条件から候補を絞る

24時間ジム フランチャイズ

24時間ジムフランチャイズの調査記録(全文)

24時間ジムフランチャイズの比較で使った前提・市場の分析・項目ごとの説明を、省かずに載せます。結論と比較表は24時間ジムフランチャイズ比較にあります。

前提の説明と試算の記録

売りに出ている店は、本部の想定より会員が少ない

当サイトの試算では、中価格の店は会員650人を「中位」に置いています。

本部の損益分岐の目安も500人前後です。

  • 一方、事業承継サイトで売りに出ている24時間ジムの単店(1店だけの案件)で、会員数が書かれていたのは32件です。会員数の中央値は335人でした。650人以上は7件だけです。年商の中央値は1,380万円(33件)でした編集部の集計。
  • 売りに出ている店には、本部のない小さな独立店も多く入っています。業界の平均ではありません。ただ、24時間ジムは「開ければ数百人が入る」商売ではありません。会員数の見込みには、近くの既存店の実数という根拠が要ります。
  • そして、単店の希望価格の中央値は1,500万円でした。24時間ジムの84件のうち単店は68件で、希望価格が書かれた65件の中央値です(2026年10月6日の集計)。成約した額ではありません。初期費用は3,000万〜1億円です。売りに出ている単店の希望価格は、新しく開く費用を大きく下回ります。 店を売れば初期費用が戻る、という前提は置かないでください。

決め手は3つだけ

1. 物件の家賃と、そこに何人の会員がつくか

  • 24時間ジムの利益は、ほぼこの2つで決まります。家賃・マシン・光熱費が重く、会員1人の会費は小さいからです。
  • 同じ本部でも、家賃で結果が逆になります。当サイトの試算では、中位の会員数で都市部の家賃(坪1.8万円)だと、本部費と主要な入力を確認できた4本部のうち4本部が10年で初期費用を取り戻せません(本部費を仮置きした参考を含む9本部では8本部)。地方の家賃(坪9,000円)なら、本部費を確認できた4本部のうち4本部が10年以内に回収できます(参考を含む9本部では8本部)。
本部会員数都市部の回収地方の回収
エニタイム(参考)650人10年で戻らない(都市部・人を雇う・参考)78か月(地方・人を雇う・参考)
ワールドプラスジム691人10年で戻らない53か月(地方・人を雇う・参考)
スマートフィット100650人10年で戻らない62か月(地方・人を雇う)

エニタイムの数字は、本部への支払いを決算からの推計(月約42万円)で置いた参考値です。損益分岐の都市部560人・地方405人も同じく参考です。

会員が少ない側に振れると、地方でも厳しくなります。エニタイムは500人なら、地方でも10年で戻りません(参考)。ワールドプラスジムは、公開した加盟店で最少の602人なら、地方で77か月です。

  • だから最初にやることは、物件の坪あたりの家賃を決めることです。そのうえで、近くの既存店の会員数を本部に出してもらってください。

2. 本部に毎月いくら払う形か

  • 本部への支払いは、定額型と売上の何%型に分かれます。定額型は、会員が増えた分がそのまま残ります。
  • 中位の会員数で比べると、本部への支払いはワールドプラスジムが売上の約8.5%、スマートフィット100が約9.5%です(当サイトの試算)。
  • FIT PLACE24は、第三者サイトの値で売上の10%+広告3%(計13%)です。

エニタイムは、公表の固定ロイヤリティが月9万円です。これに、金額が公開されていないシステム費や販促協力金が加わります。決算のロイヤリティ等収入をFC店の数で割ると、1店あたり月約42万円でした(全店平均の推計で、売上の約9.2%も参考値)。

chocoZAPは、売上の15%+月31万円です。本部自身の収支モデルでは、決済などの手数料を含めて売上の約36%でした。

  • chocoZAPは費用をすべて公開している、数少ない本部です。それでも、都市部の家賃で会員800人だと、月の利益は約2万円です(当サイトの試算)。中身が見えることと、儲かることは別です。

3. この1年で、一覧に何店載り、何店消えたか(参考)

  • 「全国○店舗」は、過去に積み上げた数字です。今どう動いているかは、この1年の一覧の動きで分かります。一覧から消えた店には、移転や改称も含みます。
  • この表は、13本部のうち2025年秋と2026年10月の一覧を本部ごとに数えた8本部の値です(残る5本部はこの区間の一覧を取れていません)。店名・住所を1店ずつ記録する照合(業態ページの店舗の図と本部ページの「照合の区間」)には入れていない、精度の低い参考値です。そのため業態ページの「直近1年」の集計(9〜15か月の区間を店ごとに記録した本部だけを数える)は0本部のままで、この表の数は使っていません。
本部2025年秋→2026年10月一覧から消えた店
LifeFit210店→497店1
フィットイージー232店→325店1
FIT PLACE24164店→244店1(改称の可能性)
ECOFIT2436店→76店0
FIT365129店→148店2
スマートフィット10053店→57店0
ワールドプラスジム160店→161店4
JOYFIT24202店→196店6

ECOFIT24の起点は、店名を取れた36店です。開業前の店も一覧に含みます。

伸びているのは、法人限定の本部と低価格の本部です。LifeFitは、今の店の半分以上がこの1年に一覧に載った店です。ここまで新しいと、店が続くかはまだ判断できません。

  • ワールドプラスジムは、5店が新しく載り、4店が消えました。店の数は、ほぼ止まっています。JOYFIT24は、この1年に新しく載った店がありません。
  • この表は、期間の初めと終わりの一覧を比べた数です。期間の途中で載って、すぐ消えた店は数えていません。

市場・収益分析の要点と、店の推移の記録

03市場・収益分析

13社を同じ物差しで調べて分かったこと

1

照合の起点から現在までで、一覧に新しく載った店より消えた店が多い本部がある

公式の店舗一覧を、本部ごとに照合の起点と現在で店名・住所で突き合わせました(期間は本部ごとに違い、約2〜3.7年)。直近1年の区切りで店名を突き合わせて集計できた本部は、13本部中0本部です。そのため、この図は照合の起点から現在までの増減です(編集部の判断の「この1年」の表は、一部の本部について一覧を別に数えた値で、対象の本部数を表に書いています)。一覧に新しく載った店より、一覧から消えた店が多い本部が2社ありました。

FASTGYM24は一覧に新しく載った店2店・一覧から消えた店28店です。chocoZAP・エニタイムフィットネスは店舗単位の照合が未実施(総数はIR等で確認)のため含みません。

LifeFit+458店(39→497店・載461・消3)
FIT PLACE24+170店(74→244店・載170・消0)
フィットイージー+142店(183→325店・載144・消2)
ECOFIT24+65店(11→76店・載65・消0)
FASTGYM24−26店(111→85店・載2・消28)
JOYFIT24−11店(207→196店・載10・消21)

上:照合の起点から現在までで一覧の店が増えた本部/下:減った本部。括弧内は起点→終点の店舗数と、一覧に新しく載った店・消えた店の数です(起点+載った−消えた=終点)。一覧の動きで、実際の開店・閉店とは限りません。消えた店には移転・改名を含む場合があります。

2

黒字に必要な会員数を、標準の水準に対する割合で比べる

本部ごとに標準の会員数が違うため、黒字に必要な会員数を標準の水準に対する割合に直して並べました。低い本部で94%、高い本部で106%です(都市部の家賃)。

chocoZAP98%(785人)
HYPER FIT24102%(660人)
ECOFIT24106%(605人)

低いほど、利用が集まらなくても赤字になりにくい(毎月の本部への支払いの総額を確認できた本部。参考扱いの9社は除く)

3

初期費用を取り戻すまでの期間(確認できる本部なし)

標準の会員数・都市部の試算です。判定に使う回収の期限は10年(おすすめ・条件次第は84か月以内)で、図の縦線が期限です。毎月の本部への支払いの総額と初期費用を確認できた0社のうち、0社は期限内に初期費用を取り戻せません。本部への支払いが非公開・未確定などで参考扱いの9社は、この数に入れていません(本部ページに参考値)。

公表の初期費用に物件取得費が入っていない(入るか分からない)chocoZAP・ECOFIT24・スマートフィット100・HYPER FIT24も、この図から外しました(物件取得費を足した回収の幅は本部ページに参考として載せています)。

短いほど早く回収できる(開業から6か月で会員数が上がる前提)。確認できた0社をすべて表示。回収は、本部が公表した初期費用(判明分の合計・税抜)で計算しています。物件取得費・内装など開業支出の一部を含まない本部は、実際の回収はさらに延びます(立ち上がりの赤字は月別の試算に入れてあり、予備は回収の対象に入れません)

市場・収益分析レポート13社の店舗数の増減・損益分岐・回収期間・本部の体制をすべて見る(約10分)

項目ごとの説明・宣伝文句の読み方・言いにくいこと

お金のほかに見る3つのこと

24時間ジムは、人のいない時間に、お客さんが一人で重いものを扱う商売です。

会員は毎月の会費で長く払い続けます。だから、お金の試算とは別に、無人の時間の安全、会員規約と退会、設備の入れ替えの3つを本部ごとに見ました(全項目の決まりは評価ロジックに書いています)。

1. 無人の時間の安全:倒れた人に、誰が何分で気づくか

  • 2021年6月、熊本市の24時間ジムで、従業員のいない夜の時間に、18歳の男性がベンチプレスのバーベルに首を挟まれ、一時意識不明になりました。気づいたのは別の客で、約5分後でした(熊本日日新聞の報道)。店に従業員がいれば防げたとは限りません。ただ、無人の時間に事故が起きれば、店の責任が問われ、看板の評判にも響きます。
  • 13本部の公式サイトで、無人の時間の備えを確かめました。
備え本部
警備会社につながる非常ボタンを公式に書いているエニタイム(AEDも全店)、スマートフィット100、フィットイージー、HYPER FIT24(AEDも)、ワールドプラスジム、ECOFIT24、FASTGYM24(AEDも)
警備会社との連動とAEDを書いているが、非常ボタンは確かめられないJOYFIT24
カメラ・施錠の説明だけで、非常ボタンの記載を確かめられないchocoZAP(AIカメラ。FAQに緊急時は内側から解錠)
公式サイトで確かめられないLifeFit、MIRA fitness、FIT365、FIT PLACE24(第三者のレビューにはAED・警備の記載)

ほとんどが公式の検索結果の抜粋で、本文まで開いて確かめたのはスマートフィット100とchocoZAPです。非常ボタンは、押せる人がいて初めて役に立ちます。バーベルに挟まれた本人は押せません。

安全バーを使わせる掲示、カメラで倒れた人を見つける仕組み、駆けつけまでの時間を、本部に聞いてください。

2. 会員規約と退会:本部の規約の不満は、店に来るから

  • 会員規約は本部が作り、会員の不満は店が受けます。この点は下の「言いにくいこと」に書いたとおり、5本部が消費者団体の申入れか訴訟を受けています。FIT365の訴訟は、2026年9月に和解の方向になりました(判決ではありません)行政資料。スマートフィット100も、退会は原則として店頭での手続きです(セキュリティキーの返却のため。やむを得ない場合は電話で相談)企業公表。来店を求める退会は、ほかの本部で消費者団体が問題にした点です。
  • 加盟前に、退会の手続きを店でどう扱うかを確かめてください。

3. 設備の入れ替え:回収が7年を超えると、先にマシンの入れ替えが来るから

  • この業態の回収の期限は10年です。ただ、マシンは永遠には使えません。chocoZAPは契約7年ごとに設備を入れ替え、費用は加盟店が負担すると書いています企業公表。マシン代は、標準の店で1,200万〜2,750万円です(当サイトの試算の入力)。当サイトの試算は、この入れ替えの費用を入れていません。
  • だから、回収が7年(84か月)編集部判断を超える試算は、入れ替えの前に初期費用が戻らないと考えます。今の「おすすめ」「条件次第」の本部は、勧める条件での回収がすべて84か月以内編集部判断でした。契約期間は5〜7年の本部が多く、回収より短い本部では、更新の条件(更新料、設備の入れ替えの義務)が結果を左右します。
  • 編集部の結論: 安全・規約・設備の3つで、判定を変えた本部はありません。ただ「おすすめ」の条件に、無人の時間に警備会社につながる非常ボタンを公式に書いていること、消費者団体の申入れに規約の改訂を断っていないこと、回収が84か月以内編集部判断であることを足しました。スマートフィット100は3つとも満たします。

そのまま判断材料にしない宣伝文句

  • 「撤退ゼロ」「脱退ゼロ」。 ECOFIT24は「撤退店舗数ゼロ」を、2026年10月に「保証するものではありません」という注記に変えました。ワールドプラスジムは「3年以上脱退ゼロ」を外し、「継続率89%」に変えました。その4か月後には「90%」になり、数え方の定義も変わっています。
  • 定義のない「11年以上撤退ゼロ」。 FIT365は、この表記を2024年以降に注記なしで足しました。公式の一覧からは、3年で起点の96店のうち4店、途中で載った店を含めると5店が消えています。
  • 「最短3年で回収」「最短1年で回収」。 最短は平均ではありません。エニタイムは2024年4月から「最短3年」を載せています。当サイトの参考の試算は、上の表のとおり都市部では10年で戻りません。
  • 募集ページの店舗数。 HYPER FIT24は「直営・FC60店舗」を2022年から掲げ続けています。公式の一覧が60店に届いたことは、一度もありません。FASTGYM24の「直営90・FC3」も、今の一覧の85店と合いません。
  • 初期費用の「〜万円から」。 表示額は上がる一方でした。ECOFIT24の60坪は、1年半で2,000万円から3,000万円になりました。ワールドプラスジムも6,300万円から6,700万円です。下がった本部はありません。
  • 会員数の多さ。 chocoZAPは自社ページの会員数を「135万人」から「116.1万人」に下げています。一方で「会員数日本1位(2023年11月調べ)」は古い調査のまま残っています。

表示が変わる理由は、業績だけではありません。プランや対象店の変更、表現の見直しでも変わります。どの場合も、過去の数字では契約できません。変わった理由と今の数字を、本部に書面で聞いてください。


言いにくいこと

本部が決める会員規約のトラブルは、加盟店にも来ます。 会員規約で、適格消費者団体の申入れや訴訟を受けた本部は5本部です。エニタイム、chocoZAP、フィットイージー、FIT PLACE24、FIT365です。中身はどこも同じです。来店しないと退会できない、閉店しても会費を減らさない、といった条項です。

  • 対応は本部で分かれました。FIT PLACE24やフィットイージーは、規約を直しました。エニタイムは、2025年の申入れで条項の改訂を断っています。FIT365の本部は、申入れに何年も回答せず、2025年に差止めの訴訟を起こされました(係属中)。会員の不満の窓口は、毎日店に立つ加盟店です。
  • FIT365は、判定を「条件次第」から「様子見」に下げます。 初期費用もロイヤリティも公開していません。そのうえ、消費者団体に無回答のまま訴訟になる本部です。加盟店の立場で、説明を待つ理由が増えました。
  • chocoZAPは、2024年に消費者庁から措置命令を受けています。 景品表示法の、優良誤認とステルスマーケティングです。看板を借りる商売では、本部の不祥事がそのまま店の集客に響きます。
  • 伸びている本部の多くは、まだ判断材料がありません。 LifeFit、ECOFIT24、FIT PLACE24は、店の大半がこの2年以内に一覧に載った店です。今は「消えた店ゼロ」でも、続くかはこれから分かります。
  • 多店舗の会社の買収額は、単店の売値とは別物です。 エニタイムの本部は2025年11月、7店を運営する加盟企業の株式を11.32億円で取得しました。単純に割ると1店あたり約1.62億円です。ただしこれは、会社の現預金・借入・利益の水準を含む株式の値で、1店の売値ではありません。好調な多店舗の会社が買われた事例の一つで、上の単店の希望価格とは比べる条件がそろっていません。
  • 5本部は、毎月いくら払うのかを外から確かめられません。 FIT365、JOYFIT24、FASTGYM24、MIRA fitnessの4本部は公開しておらず、フィットイージーは機密保持契約を結ぶまで出しません。この5本部は、回収期間を外から計算できません。
  • 毎月の合計が確かめられない本部は、「おすすめ」にしていません。 エニタイムは月9万円以外の金額が出ておらず、回収期間は決算からの推計を使った参考値です。ワールドプラスジムは、月約35万円が第三者サイトの値しかありません。どちらも強みはありますが、「条件次第」です。FIT PLACE24も、第三者サイトの売上の13%で置いた試算で「条件次第」です。