件次第)。前払いの大きいコースを売る本部では、会員の解約規約を契約前に見せてもらってください。

そのまま判断材料にしない宣伝文句

  • 加盟金0円のキャンペーン。 加盟金は一度きりですが、ロイヤリティは毎月かかります。「今だけ0円」の後の条件が書面で出ない本部は、比べようがありません。
  • 「閉店ゼロ」「撤退率0%」。 一覧と突き合わせると、合わない本部がいくつもありました。HPER、ティーバランス、かたぎり塾がそうです。注記を読むと、契約満了後の閉店を数えていない本部もあります。
  • 創業者のテレビ出演やSNSのフォロワー数。 ShapesGirlはテレビ露出が多いのに、3年間新しい店が1つも出ていません。ティーバランスはSNSが26社で一番強いのに、人を雇う店は稼働率8割でも当サイトの試算で赤字です。
  • 本部が見せる最高の月の利益。 BEYONDの「月600万円」も、THE PERSONAL GYMの「月商1,000万円」も、1店の一番良い時期の数字です。
  • 「残り2社」「先着5社」「今だけ」。 26社の募集ページを過去にさかのぼると、こうした限定表示は1〜2年続くのが普通でした。THE PERSONAL GYMの「残り2社」は8か月同じ文言です。Zilchの加盟金割引は約2年半続いています。
  • 募集ページに書かれた店舗数。 伸びている本部は古い少なめの数字のまま、縮んでいる本部は多めの数字のままでした。ダイエットパートナーは実際の店が16店になるまで「45店舗展開」と書き続け、今年10月に表記ごと消しました。店舗数は、公式の店舗一覧で数えてください。

言いにくいこと

最大手のかたぎり塾は、今は避けます。 店が減り始めています。本部は2025年5月期に1億円の赤字でした。景品表示法では、消費者庁の確約計画の認定を受けています(違反を認定したものではありません)。加盟金もロイヤリティも公開されていません。

運営を任せる型は、本部の体制を必ず確かめてください。 ReViNa(店舗一覧は122店)もWELL-FIT(52店)も、運営代行を何人で担当しているかを公開していません。任せる型では、本部の運営力がそのまま加盟店の売上です。担当者の人数、1人が受け持つ店の数、訪問の頻度、欠員が出たときの代わりを、契約前に必ず聞いてください。

  • 26社のうち23社は、加盟店として勝てる証拠がまだありません。 様子見(16社)とおすすめしない(7社)を合わせた数です。伸びている本部でも、伸びているのは直営店のことが多いです。加盟店の売上を出していない本部は、出してもらうまで判断を保留してください。
  • 本部の言う利益と回収期間は、後から変わっています。 26社の募集ページを約190時点さかのぼると、利益の例は後から下がり、回収期間は後から延びた例が目立ちました。BEYONDの営業利益の例は800万円から600万円へ。ReViNaの平均回収は6か月から1年、そして1年半〜2年へ。表示の変更は、プランや対象店の変更、表現の見直しでも起きます。ただ、過去の数字では契約できません。変わった理由と、今の数字の前提を本部に聞いてください。
  • 8社は、毎月いくら払うのかを売上に対する額で確かめられません。 BEYOND、かたぎり塾、TOKIEL、NEXUS、THE PERSONAL GYM、WELL-FIT、Forzaの7社は公開していません。cortisは「純利益の10%」とだけ書き、純利益の定義が分からないため売上比に直せません。この8社の損益分岐と回収期間は、計算できません(試算は売上の10%で仮置きした参考値です)。8社とも、「おすすめ」にはしていません。
  • 「副業でできる」は、3つの段階に分けて読んでください。 1つ目は、運営のしかたとして副業に対応していること。ReViNaの運営代行や、人に任せる型がそうです。2つ目は、副業で調べる候補であること。ReViNa・FLATTE・HPERは、副業オーナーの事例を出しています。3つ目は、副業で利益が残ると確かめられたこと。ここまで確かめられた本部は、26社に1つもありません。人に任せた後の利益と、オーナーの作業時間が書面で出ないからです。