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ネイル・まつげサロン フランチャイズ

ネイル・まつげサロンフランチャイズの調査記録(全文)

ネイル・まつげサロンフランチャイズの比較で使った前提・市場の分析・項目ごとの説明を、省かずに載せます。結論と比較表はネイル・まつげサロンフランチャイズ比較にあります。

前提の説明と試算の記録

まず、ネイルとまつげは別の商売です

まつげエクステは、法律上「美容」です。

施術する人は全員、美容師免許が要ります。店は美容所の届出と検査が要ります(厚生労働省)。

  • ネイルは、美容師法の「美容」に当たらないと解されています。そのため、美容師免許も美容所の届出も要りません(自治体の案内)。未経験の人を雇って、本部の研修で育てられます。ただし、店の内装・消防・広告・客との契約など、ほかの法令は別にかかります。物件ごとに確かめてください。
  • この違いは、採用の難しさにそのまま出ます。まつげの店は、免許を持つ人が1人辞めると、その席の売上がゼロになります。ネイルの店は人を集めやすい代わりに、単価が安くなりがちです。
  • 厚労省は2008年から、まつげエクステの危害について通知を重ねています。2015年には、無資格の施術は告発も視野に入れて対応するよう、自治体に求めました。免許の確認を本部任せにしないでください。

売りに出ている店で観察された数字は、試算の62%より低い

  • 当サイトの試算は、予約の62%が埋まる前提を「比べるための場合」にしています。そこで、事業承継サイトで売りに出ている店の数字と比べました。
  • 1店舗だけの案件で、スタッフ1人あたりの月商の中央値は次のとおりでした。本文に月商(年商だけなら12で割る)とスタッフの人数が両方書かれた案件で、月商を人数で割り、その中央値をとっています(売り手の見込みの売上は除く)編集部の集計(2026年10月7日)。
  • ネイル:約36万円(75件)
  • まつげ・眉:約48万円(60件)

この「スタッフ」は案件に書かれた人数で、短時間のパートも1人と数えます。常勤に直した人数ではないため、1人が月160時間働く試算と並べて稼働率を出すことはしません。言えるのは傾向までです。売りに出ている店の1人あたりの月商は、試算で予約が62%埋まった場合の1人あたりの売上より低い側に集まっています。

利益の差はもっと大きく出ました。1店舗の営業利益の中央値は、ネイルが年120万円、まつげが年312万円です編集部の集計。赤字と書かれた店は、ネイルで25%、まつげで19%でした編集部の集計。

  • 売りに出ている店が、業界の平均とは言えません。売り手が書いた理由の多くは「本業に集中したい」で、業績不振を挙げた店は349件中4件だけでした。ただ、売る理由は売り手の自己申告で、不振は少なめに書かれやすいものです。それでも、62%を当たり前と考えないでください。
  • この記事では、予約が40%埋まる「低い場合」と、62%埋まる「比べるための場合」の両方で判断します。62%まで埋まる確率は分かっていません。

決め手は3つだけ

1. 1時間いくらで売れるか

  • 利益は、ほぼこれで決まります。家賃と人件費は、どの本部でも同じくらいかかるからです。
  • 19本部の代表メニューを1時間あたりにすると、約1,700円から1万円まで開きました。同じ「サロン」でも別の商売です。
  • ネイルの定額4,400円は、都市部では利益がほとんど残りません。はあとねいるは62%埋まっても、都市部で月約4万円です(当サイトの試算)。地方の家賃なら約19万円になり、回収は35か月です。だから、はあとねいるは地方で3席以上の店に限って「おすすめ」にしています。
  • まつげ・眉の本部は単価が高めです。ロレインブロウは1時間約8,500円です。ただ、編集部が勧めるのは美容師を社員で雇う形なので、その形で計算しました。給与は全本部共通の月30.8万円に、社会保険などの会社負担(15%と仮置き)を足し、社員3人に予約と関係なく払う前提です。ロレインブロウは、都市部の月の利益が予約4割で約30万円の赤字、62%で約38万円、8割で約93万円です。
  • 黒字になるのは予約50%からで、回収は都市部35か月です(当サイトの試算)。
  • nicottは同じ給与で、予約4割で月約55万円の赤字、62%で約6万円、8割で約57万円です。黒字の線は60%で、都市部では5年で初期費用が戻りません(税抜の当サイトの試算)。
  • 本部の資料にある給与でも計算しました。ロレインブロウの既存店の給与の中央値(月34.7万円)なら黒字の線は55%です。nicottの採用ページの最低月給23万円なら51%です。給与例の47.7万円なら81%まで上がります。
  • 施術者に売上の45%を払う業務委託なら、ロレインブロウは4割でも月約9万円残る計算です。社員の店では、予約が少ない月も給与が満額かかるので、そうはなりません。

2. 施術する人を、誰が集めるか

  • この業態で店が回らなくなる理由は、ほぼ人です。売却案件でも、スタッフの退職や人手不足を理由に挙げた店は29件ありました。
  • もう一つ、知っておくべき事実があります。まつげサロンが辞めた施術者を訴えた裁判を4件読みました。客を連れて行かれた、近くで働かれた、という訴えです。4件とも、サロン側はほぼ負けています。
  • お客さんは店ではなく人につく、と考えてください。 だから本部を選ぶときは、採用を誰がやるかを最初に聞きます。
  • 本部が雇って派遣する:Blancだけ
  • 本部が採用を手伝う:elua、CILGRACE、KATE stage LASH、shiki
  • 加盟店が自分で採用する:それ以外

3. 去年、一覧に何店載って、何店消えたか

「全国300店舗」は、過去に積み上げた数字です。今どう動いているかは、この1年の一覧の動きで見ます。一覧から消えた店には、移転や改名も含みます。

本部この約1年で一覧に新しく載った店消えた店
はあとねいる2913
ロレインブロウ(約1年3か月)493
nicott61
ティーエヌ015

ティーエヌは店舗数では大手です。でもこの1年、新しく載った店は1つもありません。

この表は、取得できた最新の区間が約1年(9〜15か月)の本部だけで、期間の初めと終わりの一覧を比べた数です。Blancは最新の区間が約1年8か月で長さが違うため、表から外しました(その間に2店が新しく載り、6店が消えました)。途中で載ってすぐ消えた店は入っていません。nicottは、起点(2024年2月)の24店は1店も消えていません。表の1店は、起点より後に載って消えた店です。


市場・収益分析の要点と、店の推移の記録

03市場・収益分析

19社を同じ物差しで調べて分かったこと

1

直近1年で、一覧に新しく載った店より消えた店が多い本部がある

公式の店舗一覧の直近1年分(区間が9〜15か月の本部)を店名で突き合わせました。直近1年の集計は9本部のみ済みです。一覧に新しく載った店より、一覧から消えた店が多い本部が3社ありました。ネイルサロン ティーエヌは一覧に新しく載った店0店・一覧から消えた店15店です。ロレインブロウ・まつ毛パーマ専門店 Fiara・ネイルサロン shiki・ネイルサロン ティアラリュクス・まつエク専門店gradationは直近1年分が未集計のため含みません。

5本部(Eyelash Salon Blanc・eluaまつげパーマ・眉毛専門サロン・enyまつ毛パーマ・アイブロウ専門店・LashRush・アイラッシュサロン CILGRACE)は、取得できた最新の区間が1年でない(9か月未満か15か月超)ため除外しました。

はあとねいる+16店(287→303店・載29・消13)
KATE stage LASH+12店(2→14店・載12・消0)
nicottグループ+5店(35→40店・載6・消1)
まつげと眉毛の専門店 eye mor.+5店(22→27店・載5・消0)
ネイルサロン ティーエヌ−15店(119→104店・載0・消15)
ANNEネイルサロン−1店(17→16店・載1・消2)
まつげパーマ専門店 Soleil−1店(4→3店・載0・消1)

上:直近1年で一覧の店が増えた本部/下:減った本部。括弧内は起点→終点の店舗数と、一覧に新しく載った店・消えた店の数です(起点+載った−消えた=終点)。一覧の動きで、実際の開店・閉店とは限りません。消えた店には移転・改名を含む場合があります。3年前にあった店がどれだけ残っているかは、市場・収益分析にあります。

2

黒字になる稼働率は、本部によって2倍以上違う

同じ式で試算すると、黒字になる稼働率は低い本部で42%、高い本部で90%です。1社は稼働率100%でも黒字になりません。

LashRush45%(業務委託2人)
はあとねいる57%(業務委託3人)
KATE stage LASH59%(業務委託2人)
ANNEネイルサロン81%(業務委託2人)
まつ毛パーマ専門店 Fiara90%(業務委託2人)

低いほど、予約が少なくても赤字になりにくい(都市部・税抜の試算。雇用条件は本部ごとに違い、各本部の試算の前提は本部ページにあります。毎月の本部への支払いの総額と主要な入力を確認できた本部だけで、参考扱いの11社は除く)

3

初期費用を取り戻すまでの期間は、確認できた3社とも判定の期限(5年)を超える

稼働率62%・都市部の試算です。判定に使う回収の期限は5年で、図の縦線が期限です。毎月の本部への支払いの総額と初期費用を確認できた3社のうち、3社は期限内に初期費用を取り戻せません。本部への支払いが非公開・未確定などで参考扱いの11社は、この数に入れていません(本部ページに参考値)。

公表の初期費用に物件取得費が入っていない(入るか分からない)Can I Dressy・eluaまつげパーマ・眉毛専門サロンも、この図から外しました(物件取得費を足した回収の幅は本部ページに参考として載せています)。

短いほど早く回収できる(開業から6か月で稼働率が上がる前提)。確認できた3社をすべて表示。回収は、本部が公表した初期費用(判明分の合計・税抜)で計算しています。物件取得費・内装など開業支出の一部を含まない本部は、実際の回収はさらに延びます(立ち上がりの赤字は月別の試算に入れてあり、予備は回収の対象に入れません)

市場・収益分析レポート19社の店舗数の増減・損益分岐・回収期間・本部の体制をすべて見る(約10分)

項目ごとの説明・宣伝文句の読み方・言いにくいこと

お金のほかに見る4つのこと

目元と爪は、薬剤と接着剤を体に直接使う施術です。

けがや炎症が起きれば、お客さんへの責任は店にあり、無資格の施術なら罰則もかかります。だから、お金の試算とは別に、次の4つを本部ごとに見ました(全項目の決まりは評価ロジックに書いています)。

1. 免許:まつげだけでなく、眉も美容師免許が要るから

  • まつげエクステが美容師免許の要る施術であることは、上に書いたとおりです。眉も同じです。さいたま市は2026年6月、まゆ毛のカット・脱毛・カラー、ワックスやテープを使ったまゆ毛の施術も、美容師免許がないと仕事としてできないと案内しています行政資料。眉WAXを主力にする本部も、施術者全員に免許が要ります。
  • 13のまつげ・眉の本部のうち、施術者に美容師免許を求めると募集ページか採用ページで確かめられたのは、ロレインブロウ、Blanc、Fiara、グラデーション、LashRush、eny、Soleil、eye mor.、eluaの9本部でした企業公表。ネイルの本部のティアラも、アイラッシュの施術者に免許を求めています。
  • 残る4本部(セレビアイ、CILGRACE、KATE stage LASH、nicott)は、施術者の免許をどう確かめるかを公開資料で確認できませんでした。オーナー自身に免許が要らない本部でも、店で働く人の免許を確かめるのは、美容所を開く加盟店の責任です。

2. 目元の健康被害:相談は今も年に100件を超えるから

  • まつげエクステの相談は、全国の消費生活センターに2023年度192件ありました。うち危害は60件です(PIO-NETの集計の紹介)。国民生活センターは2015年に、5年間で危害599件と注意を呼びかけています行政資料。接着剤によるアレルギーや、目の炎症が中心です。
  • まつげパーマには、薬機法の承認を受けた専用の液がありません。渋谷区は、頭髪用のパーマ液をまつ毛に使わないよう求めています行政資料。まつげパーマを主力にする本部(ロレインブロウ、Fiara、Soleil、eny、elua、KATE stage LASHなど)は、どの薬剤を使い、目に異常が出たときにどう対応するかを、加盟前に確かめてください。

3. ネイルの衛生:免許がない分、本部の基準がすべてだから

  • ネイルは美容師免許が要らない代わりに、衛生の決まりも美容所ほど細かくありません。厚労省の衛生管理の指針に沿うのは店の努力です。ジェルの成分によるアレルギーは、お客さんにも施術者にも起きます。ネイルの6本部(ANNE、Can I Dressy、はあとねいる、shiki、ティーエヌ、ティアラ)で、アレルギーの説明や手袋・換気などの衛生の基準を募集ページに書いた本部は見つかりませんでした。

4. 施術者の定着と独立:人が辞めると、その席の売上が消えるから

  • 施術者が辞めて近くで独立すると、お客さんも一緒に移ります。契約で加盟店の独立を縛る本部(グラデーションは競業避止あり)と、縛らない本部(KATE stage LASHは競業避止・解約違約金なし)があります。ただ、加盟店が雇う施術者の引き抜きや独立を、本部がどう扱うかを書いた本部はありませんでした。
  • 編集部の結論: 19本部の名前で、美容師法違反の摘発や健康被害の報道は見つかりませんでした。判定を変えた本部はありません。まつげ・眉の本部で「おすすめ」にする条件に、施術者に美容師免許を求めることが募集ページか採用ページで確かめられることを足しました。ロレインブロウは満たします。施術者の免許を求めていない本部は、ほかの材料がよくても「おすすめしない」にします(今回、該当する本部はありません)。

そのまま判断材料にしない宣伝文句

  • 「回収○か月」。 はあとねいるは「平均12〜15か月」を3年以上掲げ、2026年6月に「18〜30か月」へ変えました。同じ時に「保証するものではない」の注記も足しています。
  • 「限定」「残り○名」。 ティーエヌの「今月は残り○名/30名」は、約3年出続けました。残りは12名、2名、6名と上下しています。グラデーションの「先着30店舗限定価格」も3年同じで、その間の店は4店のままです。
  • 募集ページの店舗数。 Blancは「全国100店舗以上」を5年掲げ、一覧は83店です。ティアラの「全12店舗」は2015年から同じ文面で、一覧は7店です。店の数は公式の一覧で数えてください。
  • 「赤字0店舗」。 ロレインブロウは「1年たった店は赤字0店舗」を約2年載せ、今のページから消しました。消えた理由の説明はページにはありません。
  • 「ロイヤリティ0円」。 毎月の定額費用が別にかかる本部があります。ANNEは2026年6月まで「ネイルサロンロイヤリティ 月額4.4万円」と書いていました。今は「ロイヤリティ0円※」で、別にブランド使用料が月3.3万円からかかります(新規開業向けのスタンダードは月5.5万円)。名前ではなく、毎月払う合計額で比べてください。

表示が変わること自体は、プランの変更や表現の見直しでも起きます。だから変わったこと自体を悪いとは決めません。ただ、過去の数字では契約できません。変わった理由と今の条件を、本部に書面で聞いてください。


言いにくいこと

ネイルで人を雇う店は、利益が薄いです。 売りに出ているネイルの1店舗は、営業利益の中央値が月10万円ほどです。定額の安い本部ほど、都市部では残りません。ネイルなら地方で、席を3つ以上取れる場所に限ってください。

  • 店舗数の多い本部ほど、今が縮んでいることがあります。 ティーエヌはこの1年で119店から104店になりました。キャンアイドレッシーは約3年で、起点の店の4割前後が一覧から消えています。
  • 本部の厚生年金の加入者数は、支援の人数ではありません。 Blancの331人には、本部が雇って派遣する施術者も含まれるとみられます。この数字で本部を順位づけはしていません。担当の人数は、契約前に直接聞いてください。
  • 運営会社の名前が出ていない本部があります。 KATE stage LASHは、どの資料にも運営会社名がありません。担当者の紹介には「eluaのFC本部社長」が名前を連ねています。eluaは、起点の店の3割が一覧から消えています。
  • 6本部は、毎月いくら払うのかを公開していません。 Blanc、セレビアイ、eye mor.、グラデーション、eny、Soleilです。Blancは収支例から売上の15%と読めますが、率も額も明記はありません。この6本部の試算は仮置きの参考値です(Blancは15%、ほかは売上の10%)。払う額が書面で出るまで、比べようがありません。