脱毛サロン フランチャイズ
脱毛サロンフランチャイズの調査記録(全文)
脱毛サロンフランチャイズの比較で使った前提・市場の分析・項目ごとの説明を、省かずに載せます。結論と比較表は脱毛サロンフランチャイズ比較にあります。
前提の説明と試算の記録
この業態の数字で分かる前提
前払いのコース販売は、本部が倒れると客の返金問題になる
脱毛サロンの大手は、この4年で次々に破産しました。
ミュゼプラチナムの旧運営会社は負債260億円で、債権者は未施術の客を含め約124万人です。銀座カラー、C3、脱毛ラボも破産しています。
- 帝国データバンクは、前受けしたコース代を広告に回し、新規契約が減って回らなくなった事業者が多いと書いています。いま加盟店を募る本部の多くは、都度払いか月額制を前に出しています。前受金を抱えない売り方は、この業界では安全側の選択です。
- エステの脱毛は、1か月超・5万円超の契約なら特定商取引法の「特定継続的役務」です。クーリング・オフと中途解約の上限があります。一方で、前受金の保全そのものは義務ではありません。
医療脱毛とは、できることが違う
- 毛根を壊す脱毛は医業で、医師でない人が業として行えば医師法違反です。厚生労働省は2025年8月の通知でも、これを改めて示しました。エステの脱毛は「永久脱毛」と言えず、効果の打ち出し方に限りがあります。
無人のセルフ脱毛は、特定商取引法の「特定継続的役務」に当たらないとされる
- 国民生活センターは、客が自分で機器を使うセルフエステは、一般に特定商取引法の「特定継続的役務」の対象外と解されると説明しています。つまり、エステのコース契約にあるクーリング・オフや中途解約の上限のルールは、そのままでは当てはまらないと考えられています。
- ほかの法律の外にあるわけではありません。毛根を壊す行為は誰がしても医師法の問題になりえますし、広告は景品表示法、客との契約は消費者契約法の対象です。業界団体は、会員にセルフ脱毛を行わないよう求めています。やけどなどの相談も記録されています。どこまでが規制の対象かは、契約の形や機器の使い方で変わります。加盟前に、本部の利用規約・同意書と、事故のときの補償を書面で確かめ、必要なら弁護士など専門家に確認してください。
- 市場は縮んでいます。サロン脱毛の市場は2022年の1,790億円から、960億円まで減りました。伸びたのは男性客で、減ったのは女性客です。
決め手は3つだけ
1. 誰が施術するか
- 脱毛サロンの利益は、ほぼこれで決まります。有人の店は、施術者1人の給与(月約29.5万円で計算)が一番重い費用だからです。
- 人を雇うと、本部費と主要な入力を確認できた有人型5本部のうち5本部が、売上が少ない水準(有人型は月商53万円〜60万円・税抜)の都市部で赤字です(参考を含む有人型10本部では10本部)(当サイトの税抜の試算)。
- 自分が施術するなら、話は変わります。メンズ脱毛JAPANなら、月商55万円(税抜)の都市部でも、自分の給与分を含めて月約24.2万円がオーナーの手元に残る計算です(施術者を雇うと月−5万円)。有人の脱毛サロンは、事業というより「独立」だと考えてください。
2. 1室で月にいくら売れるか
- 無人のセルフ脱毛は、人件費がない代わりに売上が小さい商売です。当サイトの税抜の試算では、都市部で黒字になるのに必要な月の利用者は35人〜120人です。
- 事業承継サイトで売りに出ているセルフ脱毛の店のうち、月商が分かった1店の案件は12件でした。その中央値は約25万円です編集部の集計。試算の「売上が少ない場合」(無人のセルフ型で月27万円〜29万円・税抜)より低い数字です。
- これは稼働率を測った数字ではなく、売りに出ている店で観察された数字です。売りに出ている店が、業界の平均だとは言えません。ただ、加盟店の売却案件には、年商81万円の店や、年330万円で営業赤字260万円の店も出ています。「無人で手間なく月50万円」を前提にしないでください。
- 一方、メンズ脱毛の1店の案件14件は、月商の中央値が約79万円でした。オーナーが施術する店が多く、利益が書かれた7件はすべて黒字でした。
3. この1年で、一覧に何店載り、何店消えたか
- 「店舗数日本一」「全国100店舗以上」は、過去に積み上げた数字です。いまどう動いているかは、公式の店舗一覧にこの1年で新しく載った店と、消えた店で見てください。
| 本部 | 新しく載った | 消えた | 期間 |
|---|---|---|---|
| ONESELF | 9店 | 3店 | 2025年10月→2026年10月 |
| メンズ脱毛JAPAN | 6店 | 1店 | 2025年9月→2026年10月 |
| ハイジ | 4店 | 14店 | 2025年9月→2026年10月 |
| ディオーネ | 3店 | 11店 | 2025年10月→2026年10月 |
| SELFMADE | 2店 | 5店 | 2025年9月→2026年10月 |
18本部のうち、この1年の一覧を本部ごとに数えた5本部の値です。期間の初めと終わりの一覧を比べた数で、途中で載ってすぐ消えた店は入っていません。一覧から消えた店には、移転や改名も含まれます。
消えた店の名前を挙げて、閉店かどうかを本部に聞いてください。
市場・収益分析の要点と、店の推移の記録
03市場・収益分析
18社を同じ物差しで調べて分かったこと
照合の起点から現在までで、一覧に新しく載った店より消えた店が多い本部がある
公式の店舗一覧を、本部ごとに照合の起点と現在で店名・住所で突き合わせました(期間は本部ごとに違い、約1.4〜3.3年)。直近1年の区切りで店名を突き合わせて集計できた本部は、18本部中0本部です。そのため、この図は照合の起点から現在までの増減です(編集部の判断の「この1年」の表は、一部の本部について一覧を別に数えた値で、対象の本部数を表に書いています)。一覧に新しく載った店より、一覧から消えた店が多い本部が8社ありました。
ディオーネは一覧に新しく載った店10店・一覧から消えた店29店です。
上:照合の起点から現在までで一覧の店が増えた本部/下:減った本部。括弧内は起点→終点の店舗数と、一覧に新しく載った店・消えた店の数です(起点+載った−消えた=終点)。一覧の動きで、実際の開店・閉店とは限りません。消えた店には移転・改名を含む場合があります。
黒字に必要な月の施術人数を、標準の水準に対する割合で比べる
本部ごとに標準の月の施術人数が違うため、黒字に必要な月の施術人数を標準の水準に対する割合に直して並べました。低い本部で62%、高い本部で100%です(都市部の家賃)。
低いほど、利用が集まらなくても赤字になりにくい(毎月の本部への支払いの総額を確認できた本部。参考扱いの11社は除く)
初期費用を取り戻すまでの期間は、1年10か月から10年超まで開く
標準の月の施術人数・都市部の試算です。判定に使う回収の期限は5年で、図の縦線が期限です。毎月の本部への支払いの総額と初期費用を確認できた3社のうち、1社は期限内に初期費用を取り戻せません。本部への支払いが非公開・未確定などで参考扱いの11社は、この数に入れていません(本部ページに参考値)。
公表の初期費用に物件取得費が入っていない(入るか分からない)無人セルフ脱毛サロン Tiana・メンズ脱毛ZEROも、この図から外しました(物件取得費を足した回収の幅は本部ページに参考として載せています)。
短いほど早く回収できる(開業から6か月で月の施術人数が上がる前提)。確認できた3社をすべて表示。回収は、本部が公表した初期費用(判明分の合計・税抜)で計算しています。物件取得費・内装など開業支出の一部を含まない本部は、実際の回収はさらに延びます(立ち上がりの赤字は月別の試算に入れてあり、予備は回収の対象に入れません)
項目ごとの説明・宣伝文句の読み方・言いにくいこと
お金のほかに見る4つのこと
上の「前提」に書いたとおり、脱毛は医師法・特定商取引法・倒産の3つの線が近い業態です。
そのうえで、加盟店とお客さんを守れるかを、次の4つで本部ごとに見ました(全項目の決まりは評価ロジックに書いています)。
1. 効果の表示:医療脱毛の線に近づく言い方をしていないか
エステの光脱毛は、毛根を壊さない範囲でしか行えません。だから「永久脱毛」「毛根を破壊」とは言えません。18本部の客向けサイトのトップページを読むと、はっきりこう書いた本部はありませんでした編集部の集計(2026年10月8日)。ただ、線に近い表示が3本部にありました。
- メンズ脱毛FiGO:FAQで「毛根に直接刺激を与える脱毛方式」とし、「医療脱毛でもマシンの出力が弱ければ」と書いて、医療脱毛と効果を比べる説明をしています企業公表。
- 美肌脱毛FACTORY:自社の方式を「毛乳頭付近の毛母細胞へも影響を与えながら減毛」と書いています企業公表。
- 脱毛工房36.c:「火傷トラブルゼロ」と書いています企業公表。安全の表示は、根拠の資料が見当たりませんでした。
効果を強く言うほど、お客さんの期待とのずれが苦情になり、行政の目も向きます。表示は本部が作りますが、苦情を受けるのは店です。
2. やけど:エステの脱毛の危害は、医療機関より多いから
国民生活センターには、2012年度からの約5年間で脱毛の危害の相談が964件ありました。エステで受けた脱毛が680件、医療機関が284件です行政資料。無人のセルフ脱毛では、出力を調べて合わせるのもお客さん自身です。やけどが起きたときに、誰が、どの保険で補償するかを公開していた本部は見つかりませんでした。全本部の判断票に入れました。
3. 前払い:コースを売らない本部が多い
- 今回の本部は、都度払い(メンズ脱毛JAPAN、KENAX、NICOL、SELFMADE、ONESELF、FiGO、美肌脱毛FACTORY)か、月額制(i-Skin、セレディピ、ハイジ、メンズ脱毛ZERO)が中心でした企業公表。前払いのコースを抱えない売り方は、大手の破産が続いたこの業界では安全側です。どこでもミュゼは、破産したミュゼの会員の残りの施術を加盟店が担う形で、性格が違います。
4. セルフ脱毛の契約:法律の守りが薄い分、規約が問われるから
- 無人のセルフ脱毛は、一般に特定継続的役務の対象外とされます。国民生活センターは、セルフエステの相談が2022年度に400件を超え、解約や違約金のトラブルが多いと注意を呼びかけています行政資料。月額の通い放題を売る本部(i-Skin、セレディピ、ハイジ)は、解約の手続きと違約金の決まりを、会員に分かる形で示しているかを確かめてください。
- 編集部の結論: 18本部の本部名・運営会社名・ブランド名で、2026年10月に処分の公表・裁判例・報道を検索した範囲では、医師法違反の摘発、特定商取引法の処分、やけどの判決や報道は見つかりませんでした(見つからないことは、無いことの証明ではありません)。この4つで判定を変えた本部はありません。「おすすめ」にする条件に、効果や安全を医療の線に近づけて表示していないことと、やけどのときの対応と補償を本部が示していることを足しました。
そのまま判断材料にしない宣伝文句
- 「店舗数日本一」「全国100店舗以上」。 ディオーネは一覧が77店から58店に減る間、「100店舗以上」を掲げ続けています。メンズ脱毛ZEROは2021年の「全国13店舗」の画像が今も残り、一覧は9店です。店舗数は公式の一覧で数えてください。
- 「先着◯名」「◯店舗限定」。 18本部の募集ページを過去にさかのぼると、限定表示は年単位で続いていました。俺の毛の「30店舗限定」は約4年半、店は4店のままです。Tianaの「各地域の先着1件」は約3年、ハイジの「先着30名」は約2年続いています。
- 「ロイヤリティなし」。 KENAX、NICOL、脱毛工房36.cがそう書きます。それでも商標使用料や機器、消耗品の支払いは別にあります。比べるのは、本部と本部の指定先へ毎月出ていくお金の合計です。
- 「廃業率0%」「黒字率93%」。 Tianaの「廃業率0%」は、一覧から消えた店と合いません。どこでもミュゼの「黒字経営率93%」は、何を黒字と数えたかが書かれていません。
- 本部の収支例の利益。 メンズ脱毛JAPANもZEROもFiGOも、人件費か機器代か本部の月額費を引いていません。FiGOの例から本部の月額費とリースを引くと、利益は約半分になります。
- 「毎年130%以上成長する市場」。 MELLOW WAXのページの文句です。サロン脱毛の市場は4年続けて縮んでいます。
表示が変わること自体は、プランの変更や表現の見直しでも起きます。変わったこと自体を悪いとは決めません。ただ、過去の数字では契約できません。変わった理由と今の条件を、本部に書面で聞いてください。
言いにくいこと
無人のセルフ脱毛は「何もしなくていい副業」ではありません。 無人で回せるので、運営のしかたとしては副業に対応します。ただ、副業で利益が残ると確かめられた本部はありません。売りに出ている無人店の月商は、本部の宣伝よりずっと低い水準に集まっています。会員の予約状況を外から見られる本部も、1つもありませんでした。既存店の月別の利用回数を出さない本部は、比べようがありません。
- 機器を売る本部は、初期の機器販売への依存が大きい形です。 ディオーネは初期費用318万円のうち248万円が本部の売る脱毛機です。Tianaは初期投資約500万円のうち約380万円が機器関連です。加盟店が長く続くかと、本部の収入が結びつきにくくなります。
- ハイジは、条件が後から重くなりました。 募集ページを2020年からさかのぼると、当時の初期費用は「最低200万円から」でした。今は通常373万円(税別)で、100店に達するまでのキャンペーン価格が273万円です。毎月の支払いは月3万円から、ロイヤリティ5万円+システム諸経費8.5万円前後(8万〜9万円)=約13.5万円になりました。回収の目安も「現実的に2年」から「2〜3年」に延びています。その間に一覧は70店から59店へ減りました。
- 過去の条件では契約できないので、今の条件と変わった理由を書面で確かめてください。
- ONESELFは、2026年10月7日に「条件次第」から「様子見」に変えました。 毎月の支払いの率と上限を、確認できた約4年の間ずっと公開していないからです。本部に払う合計が分からないと、利益も回収期間も確かめられません。入口は「自己資金0円」まで下がりましたが、ローンの金利と期間も書かれていません。借入で始めるなら、その条件で計算し直してから決めてください。
- 18本部のうち7本部は、毎月いくら払うのかを公開していません。 ONESELF、SELFMADE、i-Skin、セレディピ、KENAX、NICOL、美肌脱毛FACTORYです。この7本部の試算は、支払いを月9万円で仮置きした参考値です。
- 3本部は、契約相手の会社を公開資料で特定できません。 メンズ脱毛JAPAN、メンズ脱毛ZERO、俺の毛です。特定できた運営会社には、行政処分や裁判の記録は見つかりませんでした。2026年3月に消費者庁の指示を受けた「株式会社クリア」は、美肌脱毛FACTORYの本部とは別の会社です。無人のセルフ型は特定商取引法の処分の対象になりにくいので、記録がないことを安全の証拠にはしていません。
- 本部の厚生年金の加入者数は、支援担当の人数ではありません。 ONESELFは9人、Tianaは6人、ハイジは2人、KENAXは1人でした。順位には使っていません。それでも、開業後に店を見る担当が何人いるかは、契約前に必ず聞いてください。